AP Photo / Paul Sakuma

米Appleが、2014年にiOS 6を搭載するiPhone 4 /4SユーザーのFaceTime機能を意図的に使えなくし、iOS 7
に強制的に移行させたと主張するカリフォルニア州での集団訴訟に対し、1800万ドル(約19億円)の和解金を支払うことで合意したと報じられました。iOS 6当時のFaceTimeはP2P方式とAkamaiのサーバーを経由する2種類の通信方式でサービスを提供していました。ところがP2P方式のほうは、VirnetXなる情報セキュリティ企業から特許侵害訴訟が起こされ、アップルは賠償金の支払いとともに特許に抵触しているP2P技術の使用を禁じられました。結果すべてのFaceTime通信が集中したAkamaiサーバーの使用量が膨れ上がり、アップルはiOS 7でFaceTimeに新たなP2Pプロトコルの開発を行いました。ただ、それまでiOS 6で使えていたFaceTimeをiOS 7のリリースに伴って使えなくしたことが、iOS 7への移行を強制したとして今回の訴訟の火種となりました。

米Appleは2017年の訴訟当時、FaceTimeは無料で提供しているサービスであり、ユーザーに損失は発生していないとして訴訟を退けようとしたものの、その試みは判事によって却下されていました。訴訟に用いられたAppleの技術者の通信記録では、「Akamaiが中継する帯域の多くを占めていたiOS 6版のFaceTimeを使えなくした。FaceTimeを再び機能させる唯一の方法は、iOS 7にアップグレードすることだ」とのメッセージが残されており、このことがどうやら原告の主張が認められる決め手になった模様です。

1800万ドルという高額な和解金から、原告団の代表者2名はそれぞれ最大7500ドルを受け取ると伝えられています。また集団訴訟の代理人は、和解金が振り込まれる共通基金から30%、およそ540万ドルの弁護士費用と110万ドルの諸費用を受け取る資格があります。原告側の弁護士は、費用を839万8910ドルと見積もっているとのこと。ただ、集団訴訟の原告(カリフォルニア州の全iPhone 4 /4Sユーザー)ひとりひとりが受け取れる金額は微々たるものになる見込みで、端末1台あたり3ドルと伝えられています。