ロータリーエンジン搭載「MX-30」マツダ100周年祝う動画に登場。記念リリース文も開発を明記

ガソリンを補給すれば充電しなくても走り続けられます

Hirokazu Kusakabe
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2020年04月9日, 午前 06:50 in ElectricVehicle
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Mazda MX-30マツダが2020年内に欧州で発売を予定している電気自動車「MX-30」。この同社初の量産EVに、小型ロータリー・エンジンを発電用として搭載したレンジエクステンダー仕様も登場することが、マツダの公式リリースの文中で確定的に述べられています

100周年記念リリースに明記

今年創立100周年を迎えたマツダは、同社の歴史を綴った欧州市場向けリリースで、ロータリー・エンジンについてひととおり語った後、次のように述べています。

「後にマツダは、小型シングルローター・エンジンをレンジエクステンダーとして使ったマツダ2 EVプロトタイプを開発しました。同様のシステムは、マツダ MX-30で見られるでしょう」

マツダがロータリー・エンジンを使ったレンジエクステンダーの開発を続けていることは、事あるごとに明らかにされており、MX-30の正式発表前にはロータリー・エンジンを搭載した開発車両も公開されていたことから、近々この技術を使ったレンジエクステンダーEVがマツダから発表になるだろうということは既に予想されていました。今回のリリースでは、このシステムを搭載するMX-30の開発が市販に向けて進んでいることをマツダが認めたと言って良さそうです。

Mazda MX-30

ロータリー・エンジンの長所を発揮

東京モーターショー2019で世界初公開されたMX-30は、前輪を駆動する1基の電気モーターと、床下に容量35.5kWhのリチウムイオン・バッテリーを搭載し、一度の充電で走行できる距離はWLTPによる都市部/高速道路複合モードで約200kmとされています。エアコンを使用する現実の路上では、これより短くなるでしょう。都市部向けのコンパクトEVならともかく、全長4395mm×全幅1795mm×全高1570mmというサイズの5人乗りSUVなら、充電ステーションの普及が少ない地域でも、安心してもっと長い距離を走れたらいいのにと誰もが思うはずです。

Mazda MX-30

しかし現状では、バッテリー容量を増やせば車両価格は高騰し、車両重量も俄然重くなります。マツダは平均的な日常の走行距離や、バッテリーの資源採掘から製造、廃棄までのプロセス全体におけるCO2排出量などを総合的に考え、35.5kWhというバッテリー容量に決定したと説明しています。その代わり、現状最良のカードとして用意しているのが、小型内燃エンジンを発電用として搭載するレンジエクステンダー(航続距離拡張装置)と呼ばれるシステムです。これならどこにでもあるガソリン・スタンドでガソリンを補給すれば、充電ステーションが見当たらない地域でも、いつまでも走り続けることが可能になります。

Mazda Rotary Engine

世界中の自動車メーカーでマツダのみが唯一、量産化に成功したロータリー・エンジンは、内部で往復運動するピストンを持たず、代わりに回転運動するおむすび型のローターを使って爆発⇒動力を得るという仕組みで、振動が少なく騒音も小さいという特長があります。また、一般的なレシプロ・エンジンに比べ、構造的に必要な部品点数が少ない、すなわち小型軽量という利点もあります。これはまさに、電気自動車のレンジエクステンダーとしてうってつけと言えます。逆に弱点としては、低回転域における力や燃費効率が低いという点が上げられますが、様々な速度域で車輪を駆動するのではなく、一定した回転で発電するために使うなら、これらの短所はそれほど目立ちません。

デミオEVに搭載されていたロータリー

駆動力を得るためのロータリー・エンジンを搭載するクルマは、2012年の「RX-8」を最後に市販されていませんが、マツダは同時期に、既にこの技術をレンジエクステンターとして応用した試作車を発表しています。それが公式リリースの文中に触れていた「マツダ2 EVプロトタイプ」です。

Mazda Demio EV

マツダは当時、海外では「マツダ2」という名前で販売されていた小型車「デミオ」をベースに、電気モーターと容量20kWhのリチウムイオン・バッテリーを搭載した「デミオEV」という電気自動車を、日本国内の地方自治体や企業向けにリース販売していました。これに小さなロータリー・エンジンを発電用として搭載した試作車を開発し、日本でも「人とくるまのテクノロジー展」などで公開したことがあります。

気になるのは航続距離よりも価格

マツダの市販スポーツカーに搭載されていたロータリー・エンジンは、排気量654ccのローターを2つまたは3つ組み合わせて出力を向上させたエンジンでしたが、この発電用エンジンは330ccのローターが1個だけ。最高出力22kWを発生して定格出力20kWのジェネレーターをベルトで駆動し、モーターを回すための電力を発電するという仕組みです。9リッターの燃料タンクにレギュラー・ガソリンを満タンにしておけば、デミオEVの航続距離は2倍の400kmになると発表されていました。

デミオより大きくて重いMX-30の航続距離を2倍に伸ばすためには、もう少し多量のガソリンが必要になると思われますが、それでも日本中の至るところでわりと簡単に見つかるガソリン・スタンドで、燃料を補給しながら走り続けることができるのは、まだ充電ステーションのインフラが十分に整っているとは言えない現在では大きな利便性をユーザーにもたらすでしょう。もちろん、排出ガスはゼロではなくなってしまいますが、それでも内燃エンジンのみを搭載する同等クラスのSUVに比べたら、大幅に減らすことができるはず。それより現時点で気になることは、欧州で3万3490ユーロ(約400万円)という価格が付けられている非レンジエクステンダーのMX-30より、どのくらい高くなるかということでしょうか。

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