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昨年、米国での未成年への販売で物議を醸していた電子タバコのJUULが、年内に欧州5か国での販売を中止する予定だと報道されています。この撤退は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響ではないとのこと。BuzzFeed Newsが匿名の内部者からの情報として伝えたところでは、撤退する5か国のうち、スペインとフランスは比較的売上高の高い市場でした。しかし必要な人員を確保したり、現地規制当局との間の問題を解決して活動を継続するほど重要な売り上げがあるわけでもなかった模様。またオーストリア、ベルギー、ポルトガルは市場規模が継続に見合わなかったとのこと。

欧州連合(EU)では他の地域に比べて電子タバコへの規制が厳しく、米国ではリキッド内のニコチン量が1mlあたり59mgなのに対しEUではほぼ1/3の20mlとなっています。インペリアルカレッジロンドンの公衆衛生の研究者フィリッポス・フィリッピディス氏は「厳しい規制のために、EU諸国では米国に見られたような若年層への電子タバコの急激な浸透が発生していない」と述べています。

欧州は成人の喫煙率が世界でも高い傾向がありますが、近年はそれも低下しつつあるとのこと。JUULが欧州5か国から撤退することで、おそらくそれらの国々では数百人の従業員が職を失うことになります。JUULは欧州以外でも、たとえば韓国から撤退の可能性が報じられており、中国インドでもビジネスを終了しています。シンガポールではオフィスの縮小が伝えられています。またリストラ計画の一環として、約800〜950人の従業員を解雇する予定だと言われているものの、欧州での撤退がその数に含まれているかはわかりません。

なお、JUULは今回5か国から撤退するものの、残るJUULの欧州市場としてはチェコ、ドイツ、アイルランド、イタリア、ポーランド、非EUのスイスとウクライナ、そして最も大きな売り上げを持つ英国とロシアがあります。