新型iPad Pro (2020) が筆者にもたらす恩恵。それは「ライブ変換」と「トラックパッド対応」(石野純也)

12.9インチ版を試用しました

石野純也 (Junya Ishino)
石野純也 (Junya Ishino)
2020年03月24日, 午後 09:40 in IpadPro
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ipad pro 2020冒頭でいきなりネタばらしになってしまいますが、この原稿、新しいiPad Proの12.9インチ版で執筆しています。結論から申し上げると、新しいiPad ProとiPadOS 13.4の組み合わせはすこぶる快適。新モデルを買った人はもちろんですが、そうでない人も既存のiPadをアップデートすることで、その恩恵にあずかることができます。決め手と言えるのは、やはり「ライブ変換」と「トラックパッド対応」です。

まず、ライブ変換です。日本向けのローカル機能になるため、グローバル発表で大々的に取り上げられることはありませんでしたが、iPadOSは13.4から、ライブ変換機能に対応しています。Macユーザーにはおなじみかもしれませんが、これは読んで字のごとく、リアルタイムに打った文字を変換してくれる機能のこと。スペースキーでの変換を待たず、文字がどんどん漢字やカタカナに変わっていくため、キーボードで平仮名を打っていくだけで、ほぼ自動的に文章が完成するのが特徴です。

ipad pro 2020
▲ライブ変換に対応したことで、変換のためにわざわざスペースを何度も押す必要がなくなりました

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▲変換が正しくない場合は候補を出すこともできるものの、ほとんどその必要なく原稿が完成

変換精度が低いとそこまで効率は上がりませんが、iPadOS 13.4の辞書はこの点も大きく改善されているようです。結果として、変換のために何度もスペースキーや方向キーを叩く必要がなくなり、原稿を書くのがスピーディーになりました。正直、ここまで日本語変換がよくなるとは思っていなかったため、かなりのサプライズ。特に筆者は、iPadをメモ取りに使うことが多いため、ライブ変換の搭載はうれしい改善と言えます。

ipad pro 2020
▲ライブ変換はオフにもできますが、オンにしたまま利用することをお勧めします

とは言え、原稿の書き心地を左右するのは日本語入力システムだけではありません。打鍵感のある、打ちやすいキーボードまでそろって、初めて入力マシンとしての真価が発揮されます。その点で言うと、現時点のiPad Proはまだ中途半端な存在。本体と同時に発売されるのは、従来と同じSmart Keyboard Folioだけで、新しいiPad Proに合わせて開発されたシザー構造キー採用のMagic Keyboardは5月の発売を待たなければなりません。

Smart Keyboard Folioも「めちゃくちゃ打ちづらい」というわけではありませんが、キーストロークが浅いため、強くキーを打つとだんだんと指が痛くなってきます。そのため、原稿のような長文を打つのにあまり向いているとは言えません。そのぶん軽くて持ち運びやすいという特徴はありますが、長時間利用するのであればやはりもう少し強く押し込める方がベター。急いで入力すると、どうしてもミスタイプが増えてくるので、完璧を期さなければならない原稿のような文章を書くのは、躊躇してしまいます(と言いつつ、ちょいちょい誤字を載せてしまう点にはご容赦を......)。

ipad pro 2020
▲Smart Keyboar Folioのキーストロークの浅さは変わっていない。ただし、背面にはアップルロゴが加わっている

既報のとおり、Magic Keyboardは2018年モデルのiPad Proにも流用できます。キーボードは背面にピタリとくっつける形で装着しますが、新しいiPad Proは、デュアルカメラとLiDARを搭載した関係でこの部分の面積が広がっています。逆に言えば、新しいiPad Pro用に開発されたアクセサリーは、穴の部分が大きくなっています。大は小を兼ねるため、新しいiPad Pro用のキーボードは、2018年モデルで流用できるというわけです。

ただ、これはあくまで機能として使えるというだけの話。装着した時のデザインはカメラ周りに隙間ができてしまい、あまり美しくなさそうです。これを許容範囲とできるかどうかで判断は分かれそうですが、筆者としては、Magic Keyboardを使うのであれば、iPad Proも買い替えてしまいたいところです。

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▲新しいiPad Pro用のキーボードを2018年モデルに流用すると、カメラ周りに無駄なスペースができてしまうのが難点(写真は2018年モデルのiPad Pro 11インチ版で位置合わせしてみた様子)

Magic Keyboardが待ち遠しいもう1つの理由に、トラックパッド対応があります。iPadはタッチ操作が前提になっているのは言わずもがなですが、キーボードを装着して使う時は、必ずしも使い勝手がいいわけではありません。画面をスクロールさせるためだけに、わざわざキーから指を離し、腕を上げて画面をタッチしなければならないからです。タッチ操作は手持ちのデバイスに対しては非常に革新的で、それが故にここまでiPhoneやiPadは受け入れられてきたのだと思いますが、キーボードを打ちながらの場合、そのすぐそばにトラックパッドなりマウスなりがあった方が、操作はスムーズになります。

iPadOS 13.4ではこのトラックパッドにも対応します。同時にMagic Keyboardにも、キーの手前側にトラックパッドが搭載されています。それと完全に同じにはなりませんが、Smart Keyboard Folioの横に、Apple製のMagic Trackpad 2を置いて使ってみたところ、その操作感はPCさながら。いったん指を離さなければならないのは画面をタッチするときと同じですが、腕の高さを上げる必要がないため、操作が素早く、かつスムーズになりました。

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▲トラックパッドに正式対応しました

トラックパッドを使った操作の中でタッチ以上だと感じたのがコピペをする場合。原稿を書く際、前後の文章を入れ替えたりする場合によくコピペの機能を利用しますが、タッチだと範囲指定がうまくいかない場合があります。トラックパッドであれば、より制御を細かく行うことができるため、思い通りの場所を選択可能。コピペが捗ること、この上ない仕様と言えます。

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▲範囲指定がタッチ以上にしやすい

ただし、Magic Trackpad 2は便利な反面、iPad Pro本体やMagic Keyboard Folioとは独立しているため、持ち運ぶアイテムが増えてしまいます。やはりトラックパッドはキーボードと一体となっていた方がいい。先ほどMagic Keyboardの登場が待ち遠しいと述べましたが、トラックパッドが一体化されているのも、その理由の1つになります。

......と、ここまでの執筆に費やした時間はおおよそ30分強。今までのiPadだと、ここまで素早く文章を書いたり、編集したりすることはできませんでした。これだけでも、ライブ変換とトラックパッド対応がいかに筆者にとって、うれしいことかが伝わるはずです。先ほどから何度かiPad Pro本体という言葉が出てきましたが、その意味では、筆者にとっての本体はMagic Keyboardなのかもしれません。そのMagic Keyboardと最高に相性のいいiPadが、新しいiPad Proであると言えそうです。


 
 

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