iPhone SEは買い? 携帯3社の5Gは期待はずれ「Engadget Live」で最新スマホ事情を語り合う

容量無制限目当てで5G端末を買うのもあり

山本竜也(Tatsuya Yamamoto)
山本竜也(Tatsuya Yamamoto)
2020年04月30日, 午後 05:15 in event
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Engadget Event
4月16日に発表された、第2世代のiPhone SE。果たして買いなのか、5G対応iPhoneまで待つべきなのか、悩んでいる人も多いのではないかと思います。

そこでEngadgetでは、「新iPhone SEは買いなのか 2020春のスマホ事情」と題したイベントを4月27日に開催しました。時節柄、集まってのリアルイベントは開催できないため、3月に続きオンラインでのライブイベントとなりました。ライブイベントは下記から視聴可能です。ライブでご覧いただけなかった方も、本記事と合わせてご視聴いただけると幸いです。



本イベントでは、Engadget日本版でもお馴染みの石川温さんと中山悟さんに、5Gの動向を踏まえながら、iPhone SE(第2世代)の詳細を確認しつつ最新スマホの考察を解説頂きました。

iPhone SEか それとも iPhone 5Gか

まずは、ITジャーナリスト 石川さんによるiPhone SEの考察から。iPhone SEを今買うべきなのか、それとも秋に出ると言われる5G対応のiPhoneを待つべきなのかを検討します。

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いきなり厳しめのコメントから始まります。iPhone SEの最大の欠点は、なんといっても5Gではないこと。とはいえ、64GBモデルで5万円を切る価格設定は魅力です。

また、5Gではないとはいえ、iPhone SEは4Gを象徴するモデルだとも。人気のあった4.7インチディスプレイ筐体に、RAMに差があるとはいえ、中身はハイエンドなiPhone 11 Pro相当。満足度は高く、購入しても後悔はしないだろうとのこと。

一方で、5G対応のiPhoneを待ちたい気持ちもありますが、そもそも5G対応のiPhoneは、本当に秋に出るかという疑問もあります。

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これについては、発売はいつものように発表の2週間後ではないかもしれないが、発表自体は9月に行うのではと予想されていました。

5GのiPhoneは、9月には間に合わないとの噂もありましたが、Qualcommとの和解により、9月発表の可能性が高くなったと指摘します。高額な特許料などを巡り両社は起訴合戦を繰り広げていましたが、2019年4月に和解を発表。和解の内容にはAppleからQualcommへの特許ロイヤリティの支払いが含まれており、ある意味Appleが折れた形とも言えます。


Qualcommも、イベントなどで2022年までに1.4億台の5Gスマホを出荷すると公言しており、この台数を実現するにはiPhone抜きでは難しいのではとの話もありました。

ところで、日本国内では3月末から5Gサービスが各社スタートしていますが、3社ともキャリアショップなどピンポイントでしか5Gを使えず、期待外れだと指摘します。

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キャリアのやる気が感じられないとも言える状況ですが、なぜこんなことになっているのか。5Gの電波の扱いづらさが原因にあるようだと石川さんは言います。


5Gが利用する周波数帯域だと、電波の直進性が強く、障害物に弱くなるのでどうしてもスポット的なエリアにならざるを得ないとのこと。また、3.7GHz帯の電波は衛星からの電波の干渉を受けやすく、屋内はともかくとして、野外での展開が難しいとも。

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では5Gのエリア拡大は無理なのかというと、もちろんそんなことはなく、今年後半に利用可能になりそうな、DSSという技術の導入で一気に拡大する可能性があるようです。

DSS(Dynamic Spectrum Sharing)は、簡単に言ってしまうと、4G LTEの使う電波の中に、5G NRの電波を混ぜて送信してしまおうというもの。


できるならさっさと始めればという気もしますが、技術的には可能でも、法整備の問題があり足踏みしている状況です。しかし、その法整備が今年後半に完了する可能性もあり、そうなれば5Gエリアが一気に拡大するかもしれないとのこと。

そして、5Gを推し進める原動力になりそうなのが、5G対応のiPhoneです。4G LTEが展開する際にも、日本でiPhoneが登場し、各キャリアが同一端末を扱うことで、エリア競争やサービス競争が起こりました。それと同じことが5GのiPhoneでも期待できるのではという予想です。

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最後に、新キャリアの楽天モバイルがiPhoneを扱う可能性についても触れられました。公にはなっていないものの、iPhoneを扱うにはApple製品の世界観を壊さないよう、キャリアとしてのネットワーク品質やサポート体制など、一定の水準をクリアする必要があるとのこと。このため、石川さんがキャリア関係者から話を聞く限りでは、現状では「難しいのではないか」とのことです。

ただ、楽天モバイルのことなので、ふたを開けてみればいきなりiPhoneを販売するといった可能性もなくはありません。果たしてどうなるか、iPhone 5Gが発表されるのかも含めて、今秋に注目したいとのことでした。

なぜAppleはiPhone SEを激安で販売するのか?

