A12Z
今年3月に発売されたiPad Pro(2020)搭載のA12Zプロセッサが、物理的にはiPad Pro(2018)のA12Xと同じであり、A12Xでは無効化されたGPUコア1つが有効になっていることが確認されたと報じられています。A12XとA12Zが物理的には同じプロセッサであるとの憶測は、新iPad Pro(2020)が発売されてから間もなく囁かれ始めていました。1つには、アップル公式にてCPUパフォーマンスの向上には言及されていなかったこと。もう1つの理由は、両者のベンチマークスコアがほぼ同じという結果が出ていたからです。

そこでノートPCレビューサイトNotebookcheckが技術系企業TechInsightsに調査を依頼したところ、3月末にはA12XとA12Zは物理的には同じチップであり、CPUとGPUコアの物理数も同じとの分析が報告されていました

その後、TechInsightがダイ写真を撮影したところ、目に見える形でA12XとA12Zが同じチップであると確認されたかっこうです。すなわち、どちらも同じ7nmプロセスで製造され、同一のCPUおよびメモリ構成だと判明したわけです。
米MacRumorsいわく、プロセッサが一定の歩留まりレベルに達していない場合は、チップメーカーが1つのコアを無効にするのは珍しい事態ではないとのこと。そしてA12Xから2年が経過し、チップの製造工程が十分に改善されて歩留まりも向上したため、8つのGPUコア全てが有効とされて「A12Z」と改名されたと推測しています。

また上述のNotebookcheckは、アップルがiPad Pro(2020)のプロッサをA12Zのような暫定的な更新にした意図を、A12Xの後継となるA13X(仮)を開発する必要がなくなり、代わりに今年後半に登場が噂される5G対応iPad Pro向けA14X(仮)の開発に注力するためだと分析していました。

そういえばアップル公式のフレーズが「市場の92%のノートPCよりも速い」から「ほとんどのノートパソコンより高速」と少し控えめになり、前モデルよりも少しお安くなっているなど、数々の思い当たるフシはありました。そこは肩透かしというよりも、むしろ基本的には2年前の製品ながらGPUコアを1つ有効にしただけで今なお十分な処理能力を誇るアップル開発プロセッサの先進性に目を見張るべきかもしれません。