次世代機Xbox Series Xは『ベロシティ・アーキテクチャ』でSSDが劇的進化。専用拡張カードで増設対応

外付けはUSB3.2で

Ittousai
Ittousai , @Ittousai_ej
2020年03月18日, 午後 02:50 in xbox
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Xbox Series X

マイクロソフトが次世代ゲーム機 Xbox Series X の詳細な技術仕様を公開しました。

従来はぼかされていたRAMの量(16GB GDDR6)や、初発表となる新アーキテクチャの数々も明らかになり、ハードウェアについては伏せ札をほぼ見せた状態です。

特に情報の少なかった内蔵1TB NVMe接続SSDについては、ハードウェア(圧縮)展開ブロックや最新のDirectStorage APIを組み合わせ、メモリとも密に統合した「ヴェロシティ・アーキテクチャ」なるものを採用。ゲームに特化して実効転送速度を向上させるカスタム設計であること、専用の拡張カードを追加することで内蔵と同じ速さのまま2TBに拡張できることが初めて明らかになりました。
CPU 8 コア @ 3.8 GHz (サイマルテイニアスマルチスレッディング (SMT) 使用時3.66 GHz)
カスタム Zen 2 CPU
GPU 12 TFLOPS, CU x52 @ 1.825 GHz

カスタム RDNA 2 GPU

ダイサイズ 360.45 mm2
製造プロセス 7nm Enhanced
メモリ 16 GB GDDR6 バスサイズ 320 MB
メモリバンド幅 10GB @ 560 GB/s, 6GB @ 336 GB/s
内部ストレージ 1 TB カスタム NVME SSD
入出力転送速度 2.4 GB/s (生データ), 4.8 GB/s (カスタムハードウェアによる圧縮データ展開時)
拡張可能ストレージ 1 TB 拡張カード (内部ストレージ量と一致)
外部ストレージ USB 3.2 外付け HDD に対応
光学ドライブ 4K UHD ブルーレイドライブ
パフォーマンス目標 4K @ 60 FPS, 最大120 FPS

マイクロソフトはこれまで、「グラフィックはAMD RDNA 2アーキテクチャ採用、性能指標は12TFLOPS 」(Xbox One X の2倍、PS4 Proの約2.8倍、PCでいえば10万円近いハイエンドGPUのRTX2080以上に相当)、「高速な次世代NVMe接続SSD」など、ざっくりしたハイライトのみを伝えてきました。

今回明らかになった仕様表と解説では、RAMの量や種類 (16GB GDDR6)、帯域(336GB/秒~ 560GB/秒)など肝心の部分や、ストレージの構成と帯域、実際にゲームを動かす上での実効性能を上げるための新アーキテクチャ、コントローラから描画までのレイテンシ(遅延)を削ぎ落とす仕組みなど、これでもかと細部を伝えています。

特に興味深いのはSSDの部分。次世代ゲーム機の初発表時点ではプレイステーション5もXbox Series X も「高速なSSD採用」程度だったため詳細が分からず、またPCの主ストレージはほとんどSSDに置き換わって久しいこともあり、「価格を抑えねばならないゲーム機では厳しかったSSDがようやく採用された」だけ、いまさらな話と受け取られる場合もありました。

しかしフタを開けてみれば、NVMe接続で生の転送速度が速いだけでなく、メモリ・SSD・専用ハードウェアとDirectXの新APIを統合し、メモリ・ストレージ効率を向上させるとうたう「Velocity アーキテクチャ」が新Xbox の大きな目玉でした。

具体的には、

・SSDの転送速度は2.4GB/秒、専用の展開ハードウェアブロックで実効4.8GB /秒
・展開ハードウェアでCPU2コア分のオーバーヘッドを軽減。実質、ゲームに使えるコア数が増える
・Direct Xの最新API DirectStorage により、CPUのI/O負荷を軽減。従来は2コア分だった処理を、1コアの1/10程度まで抑える。
・ストレージからメモリへのアセット(テクスチャ)転送を大幅に効率化する Sampler Feedback Streaming (SFS) に対応