続いては、旅人ITライター中山さんによるセッション。64GBモデルなら税込みでも5万円を切る、iPhone SEの価格設定についての考察です。

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まず、iPhone SEは誰に向けての端末なのかという話から。iPhone SE(第2世代)が発表された際、SNS上では、第1世代の4インチから大型化した、またイヤホンジャックがなく、デザインもiPhone 8のままだということで、がっかりしたという意見が多く投稿されていました。

中山さんによれば、Appleはそんな意見は百も承知。そもそもiPhone SE(第2世代)は、iPhone SE(第1世代)ユーザーや、小型端末好きに向けた製品ではないと指摘します。

では誰に向けた製品なのかというと、初めてスマートフォンを使う人に向けたものだとのこと。


iPhone SE(第2世代)以外のiPhone最安値はiPhone XRですが、64GBモデルでも7万1280円。iPhoneが高級化したことで、買い替えのスパンも長くなり、「新しいのを買ったから古いiPhoneは子供に」ということをしにくくなったとのこと。
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MMD研究所の調査によると、iPhone購入者は、次の買い替え時にもiPhoneを選択する人が多いとのこと。ただし数%のユーザーはAndroidへと離脱します。このため、高くても毎年iPhoneを購入し続けてくれる愛好者だけを相手にしていても、シェアが先細りするというわけです。

また、同じくMMD研究所の調査では、スマートフォン本体に支払える金額は5万円までという人が多く、その意味でもiPhone SEは絶妙な価格設定だといいます。

実は、この価格を抑えて新規ユーザーを獲得するというのは、Appleでは定番の戦略です。一時期落ち目だったMacですが、そのユーザーが急激に増えたのは使いやすいインターフェースや洗練されたOS、クールなデザインなどが理由ではなく、安かったから。確かにトランスルーセントのiMacやMacbook Airは、同スペックのWindowsよりも価格が安く、コストパフォーマンスがよかったのを覚えています。

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ということで、iPhone SEは初めてスマートフォンを購入する人、とりあえずiPhoneが欲しい人にはお勧めの機種とのことです。とくに、スマホ購入の相談を受けた時には、iPhone SEをすすめておけば間違いはないようです。ただし、その場合には128GB以上を進めてほしいとも。もちろん、わかっている人が使う分には64GBでも問題はないそうです。

視聴者さんからの質問コーナー

最後にライブでいただいたコメントや、事前に質問をいただいていた内容に回答するコーナーもありました。

iPhone SEの購入は直販とキャリアどちらがおすすめか、なぜキャリアの価格が高いのかという質問に対しては、MVNOで使うなら直販が絶対に安いとのこと。とはいえ、サポートが必要な人には、その分価格に上乗せされているものの、キャリアのほうがいいだろうとも。いろいろと割引プランなども用意されているので、どちらを選ぶかは完全にその人次第のようです。

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ほかには、実際いつ頃のタイミングで5Gスマホに乗り換えたほうがいいのかという質問には、iPhoneに興味がない人は、今のタイミングだし、iPhoneユーザーなら今秋。また今秋~来春にかけてAndroidでも安い5G端末が出てくるので、それを待つのも手だという回答。

なお、今買い替えても、先のセッションで話が出ていたように5Gの恩恵はなかなか受けられません。ただ、docomoとauは5G端末向けの料金プランではデータ通信容量が無制限となっています。SoftBankは無制限ではありませんが、YouTubeやAmazonプライムビデオ。Line、Twitterなどがカウントフリーに。Wi-Fiルーターとスマートフォンを持ち歩いているなら、このタイミングで料金プラン目当てで5G端末を購入するのもありだろうとのことでした。

最後に、次に出るApple製品の予想について。iPad ProやiPhone SE、Macbook Airも新しくなりましたが、iPhone 5Gは除くとして、この質問に中山さんはクラムシェルタイプのiPadが出るかもとの大胆予想をしていました。

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iPad Proの新しいMagic Keyboardは背面に回らず、まるでクラムシェルのよう。であれば、最初から一体化して作ってしまえばもっと安く、軽くできるはずとのこと。Chromebook対抗になりそうなデバイスで、信頼度は3%くらいとおっしゃっていましたが、言われてみると確かにありそうな気もしてきます。
 
 
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