新型iPhone SEショートレビュー。「格安iPhone」に求めるものはほぼ全部入り

「もっと小さいiPhone作れるよね?」と思わなくはない

石井徹(TORU ISHII)
石井徹(TORU ISHII), @ishiit_aroka
2020年04月27日, 午後 05:00 in iPhone
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iPhone SE 2020
長いこと噂されていたiPhone SEがついに発売されました。Engadgetではすでに多くのレビューや考察が掲載していますが、筆者もEngadget 陣の末席に名を連ねるものとして、実機を眺めながらレポートしてみます。

なお、新iPhone SEはApple Storeとビックカメラ、ヨドバシカメラでは4月24日に発売されていますが、大手キャリアからの発売は昨今の感染症流行により、5月11日へと延期されています。

■新iPhone SEの価値は「コスパ」

2020年版モデルはiPhone SEとしては2世代目に当たる。前作のiPhone SE(2016)とは外観が全く異なります。

それもそのはず、iPhone SEと名のついたモデル2機種の共通点は、「ボディの使い回し」という点だからです。どちらも2年半前の発売されたiPhoneの筐体をベースにして、中身を最新スペックに置き換えるという手法で、"低価格版iPhone"を実現しています。

iPhone SE 2020

アップル直販のSIMロックフリー版の価格は64GBモデルで4万4800円(税抜、以下同)、売れ筋の128GBモデルで4万9800円、256GBモデルは6万800円。昨今のiPhoneが特に上位モデルではほぼ20万円に達する高価格化を続けてきた中で、目を引く安さと言えます。

付け加えると、有償サポートのApple Care+の加入料もこのモデルでは8800円。盗難・紛失対応オプション付きでも1万800円とお得な設定になっています。

iPhone SEの一番の魅力は、間違いなく「コスパの良さ」と言えるでしょう。iPhone 8から買い替えようとしていたけれど、iPhone 11シリーズまでは不要という人にとっては、iPhone SEは良い選択肢になるはずです。

■古く見えても中身は最新

iPhone 11 Proを使っていて、最近では他のAndroidスマホも狭額縁なものしか触っていない筆者にとって、iPhone SEの太い枠で囲われた画面は、どこか懐かしく、かえって新鮮なものさえ見えます。その一方で、最新チップセットによる動作はサクサクで、iPhone 11 Proと比べても劣っているとは感じません。

iPhone SE 2020▲懐かしいと言えばこの壁紙。iPhone 3G時代(iPhone OS 3)にプリセットされ、一時期削除されていましたがiOS 11で復活しています
iPhone SE 2020

価格が安くてもコアな性能はフラッグシップ同等の内容を詰め込んできたところがiPhone SEの妙味。CPUは昨秋発売のiPhone 11 Proとも共通のA13 Bionicを搭載。通信性能も最新iPhone 準拠でアップグレードされ、Wi-Fi 6もサポートします。さらには防水やSuicaも使えるApple Payも対応していますし、iPhone XS以降で搭載されているeSIMも当然のように使えます。見た目はまんまiPhone 8ですが、れっきとした「最新のiPhone」の一員です。

ロゴ配置はiPhone 11シリーズにあわせて背面の中央寄りに降りてきています。カラーはブラック、ホワイトというオーソドックスなものに加えて、売上の一部がエイズ・感染症対策基金に寄付される限定カラー「(PRODUCT)RED」をラインナップしています。iPhone 8の(PRODUCT)REDと比べると朱色に近い落ち着いた仕上げとなっています。

iPhone SE 2020

カメラはホワイトバランスのブレも少なく、ボカシも自然です。iPhone 11 Proと比較すると、細部の描写は上位モデルに引けを取るように見受けられますが、単体で見る分には問題の無い画質です。写真の細かな描写を比較すると、デジタルズームについても数年前のスマホと比べると性能が大幅に向上しており、実用的に使える域に達しています。

Gallery: iPhone SE (2020)作例 | of 8 Photos

  • iPhone SE 2020 作例
    iPhone SE 2020 作例
    Image Credit: TORU ISHII
  • iPhone SE 2020 作例
    iPhone SE 2020 作例
    Image Credit: TORU ISHII
  • iPhone SE 2020 作例
    iPhone SE 2020 作例
    Image Credit: TORU ISHII
  • iPhone SE 2020 作例
    iPhone SE 2020 作例
    Image Credit: TORU ISHII
  • iPhone SE 2020 作例
    iPhone SE 2020 作例
    Image Credit: TORU ISHII
  • iPhone SE 2020 作例
    iPhone SE 2020 作例
    Image Credit: TORU ISHII
  • iPhone SE 2020 作例
    iPhone SE 2020 作例
    Image Credit: TORU ISHII
  • iPhone SE 2020 作例
    iPhone SE 2020 作例
    Image Credit: TORU ISHII



筆者は超広角の楽しさを知ってしまっているので、それが無いiPhone SEのカメラは物足りなくも感じます。そこさえ気にしなければ、スマホのカメラに求められる性能として十分でしょう。

iPhone SE 2020

iPhone SE 2020 作例▲上の作例はiPhone SEで撮影したもの。画角を切り替える機能はありません
iPhone 11 Proで撮影
▲この写真はiPhone 11 Proで撮ったもの。精細感はiPhone SEの単眼を上回っている印象ですiPhone 11 Proで撮影
▲iPhone 11 Proで撮影。iPhoneでは上位モデルのみ搭載の超広角カメラ。写真撮影の楽しみを広げる要素です

※掲載の都合上、作例には縮小処理を施しています

また、iOSのサポート期間についても付言しておくべきでしょう。アップルはiPhoneの各モデルに対して、発売からおよそ4〜5回のiOSのメジャーバージョンアップを提供しています。発売時から低価格な初代iPhone SEでもその点は共通で、iOS 13まで適用できるようになっています。

この方針が今後も変わらないのであれば、iPhone 8は残りおよそ2〜3回分のバージョンアップとなるのに対して、iPhone SEは2020年から4〜5回はiOSのバージョンアップを受けられることになります。今からiPhone 8を買うよりも、数年長く使える、というわけです。

■「小型スマホの完全版」ではないと思う

編集長のレビューに反論するようですが、筆者としてはiPhone SE(2020)が「4.7インチスマホの完全版」とは考えていません。「小型iPhone」として付加価値を付けたいなら、上下のベゼルを削るなど、できることはもっと存在したはずです。

一方でスマホの用途が文章中心のWebサイトの閲覧から、動画視聴や画像が多いSNSの閲覧、さらにはコンテンツや書類の作成へと幅を広げてきた中で、大画面化がトレンドとなりつつあります。その中で「小型のスマホ」はニッチな用途に特化した機種がでてきています。

iPhone SE 2020

iPhone SEは結果として小型のディスプレイを搭載していますが、それはあくまで結果論に過ぎません。筆者としてはFace IDとジェスチャー操作に対応するもっと小型のiPhoneを見たかったところですが、それはアップルがわざわざ狙うほどの需要はないのかもしれません。

「最新の尖ったiPhoneがほしい」という人はiPhone SEは魅力的には映らないかもしれません。一方で、「スマホにそこまで性能は求めないけれど、ゲームやアプリを存分に楽しみたい」という人や、「メインは最新Androidだけど、サブでiPhoneも触っていたい」というガジェット好きにも必要な機能はおおよそ詰め込まれています。

「とりあえずビール」の感覚でiPhone SEを選ぶ人にも良い選択肢ですが、どのような価値が得られるのか理解して製品を選ぶ"賢い消費者"にこそ、一考に値するモデルだと言えます。

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