VLA
インターネットにつながるPCの空きリソースを利用して地球外知的生命を探すプロジェクトSETI@homeは、2020年3月31日をもって"ボランティア・コンピューティング"方式のデータ分析プロセスを終了しました。しかし、プロジェクトは全世界のボランティアのPCから寄せられた数十億件にのぼる地球外知的生命体からの信号候補をひとつひとつ篩にかける作業を続けます。カリフォルニア大学バークレー校SETIリサーチセンターでSETI@homeディレクターを務めてきた天文学者Eric Korpela氏は、膨大な地球外知的生命体からの信号候補について「彼らはわれわれのすぐ近くに住んでいるわけではないけれど、もしかしたら1000光年ぐらいのところにはいるかもしれない」と述べています。

そしてこれから始まるプロジェクトの"次の段階"では、世界のPCから集められた約15TBのデータに含まれる信号が地球由来のものかそうでないかを振り分ける作業を行います。指標となるのは、検出された信号が数か月の時間をおいた後でも、まだそこから発せられているかどうか。たとえばレーダーシステムが発する信号は、空のいろいろな場所から観測されますが、継続的なものではありません。したがってある程度時間をおいてから、その信号が同じ場所で観測できれば、ある程度は地球外知的生命の可能性が高くなると考えられます。

SETI@homeが次の段階に入る一方、SETI Institute(SETI@homeとは無関係)は、アメリカ国立電波天文台と協力してニューメキシコ州にある巨大なパラボラアンテナ27基からなるVery Large Array(VLA)天文台を用いた地球外知的生命探索を計画中。そのアンテナアレイからの生のデータを収集するインターフェースCommensal Open-Source Multimode Interferometer Cluster、略してCOSMICを開発中だとこの2月に発表しています。これは、VLAに接続される初めてのSETI専用の装置になるのだそう。

COSMICを使えば、アンテナが別の観測用途に使われているときも、ときに300GB/sにのぼるその生データを横から取得して、リアルタイムに地球外知的生命からの信号を探すことが可能になります。このCOSMICのシステム用に開発されたソフトウェアはすべてオープンソース化されているとのことなので、他の天文学者や研究者はSETI用途、SETI以外の用途にこれを活用できるとのこと。COSMICは現在、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で計画に遅れが生じてはいるものの、年内にはこれをVLAに配備したいと述べています。