MacBook Air 2020年モデルは13インチProを諦められるデキ(本田雅一)

13インチMacBook Proのニーズも汲み取る充実度

本田雅一
本田雅一, @rokuzouhonda
2020年03月20日, 午後 10:30 in MacbookAir
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すでに多くのレポートが上がっているため、シンプルに、そして自分視点で新型MacBook Airについて書いていきたいと思います。「ともかくMacを買いたいんだけど、今なら何がいい?」と相談されたなら、迷わず新型MacBook Airを勧めるでしょう。以前ならばMacBook Proの13インチモデルと迷ったところですが、今回の製品は適応範囲が大きく広がっていると感じました。

Magic Keyboardは16インチMBPと同じ


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まずは期待通りだった部分から。


個人的にもっとも期待していたのはキーボード。現在、僕が個人的に使っているMacBook Pro 13インチモデルは、0.55ミリしかストロークがない超薄型のバタフライ構造です。

実は慣れるとタッチそのものは快適で、力を入れず、最小限の指の動きでタイプできるため。実は結構好きでした。一方で「うるさい」「壊れやすい」といった声があったことも確かです。僕の場合、タイピングの力が強いのか、メカニカルな部分が壊れてチャタリングという現象を引き起こすことも多く、Apple Storeのジーニアスバーに行くと「本田さん、キートップ交換ですか?」と顔を覚えられてしまっているという...。

余談が長くなりましたが、今回、シザース構造に戻り、いや戻っただけではなく、バタフライ構造に匹敵するキートップの並行安定性、しっかりしたタッチを実現するラバードームなどが持ち込まれ、評判の高い16インチモデルと同じタッチになりました。

実際にはTouch Barがないという違いもあり、これはむしろ「こっちが好き」という人もいるでしょう。多少、打鍵音の違いはありますが、ほぼMacBook Pro 16インチモデルと同じ感触です。ストロークは1ミリまで増加し、打鍵音は静かに、底を突くときの感触も柔らかい。

このキーボードを採用するために、本体はもっとも厚い部分が0.5ミリ厚くなってますが、実際は全モデルを並べても違いはほとんどわかりません。40グラムしか違わない重さの違いも同じようなものです。

すでに12インチのMacBookはカタログにないため、これで13インチのMacBook Proだけがバタフライ構造キーボードを採用する唯一のモデルになりました。

ということは......おっと、誰かが来たようだ......。
邪推はともかく、おそらくは故障などにも強いだろうと考えられますから、文字を打つことで仕事をしている僕は、これだけでも欲しくなる気持ちにさせてくれます。

「エクスキューズ」なしに勧められるモデルに


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▲左が2020年モデル、右が2018年モデル。

フルモデルチェンジだった前モデルが発表されたとき、僕はMacBook Airの評価のポイントを次のように挙げていました。
  • ファンレス設計のようにクリーンな筐体のデザイン
  • 高性能タブレット向けだった省電力のYプロセッサ採用のわりにはシャキシャキ動く
  • sRGB、ノンHDRであることを除けばパソコンとして最高クラスのディスプレイの見え味
  • 比較的、購入しやすい価格
といったところです。ちなみに薄型ノートパソコンの代表のように言われているMacBook Airですが、もっとも厚い部分で比べるとMacBook Proの方が薄いんですよね。

でも、すでにこの頃にはバタフライ構造キーボードの問題について懸念がありましたし、ローンチ後にYプロセッサのAmber Lakeにクアッドコア版が投入されているのにMacBook Airには採用されないなど、パフォーマンス面で漠然とした「将来への不安」を感じる部分もありました。

使ってみると十分に使えるのに、なんとなく不安。だからMacBook Airを検討するユーザー層でも、スペック高めを望んでいる層は、そこまで必要はないかと思いつつMacBook Proを選ぶことも多かったのでは。少なくとも僕はそうでしたね。

しかし、第10世代インテルCore(Ice Lake)となった新型では、「どっちがいいかなぁ」と迷う必要はありません。なぜなら、新モデルはMacBook Pro並みの"瞬発力"を持っているからです。

パソコンの性能はひとつの処理をシリアルにこなす「シングルスレッド」の性能と、複数の処理を並列で走らせる「マルチスレッド」の性能を別々に評価することが多いわけですが、新型MacBook Airはシングルスレッドの性能が、現行MacBook Pro 13インチモデル並。僕が使ってるMacBook Pro 13インチモデル(2018 Late)よりも成績がいいんです。

それに内蔵GPUの世代が2世代分進んだため、GPU性能も劇的に向上。GeekbenchのMetalを使った演算テスト結果を見る限り、MacBook Proよりも良い成績を出しています。テストしたCore i5モデルは従来機が4000程度だったのに対し、8500ぐらいの値。MacBook Pro 13インチモデル(2018 Late)は6000ぐらいで、現行機でもせいぜい7000といったところ。

これだけの瞬発力とGPU演算能力があれば、デュアルコアだろうが、クアッドコアだろうが、予算とニーズ次第でどれを買っても不満はないでしょう(Core i3モデルはGPUグレードが落ちるため2/3の性能ですが、それでもMacBook Pro並みです)。今回はローエンドモデルのSSDが256Gバイトに増強されているので、なおさらどれを選んでも満足できると思います。「この場合はこっちがいいかもだけど〜」といった注釈なしに「好きに買えばいいよ」と言える製品になりました。

瞬発力と適応範囲の広さ、価格を考えればCore i5がベスト

というわけで、他人に勧めやすいナンバーワンMacとなった(と僕は思う)MacBook Airですが、自分で購入するならば、Core i5モデルを選びます。

一般的な文書の作成やインターネットの活用、なんてベタなパソコン用途では、Core i3で十分です。なにしろ瞬発力はありますから、応答性の高さは十分に期待できるはず。学生が入学時に入手するパソコンと考えると、季節柄、Core i3はぴったりですが、Core i3とCore i5の純粋な価格差は1万円。

自分のためのパソコンを買うとなると、やはりクアッドコアであることに1万円は加えたいと思いませんか?ちなみにCore i7となると、さらに1.5万円なので、僕ならこれは"パス"ですね。それよりもSSDの単価が以前よりも引き下げられていますから、そちらに予算を割り振った方がいいでしょう。

ということで、512Gバイトから1TバイトにSSDをアップグレードする価格が2万円とお得に見えることも考えて、Core i5モデルを1TバイトSSDにして発注するでしょう。実は一番悩ましいのは16Gバイトのメモリが必要かどうか。動画編集には16Gバイトがいいかなぁと思ったのですが、フルHD程度ならば、意外にも8Gバイトで十分なんですよね。ここの価格差は2万円ですから、おそらく自分なら足してしまうでしょうけれど。

さて最後に。

今後、MacBook Airはノート型のMacとしては、一番適応範囲の広い標準機として、長く活躍するシャシー基盤になるだろうと思います。が、ただひとつバタフライ構造キーボードで残っている製品が、このままの状態で残るとは思えません。

Pro向けモデルということを考えると、オンライン開催が決まったWWDC 2020の時期に新型MacBook Airのさらに上位の製品が登場しそうな予感がします。

実は新型MacBook Air。シングルスレッドの性能はいいのですが、マルチスレッドだとちょっと遅め(低性能という意味じゃないですよ)。このあたり、処理容量全体の底上げと持久力のある重い処理に耐えうるコンパクト機は、別途、登場してくると考えるのが自然ですね。

▲筆者のYouTubeチャンネルでも実機インプレの動画を公開しています。
 
 

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