NASCARのeSportsレース中に人種差別用語使ったプロレーサー、一夜でスポンサー失いチームからも解雇

”Nワード”は許されません

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年04月15日, 午前 07:50 in Transportation
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Kyle Larson

米国の人気モータースポーツNASCARに参戦していた日系アメリカ人ドライバー、カイル・ラーソンが、新型コロナウイルスの影響で中止になったレースの代わりに行われていたeSportsレースの最中に人種差別発言をしたことで、長年在籍したチームから解雇処分を受けました。このレースの模様はゲームストリーミングプラットフォームのTwithでライブ配信されており、非常に多くの視聴者がその発言を聞いていました。PC用のレースシミュレーターソフト『iRacing』を使って開催された日曜夜のバーチャルレースで、ラーソンはレース前の準備の際にドライバーをサポートするスポッターと呼ばれる役割の人と音声通信のチェックをしていました。そしてその際、スポッターに対して「聞こえない?」とたずね、直後に黒人を差別する"Nワード"を口走ってしまいました。他のドライバーがラーソンに対し「みんなに聞こえているよ」と注意を促したものの、すでに配信に音声は乗ってしまっていました。

明けて月曜日、ラーソンが所属するチップ・ガナッシ・レーシングチームは問題の発言をうけてラーソンに謹慎処分を命じ、さらにバーチャルレースに関してギャラの支払いを行わないことを発表。NASCAR運営も(レースが行われない状況ではあるものの)無期限のレース出場停止処分を下しました。

一方ラーソンはTwitterに謝罪動画を投稿、「決して使ってはならない言葉」を使ってしまったことを「家族、友人、パートナー、NASCARコミュニティ、特にアフリカ系アメリカ人コミュニティに、ただただ謝罪します」と述べ、全面的に過ちを認めました。
しかしそれでも事態は収拾せず、マクドナルドをはじめとする数年来のスポンサーが一夜にして支援の取りやめを発表。火曜日には、ラーソンが乗るマシンを製造するシボレーも「私たちはカイル・ラーソンによって示される不適切発言を容認しません」とコメントを出し、関係を直ちに終了することをあきらかにしました。

スポンサーだけでなくマシン供給元にもそっぽを向かれてしまってはレースも何もあったものではありません。結果、チップ・ガナッシ・レーシングは謹慎処分をさらに踏み込んで、ラーソン選手を解雇することになりました。

eSportsとして開催されるレースに本職のレーシングドライバーが参戦するイベントは、欧米で新型コロナウイルスの感染が拡大した3~4月にかけていくつも行われるようになりました。しかしやはり現実のレースと違ってバーチャルな世界で行われるeSportsにドライバーの気分も緩みがちなのか、4月5日に行われたやはりNASCARのeSportsイベントでは、台無しになってしまったレースから無断で退出してしまったドライバーがやはりスポンサーにクビを宣告される一幕がありました。

ただしこのときはスポンサーがドライバーにクビを宣告したものの、実際にはスポンサーがチームを離れ、ドライバーはチームとの契約まで失うことはありませんでした。今回のラーソン選手のケースは、米国における人種差別発言がどれほど大きな問題になるかをわれわれに認識させる出来事と言えるかもしれません。

ちなみに、ラーソン選手は今後NASCARに復帰しようとする場合、その前に必ず感受性訓練 (Sensitivity training)を修了するよう求められています。感受性訓練は、自己および他者に対してより理解ある人間になり、人間関係への洞察力を深めるためのプログラムです。

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