ミシガン大学、プラズマで素早く病室を除染する「魔法の杖」開発。ただし実用化は1年後

エクスペクト…なんだっけ

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年04月24日, 午後 07:30 in Medicine
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Joseph Xu, University of Michigan Engineering

通常、病原菌などで汚染された室内や物体を除染するにはアルコールや漂白剤といった洗浄液で洗浄します。しかしこのような湿式の方法では、布地などを除染したのち、完全に乾燥するまで待たなければなりません。ミシガン大学工学部は、コールドプラズマを発する"魔法の杖"のようなデバイスを開発し、乾燥した状態で除染する方法を開発しました。コールドプラズマは、空気などの気体を非常に高い電界に晒すことで生成され、晒された物体の原子から電子を引き剥がし、分子構造を破壊する作用があります。ミシガン大学の研究では、この反応でできあがった"原子と電子のスープ"を細い管の先端から放出、発生する酸素ベースのイオンで細菌やウイルスの細胞壁またはタンパク質の殻から炭素を引き抜き、それらを破壊できると説明されます。

このプラズマは細菌やウイルスを滅するには十分なものの威力は小さく、たとえば人の手が触れても、手指の細胞を破壊するまでには数十秒ほどの時間がかかるため安全です。またプラズマを発するガスに特定のウイルスなどに効果の高い化学物質を添加すれば、除染対象となる細菌やウイルスにより効果的に対処できるとされます。


研究者らは、これは携帯型プラズマ除染器にすることを考えており、すでにアメリカ国立科学財団(NSF)から助成金を得て、プロトタイプの開発をすすめています。そしてまずは血しょう中で反応しやすい分子フラグメントを調べ、それが病原体に対して効果があるかを調べます。プラズマを調整してさまざまな種類の病原体を殺すことが可能だとわかれば、そのコンセプトを用いた製品の認可を目指すとのことです。

とはいえ、この技術がある程度使えるようになるにはまだ1年以上の期間が必要になりそうです。目標とされるのは、新型コロナウイルスの蔓延が収まり始める頃の実用化ですが、それに間に合わなければ次の何らかの感染症の拡大に備えるための技術になるかもしれません。場合によっては冒頭に記したような、病院や航空機、バス、電車など密になる空間を手早く除染する機器として実用化される可能性もあります。


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