1990年代のデファクトスタンダードだった3.5インチ「MO」 (128MB):スイートメモリーズ File009

CD-Rが普及するまでは圧倒的な強さでした

宮里圭介(Keisuke Miyasato)
宮里圭介(Keisuke Miyasato), @miyasa
2020年04月13日, 午前 07:00 in storage
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[名称] Magneto-Optical Disk(MO Disk)
[種類] 光磁気ディスク
[記録方法] 光強度変調方式
[サイズ] 約86mm
[容量] 128MB
[登場年] 1991年頃~

今や淘汰された懐かしの記録メディアたちに光を当てるこの連載企画では、ゆるっと集めているリムーバブルメディア・ドライブをふわっとご紹介していきます。

「MO」(Magnate-Optical Disk)は、データ記録にレーザー光と磁界、読み出しにレーザー光を用いる光磁気ディスク。一般的にMOと呼ばれているのはISOで標準化された規格の製品で、5.25インチと3.5インチの2つのサイズがありました。今回取り上げるのは、3.5インチの最初の製品となる128MBのものです。

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磁気でデータを記録するという点ではHDDと同じですが、データの記録方法と読み出し方法は全く違います。MOの記録層には、常温では磁化されにくく、高温で磁化されやすいという特殊な素材が使われていました。

どうやって記録しているかといえば、まずは磁界をかけながらレーザー光で加熱し、磁気を一方向へと揃えることでデータを消去。続いて磁界を反転させ、記録したい部分にだけレーザー光を当てて加熱することで、必要な部分だけ磁気を反転させるわけです。これで、磁気の向きによってデータが記録されることになります。

読み出しには、出力の弱い直線偏光のレーザー光を照射。磁気の向きによって反射光の回転角が変わるため(カー効果)、この回転角の違いでデータが読み出せました。

初期のMOでは記録時に、消去、磁化(記録)、ベリファイ(読み出し)という手順を踏んでいたため遅かったのですが、後の230MB以上の容量モデルでは消去と磁化を同時に行えうオーバーライト(ダイレクトオーバーライト)に対応することで、高速化されました。

MOはその特性から常温で外部の磁気に強く、また、シャッター付きのカートリッジとなっているためホコリにも強いことから、信頼性の高いメディアとして重宝されました。ちなみに写真のメディアは割と後期の製品で、オシャレなクリアカラーのもの。初期は不透明なベージュのカートリッジというのが一般的でした。

シャッターを開けてディスク面を見てみると、128MBのMOは角速度が一定のCAVとなるため、トラックを中央から放射状に分割するようにセクタが形成されているのがわかります。

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パソコンを使う授業がある場合、学校で個人データ保存用としてMOを使っていた、という人も多かったのではないでしょうか。使っていたのがFDなのかMOなのかで争うと、年齢がある程度バレてしまうので気を付けたいところです。そんなときはグッとこらえて、USBメモリーだったと言い張りましょう。

なお、3.5インチのMOは日本でこそ広く普及していましたが、世界で見るとより低価格なZIPの方が強く、ある種特殊な市場となっていました。日本で普及した理由としてよく挙げられるのが、役所や印刷・DTP・出版業界での標準メディアとなっていたこと。データの受け渡しには大容量メディアが必要ですが、大容量で信頼性の高いMOは、こういった分野にピッタリでした。

CD-Rが登場すると、コンシューマーではメディア単価とドライブの安さに押されてしまい、徐々にMOは衰退していきました。とはいえ、メディアの書き換え回数が1000万回、データ保持寿命は50年以上と長いこともあって、ドライブが壊れない限りは普通に使えますので、今でも社内で現役だ......という場合もありそうですね。

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