マイクロソフトはこのベロシティ・アーキテクチャにより、従来は無駄に発生していた読み込みを軽減することで、実質的に使えるメモリ量は2倍から3倍、I/O効率も2倍から3倍、開放されるCPUコア4つの能力をゲーム内容に使えると豪語しています。

Xbox もプレイステーションも現行世代からはPCと同じ基本アーキテクチャになり、マルチプラットフォームのブロックバスターを品質そこそこで安く遊ぶ、いわゆる「プアマンズPC」的な役割が強まっていた面がありました。

しかしこのベロシティ・アーキテクチャのような先進的な仕組みをいち早く導入できるのは、CPU / GPU とメモリ、ストレージの組み合わせが固定されており、走るアプリケーションの処理もおおむね共通しているゲーム専用機ならではの利点です。

たとえば Sampler Feedback やメッシュシェーディングといった DirectXの新機能は、Windows 10でも2019年末のインサイダープレビューから、一部の対応GPUで導入が始まったばかり。DirectStorageに至ってはまだPCでは使えません。

ある意味、DirectXでGPUメーカーとともにPCゲーミングを主導するマイクロソフトが、自社製の専用デバイスであることを最大限に活用して、次世代PCゲーミング技術の実験場としているともいえます。

Xbox Series X

こうした統合アーキテクチャで困るのは、おいそれとストレージ容量を拡張できないこと。Series X は1TBを内蔵しますが、4K対応で一本100GB近いゲームが増えているなか、AAAタイトルを並行して遊んでいれば、いずれはどれから消そうか悩むことが目に見えています。

マイクロソフトはこの点に対して、専用スロットに挿入する拡張SSDカードを用意します。従来のゲーム機の場合、ストレージ拡張に対応していても、読み込みの速度は内蔵ストレージのほうが速いために内蔵と拡張のどちらに置くか判断したり、移動させたり、あるいはJust Worlsを重視してユーザーから隠蔽している場合はわざわざ消して抜いて落とし直して云々の面倒がありましたが、Series X の拡張SSDは内蔵と同様にベロシティ・アーキテクチャの恩恵を受けつつ倍に拡張可能とされています。

一方、Series X は現行の Xbox One 世代と同様、USB 3.2接続の外付けSSD や HDD にも引き続き対応します。現行機で遊んでいたゲームを Series X で遊ぶには、USBドライブを引っこ抜いてつけかえるだけ。

かつてゲーム機のメモリカードや拡張ストレージは、さまざまな理由から速度メリットがないのに異様に高い値段に設定される伝統があったことから、汎用のフラッシュメモリカードやSSDが使えることが正義、専用は悪という常識がありました。Series X については、内蔵と同じ速さのまま拡張したいなら追加で買うオプションがあり、一方で従来の互換ゲームのライブラリを残してすぐ起動したいなら外付けで、と選んで使い分けられることになります。




ストレージ系のデモとしては、ゲーム自体の実効速度とはまた異なるものの、新機能のクイックレジュームを動画で紹介しています。

クイックレジュームは複数のゲームを中断して、同じ場面にそのまま戻れる機能。従来は同時に起動・中断できるゲームは一本のみ、別のゲームに切り替えたいときはセーブ終了して、次のゲームを読み込んで、タイトルからロードして、の流れでしたが、Series X では高速なSSDにメモリ内容をそのまま退避させることで、複数タイトルをすばやく切り替えられます。

デモを観る限り、従来の説明にあった「一瞬で」というよりは、タイトル画面で数秒の待ちが発生しているものの、従来よりは圧倒的に高速です。このクイックレジュームはメモリ上ではなくSSDに残すため、ゲーム機を電源オフしても、あるいは本体システムアップデートを適用して再起動したあとですら復帰できるとのこと。

Xbox Series X は今年の年末発売予定、価格は未発表。拡張ストレージの価格や、ベロシティ・アーキテクチャの実際の威力を示すデモとともに楽しみに待ちたいところです。

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