ついに登場、EV用ポータブル充電器をBlinkが発表。市販製品としては世界初

路上でバッテリー切れになっても、これがあればもう安心

Hirokazu Kusakabe
Hirokazu Kusakabe
2020年04月9日, 午後 07:00 in electric vehicle
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Blink
EV充電サービスを提供する米国企業のBlinkが、ポータブルEVチャージャー(持ち運び可能な電気自動車用充電器)を発売すると発表しました。これでまた1つ、EVに乗り換える際の精神的ハードルが取り除かれるかもしれません。ガソリン自動車であれば、路上で万が一燃料切れを起こしても、携行缶から燃料を補給すれば再び走り始めることができます。しかし、EVでもしもバッテリー切れを起こしたらどうすればいいのか。そんなことが心配でEVに移行できないという人もいるでしょう。

でも、もう大丈夫。このBlinkが発表したポータブルEVチャージャーがあれば、自宅またはとりあえず最寄りの充電ステーションまで辿り着くことができそうです。この類の製品が市場で発売されるのは初めてとのことですが、EVの普及が急速に進みつつある今、待ち望まれていた製品の1つと言えるでしょう。


1分間の充電で最大1.6kmの距離を走行可能に

BlinkのポータブルEVチャージャーは、「テスラの全モデルを含むすべてのEVに対応」する240VのAC電圧で、定格出力9.6kWの充電が可能とのこと。これによって「1分間で最大1マイル(約1.61km)の距離を走行可能になる」と同社は主張していますが、よほど電費効率の優れたEVでないとこの"最大"の数字は難しいと思われます(例えば、日産リーフは62kWhのバッテリーを搭載し、WLTPモードによる航続距離は458km。ということは電費は約7.39km/kWh。9.6kWによる1分間の充電で走れる距離は1.18km程度という計算になります)。

仕様という面では、現在日本で普及している家庭用普通充電器(3kW〜6kW)より数倍強力。ですが、CHAdeMO規格のDC急速充電設備(50kW)に比べたら、数倍時間がかかるのは仕方ありません。

また、この充電器を作動させるためには、EVに乗り換えたことでもう無縁になったと思っていたガソリンを燃やさなくてはなりません。エコロジストであれば自らの不徳(または予想外にバッテリーの電力を消費した愛車)を呪いたくなることでしょう。

燃料タンクの容量は41.2リッター。これにガソリンを満タンにしておけば、50%の負荷で約9時間の稼働が可能とのことなので、まあしばらく路上で待つ覚悟があればそれなりの距離を走れるようになるはずです。


個人ユースよりロードサービス向け

とはいえ、いざという時には、こうしたアイテムがあるのとないのとでは大違い。概してクルマの燃料切れ(EVの場合は電池切れですが)というのは、「あとちょっと」という時に起こるものです。また、理論的にはこれをEVのトランクに積んでおけば、充電ステーションの普及が進んでいない地域でもガソリンスタンドさえ見つかるなら、安心して走り続けることが可能になります。

ただし、本体の重量は約160kgと、"ポータブル"と称しているとはいえ簡単に持ち運べるようなシロモノではありません。また、価格はまだメーカーから公式に発表されていませんが、米国の自動車メディア『Car and Driver』の報道によれば「約6500ドル(約71万円)から」と、けっして安くありません。

つまり、"携帯充電器"とはいえ、スマートフォン用のそれとは違い、個人がもしもの場合に備えて気軽に買ったり持ち運んだりするものではなさそうです。Blinkでは、JAFのようなロードアシスタント・サービスでの用途を想定しているようで、将来的には自動車修理業者や自動車販売店にとって、必須の機材になるかもしれません。

また、自動車会社や保険会社、クレジットカード会社が、自社の顧客サービスのために導入することも考えられます。今後はEVオーナーなら「もしものバッテリー切れにも対応」を謳う出張サービスの会員になっておくと、精神衛生に良さそうです。

 
 

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