arrows 5G
10年でプレイヤーも技術も市場環境も大きく変わるスマホの世界において、富士通コネクテッドテクノロジーズはarrowsブランドとして5年ぶりのハイエンドスマホ「arrows 5G」を発表しました。その姿はここ数年のarrowsとはがらりと変わり、 5Gの先進性を身をもってアピールするスマホになっています。

厚さ7.8mmの薄型ボディ。側面までなだらかなカーブで覆う有機ELディスプレイ、流行りの画角を変えられるトリプルカメラなど、その要素だけあげていくと、ここ数年のarrowsスマートフォンとの違いに驚きます。

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そしてこのスマホの最も尖っているポイントが"ミリ波"に対応すること。5Gの高速性を発揮しながらモバイル通信ができるミリ波帯での通信ですが、アンテナ設計などに工夫が必要という事情もあり、ドコモが6機種用意した5Gスマホ第一弾のラインナップの中でもarrows 5GとGalaxy S20+の2モデルしか対応していません。

arrows 5G

そんな尖った性能を持ちつつ、手に持ってみるとarrowsらしい要素も宿しているのが分かります。たとえばカメラはシャッターボタンが大きく表示され、押せば写真が撮れるというシンプルイズベストな画面構成。今回ここにAdobeとの協力によって「Photoshop Expressモード」なる機能が実装されます。開発中のため試せませんでしたが、写真を撮るだけでPhotoshop Expressアプリ相当の自動調整を施した画像が一緒に保存されるモードです。

餅は餅屋、写真はAdobe。自社で開発するよりもプロと組むという姿勢、嫌いじゃありません。Photoshop Expressアプリをプリインストトールするだけではなく、一歩踏み込んだカスタマイズを入れるところは好感触です。


arrows 5G


今回arrowsで初めて採用される、画面内指紋センサーでもユニークな機能を搭載しています。指をタッチするだけで指定したアプリを起動できるというその名も「FASTフィンガーランチャー」機能。タッチしたあと指を上下左右にスライドさせる動作でもそれぞれアプリを割り当てられるので、1つの指で5つのアプリのショートカットを指定できます。

arrows 5G

また、「SNSシェア」はありそうでなかったプリインアプリです。このアプリを立ち上げるとarrows 5GはWi-Fi経由でローカル接続できるサーバーとして機能し、端末内の写真を複数の人とシェアできます。クライアントはiPhone/Androidのブラウザーと幅広い対応で、arrows 5Gのサーバー上に写真をアップすることもできます。Wi-Fi ダイレクトはローカル通信なので無駄なデータ通信も使いません。

arrows 5G
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新しいモバイル通信、薄型ボディ、強力なパフォーマンスと使いやすさへのこだわり......このarrows 5Gを手に取って、筆者の脳裏に思い浮かんだのは、ドコモ4G LTE(当時はXi クロッシィと呼ばれていました)の初期に登場した「ARROWS X LTE F-05D」というスマホでした。

ARROWS X LTEを筆者は2012年頃にメイン機として使っていました。このスマホはXiの先進的な機能を詰め込み過ぎたためか、当時のチップセットやAndroidプラットフォームの限界なのか、アプリの処理がたまるとフリーズしてしまうことがしばしばありました。当時はどのメーカーのAndroidスマホの概ね変わらない挙動だったため、筆者はこんなものか気にせず使っていました。Android 4.0にバージョンアップしたときには、動きもスムーズになり、(その当時としては)特に不満のないスマホになったことを覚えています。

ARROWS X LTE▲マゼンタ使ってました。薄型ハイスペックとコンセプトは通ずるものがありますね

このARROWS X LTEがでた2011年と、arrows 5Gが発表された2020年。通信もハードウェアもAndroidのプラットフォームも見違えるほど進化しています。arrows 5Gではクアルコムの最新最上位チップセットSnapdragon 865を搭載し、ゲームに適した動作を保証するという「Snapdragon Elite Gaming」なる認定も取得しています。

9年前とは見違える安定さを獲得したスマホを使い、新しいモバイル通信の高速さを味わえるという楽しみも良いなと、このarrows 5Gに触れながら感慨にひたっていました。

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ちなみに、なぜここまで変貌したのかとドコモの担当者に聞いてみたところ「arrowsがこれまで展開していたミドルレンジとはターゲットとするユーザーが違うから」というシンプルな回答。ここ数年のarrowsスマホの定番だったMILスペックのタフネス性は薄さのためにトレードオフとされたということでしょう。

一方で、arrows 5Gにもここ数年のarrowsの機能が受け継がれている部分もあります。「ハンドソープで洗える」という防水性能は健在です。

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