鈴木爆発(2000)の女子がひたすら爆弾を解体するシュールさに魅かれる:うえけんの「今そのゲーム!?」Vol.1

解体、解体、ひたすら解体……

上野顕太郎
上野顕太郎, @ueken18
2020年04月11日, 午前 10:00 in game
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──うえけんWiki──
上野 顕太郎(うえの けんたろう、1963年4月18日 - )は、かなりアナログな漫画家である。デジタルなEngadgetとの接点は編集長が20年前、ゲーム誌編集者であったとき連載を担当したからと言われる。よく使うフレーズは「暇だからな!」......というわけで、かつてプレイした方もいるだろうマニアックなゲームを掘り起こし、あの当時を偲んでいただきます。

プレイステーションはライセンシーの取得や、開発の規模や容量も含めて、比較的ゲーム開発が楽だったという話を聞いたことがある。それゆえに当時爆発的なゲームブームに乗っかって、今までゲームを作った事が無いような会社から「ゲームって儲かるらしいね、よし! 我が社でも作ってみよう。」的なノリで無茶なソフトが山のように発表されたのだ。発表当時、私はゲームショーで本作を知ったのだが、「ごく普通の女性、鈴木さんが、身の回りに現われる爆発物を次々に解体してゆく」という概要を聞いた時に「また変なゲームが出てきたな!」と思ったものだが、発売はなんと「ドラゴンクエスト」等でお馴染みの「エニックス(現、スクウェア・エニックス)」ではないか。これは興味を惹かれる、魅かれざるを得ない。一体どんなものだろうとプレイをしてみる。

暇だからな!

物語は静止画の実写で進行してゆき、爆弾の解体はポリゴンで表現されているのだが、先に書いた通り主人公である鈴木さんは、ごく普通の女性であり、秘密結社の一員でもなければ、爆弾処理の専門家でもない。そんな彼女の前にまず現われる爆弾は、「みかん」なのだ。まあ良く考えれば、秘密結社や爆弾処理の専門家の前にも「みかん」が爆弾になった物は現われやしないだろうが。さて、そのポリゴンで表現された「みかん」を回転させ、あらゆる角度からじっくり観察し、構造を理解する。時にはヒントが隠されている場合もあるだろう。そして、ドライバーやスパナ等の工具を使用し、時間内に解体してゆくのだが、その後に登場する爆弾も「携帯電話」「ジュークボックス」......と、この辺りはまだ分かるが、しまいには「踏切」や「影」を解体するハメに......。爆弾犯は一体どうやって「影」に爆弾を仕掛けたのだろう?

というわけで、設定を聞いただけでは単に変なゲームだと思われてしまいそうだがさにあらず、実写パートは静止画の連続がいい感じの雰囲気だし、解体パートは物語が進むにつれ徐々に難度が上がってゆく。爆弾の構造はより複雑に、かつシュールになり、トラップなども仕掛けられ、ひと筋縄ではいかず、やり応え十分。何度も失敗し、爆発シーンを見るハメになるだろう。だが、一度や二度の失敗にめげる鈴木さんではない。解体中には鈴木さんのつぶやきが聞こえるのだが、本人はなんだかいたって呑気だ。時には鼻歌混じりだったりもする。タイムリミットは刻々と迫り来るが、そんな鈴木さんの有り様が救いになっている。とにかく解体しよう、そして物語を進めよう。そして解体、解体、また解体、ひたすら解体......。

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どうだろうか、これだけ何度も解体、解体と言っていると「買いたい」という気持ちになって来はしないだろうか? ちょっと前のゲームなので、現在ゲームショップで購入できるのかは不明だが、ネットオークションでは2000円代後半からの出品が多く、多少プレミアがついているようだ。プレイステーション本体もいまや「5」が出ようという時代ではあるが、故きを温ねて新しきを知る、という言葉もある。プレイできる環境に恵まれている読者諸君は是非プレイしてみてほしい。そして来るべき続編「吉田爆発」に備えてほしい。

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