モンティ・パイソンの「バカ歩き」はどれぐらいバカか。雑誌「歩行と姿勢」に研究結果掲載

研究は助成金支給

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年03月16日, 午後 01:00 in Science
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Erin E. Butler and Nathaniel J. Dominy

英コメディ集団モンティ・パイソンの名作コント「バカ歩き省」に登場する奇妙な歩き方"バカ歩き"がどれほど馬鹿かを研究した論文がジャーナル「Gait & Posture(歩行と姿勢)」に掲載されました。この研究によれば、バカ歩きは通常の歩き方より最大6.7倍馬鹿だとのこと。米ダートマス大学の研究者は、「バカ歩き省」がBBCで最初に放送されてから50周年を記念するためにこの研究を始め、作中でバカ歩き大臣(ジョン・クリーズ)とバカ歩き開発のための助成金を申請しにやってきたピューティ氏(マイケル・ペイリン)のバカ歩き度を分析しました。

コントでは、大臣はピューティ氏に対して「君の歩き方はそれほどバカではない。右足はそれほどバカでなく、左足もステップごとに空中で止まっているだけだ」と指摘。それに対しピューティ氏は助成金さえもらえればものすごく馬鹿げた歩き方にすることができると食い下がります。大臣は執務室をバカ歩きしながら、国の予算がいかに厳しく制約があるかを説明、そしてピューティ氏に"アングロ・フレンチのバカ歩き"の特別研究のための奨励金を提示します。

ダートマス大学の研究者は"通常の歩行からの逸脱"状態を"バカ歩き"と定義してそのバカ度を定量化しました。また研究対象にはテレビで放映されたコントだけでなく、1980年に上演されたライブパフォーマンスも含めています。そして、大臣の歩き方が通常の6.7倍もバカなのに対し、ピューティ氏は3.3倍ほどしかバカではないとその結果を示しました。

ただ、この研究は「なんともバカバカしい」と笑っておしまい、というものではありません。研究者は、このコントは健康科学の学術研究における査読プロセスに当てはめて考えることができると指摘しています。

研究者によれば現状、政府の研究資金申請には150ページ以上の提案書が必要とされ、その準備のために研究者は数か月もの時間をとられる場合があります。提案書が完成した後はパネルによるレビュー期間が長らく続き、パネリストの75%以上の支持がなければ、研究資金は得られません。

研究者はオーストラリアの国立保健医療研究評議会が2013年に実施した研究資金申請プロセスの合理化が2015年には年あたり210万~490万ドルの節約になった事例を挙げ「資金がより迅速に支給されるようになれば、研究者はより早期に研究を開始できます。同時に資金を出す側も時間とコストを浪費せず、さらに多くの研究に資金をあてられるようになる可能性があります」と説明、現状の時間もコストもかかる手順の改善の必要性を訴えています。

これは、研究のための資金が早期に支給されないせいで、せっかくの画期的な研究も無駄に終わる可能性があることも意味するかもしれません。実際、"バカ歩き省"のコントにおいても1970年のテレビ放送時は通常の6.7倍もバカだった大臣のバカ歩き度は1980年には4.7倍に低下。2014年、ロンドンO2アリーナで行われた『モンティ・パイソン 復活ライブ!』ではもはや大臣はバカ歩きをせず、ダンサーたちがバカ歩き風のダンスをしているだけでした。

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