Twitterが削除対象となり得る有害なコンテンツとして、5G通信と新型コロナウイルスを巡るデマを追加しました。
モバイル通信に用いられる規格の5Gと、生物に感染するコロナウイルスを結びつける珍説は、それこそいわゆる「電波」な陰謀論の一種ですが、実際に新型肺炎が流行する社会不安のなかSNSでは無視できない規模で広がっており、欧州ではアンテナ塔の立った携帯基地局の焼き討ちや作業員への危害といった事件が多発しています。
We have broadened our guidance on unverified claims that incite people to engage in harmful activity, could lead to the destruction or damage of critical 5G infrastructure, or could lead to widespread panic, social unrest, or large-scale disorder.
— Twitter Safety (@TwitterSafety) April 22, 2020
Twitterは元来、自由な議論と対話を促進するプラットフォームを名乗る立場上、言論の自由を重んじコンテンツの検閲には消極的でしたが、ここ数年はハラスメントやヘイトスピーチ、なかでも直接の暴力を扇動する内容については積極的に削除する姿勢に変わっていました。
今回の新型コロナウイルスの流行に際しては、多くの人に情報を提供するプラットフォームとして、公衆衛生関係者の認証を進めたり、関連検索時には保健衛生当局の信頼できる情報へのリンクを表示したり、直接的には有害でなくても感染防止や対策に害のある情報を有害なコンテンツに含めたり(例:お湯を飲むとウイルスが死ぬ、お香や食品で治療できる etc)、パニックを煽る無根拠なデマを削除対象とするなどの対策を続けています(例:都市封鎖で今後二か月は物流が止まると関係者から聞いた、今すぐ食料品店で買えるだけ備蓄しよう云々)。
ツイッターが公表した最新のアップデートは、この削除対象となる有害なコンテンツに、5Gとコロナウイルスに関する根拠のない主張を含める内容です。
「5G導入は新型コロナウイルスを拡散させ人を殺すための陰謀」「5G電波が免疫を弱めて新型コロナウイルスを蔓延させている」といった陰謀論に基づくツイートのうち、特に直接の破壊行為を扇動したり、パニックを煽るものを対象として、投稿者に削除を求めます。
5Gでコロナウイルスはいかにも荒唐無稽ですが、削除対象となるのはこの陰謀論に基づき、通信インフラの破壊や関係者への危害などもっと直接的な害を及ぼすデマが対象です。一般的な意味で電磁波が人体に与える影響についての議論などまでが自動的に削除されるわけではありません。
Coronavirus: Staying safe and informed on Twitter (TwitterのCOVID-19パンデミック情報・対応策ページ)