donki pc review
2020年5月1日にドン・キホーテの自社ブランド「情熱価格+」から発売された税別価格19800円という非常に安価な7インチ2in1タイプのモバイルPC「NANOTE」(ナノート)。

すでにいくつかの店舗では売り切れ(店によっては販売当日に品切れ)になるなど「今、ちょっと話題のPC」となっています。

その性能は「お値段なりのロースペック」であり、お世辞にもメインPCとして活躍できるようなものではありません。

また、実際に購入したユーザーからは「ネタならあり」、「2万で買えるガジェクラ向けのおもちゃ」、「一番気に入ってるのは...値段だ」といった具合。販売側が想定したであろう購買層以外のガジェット好きたちがこぞって手を出したいろんな意味で評判な1台と言えるでしょう。(言えますよね?)

というわけで、本記事ではそんな「NANOTE」を発売当日の朝早くに近隣のドン・キホーテへ赴き、速攻で購入した変わり種端末大好きな筆者が、実際にどんな使い方なら活かせるだろうかと色々試してみました。

......始めに言っておきますが、あくまでもネタ記事なので気楽に読んでいただければいいと思いますよ!

低い基本性能のNANOTEの下準備

donki pc review▲妥協しかない性能のNANOTE

基本スペックをおさらいしてみましょう。NANOTEのCPUはIntel Atom X5 Z8350(1.44 GHz 4コア4スレッド)、動作メモリは4GB RAM、本体ストレージは64GB eMMCと非常に非力なものとなっています。

Atom x5 Z8350はCherry Trail世代のCPUであり、2015年に発表された当時としてもミドル~ロースペック向けのCPUです(ちなみに同世代最上位はAtom x7 Z8750)。

そのため、本機を普通に使おうとするなら、少しでも快適に動作させるために、ある程度、本体設定を変更するなどの下準備をした方が賢明でしょう。

というわけで、まずは以下の設定変更など行いました。
  • oneDriveのスタートアップ起動とネットワーク同期を無効化
  • 画面解像度変更(1920×1200 1440×900)
  • コントロールパネルの電源プランの見直し(カスタムプランを作成し「最も高いパフォーマンス」で動作するように変更)
  • バックグラウンドアプリを全てオフ
  • 64GBの内蔵ストレージでは心もとないのでUSBメモリを追加

ブラウジングに使う

まずは基本中の基本、NANOTEをWebサイトの閲覧に使ってみます。プリインストールのMicrosoft Edgeでは動作が遅い(安定性では悪くないのですが)ので、GoogleChrome系のWebブラウザーの導入をします。

今回は筆者の好みと比較的軽量な動作のVivaldiブラウザーを導入しています。

早いスクロールを行うとさすがにモタつきますが、それなりに実用レベルで動いてくれています。タブレットモード時なら縦スクロールの多いサイトでも見やすくなるので、これはアリでしょう。

donki pc review▲縦横どちらでもOKなのはタブレットモードならでは

動画閲覧に使う

昨今のPCのメジャーな用途としては動画鑑賞も外せません。というわけで、YouTubeやスマホにて撮影した動画ファイルなどを再生能力を試してみます。

まず、YouTubeですが、Webページ内のメニュー表示や動画再生前の読み込みが重いものの、動画の再生自体には問題はありませんでした。

donki pc review▲YouTubeの動画も問題なく再生可能。

続いて、スマートフォンにて撮影した4Kと8Kサイズの動画(どちらも約2分)を用意。再生能力を確かめてみましょう。動画の再生にはメジャーな動画プレイヤー「VLCメディアプレイヤー」を使用しています。

まず8Kの動画は全くダメです。音は鳴るのですが画面内は真っ黒で再生は一切できません。

一方で、4Kの動画の場合であれば、動画の最初の読み込みや動きの大きい部分では多少の画像の乱れが生じたものの、大きなトラブルなく再生できました。


4Kならギリギリ再生できる......といったところですね。

また、Webブラウザーを利用してのAbemaTVやAmazonプライムビデオなどの再生も問題なく可能でしたが、AmazonプライムビデオやYouTubeで4K動画を再生しようとすると、読み込が頻発してしまいイマイチ実用になりませんでした。

ゲームをやってみる

いよいよお待ちかね。ファンレスローエンドな本機でゲームがどれだけ動作するかをテストします。

まずはゲーミングベンチではお馴染み、MMORPG「ファイナルファンタジーXIV 漆黒のヴィランズ」での計測結果がこちら。
donki pc review▲はじめからわかってはいました、わかっていましたとも。

一番軽い動作設定でテストしたものの、やはり「動作困難」。予想どおりとはいえ、とても遊べるスペックではないですね、はい......。

強力な3D画像処理能力を求めるFFXIVは無理な話ってもんです。

とはいえ、最近のタイトルでも2Dグラフィックのゲームや3D画像処理が軽めのゲームであれば「一応遊べる」ものもありました。
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▲先日発売されたばかりのベアナックルIVはOPムービーでガタついたがゲーム本編は一応遊べる。
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▲ちょっと古めのタイトルですが、3D処理やエフェクトの多い『シューティング技能検定』もややもっさりするもプレイ可能でした。

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▲ブラウザゲームでもトップクラスに処理の重いDMMのソーシャルゲーム『マジカミ』は動作はするものの、画面変移ごとの読み込みが長すぎるうえにキャラクター動作時のエフェクトが発生すると動きがガクガクになり、かなりキツイ感じ。

レトロ調のゲームやオールディーズタイトルならそこそこ行けちゃうかもしれないので、手持ちのゲームをとりあえず試す価値はありそうです。

ただし、本体ストレージ容量が64GBしかないので、インストールするタイプのゲームがあまり多くは入れられません。

メモリーカードを使用した仮想ストレージ(VHD)機能を使えばある程度はカバーできますが、そもそも本機のメモリーカードスロットの読み書き速度が遅いので、オススメしにくいというのが歯がゆいところ。

テレワークにはどう?

NANOTEには約30万画素のインカメラが搭載されており、テレワークは「やってやれないことはないだろう」とはじめは考えていました。

しかし、実際に本機でテレワークを実際に行おうとした場合、クセの強すぎるキーボード配置が大きなネックとなります。
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▲あまりにも独特な配置のキーボード

キーストロークやほとんどのキーピッチは特に問題はないのですが、左端付近の「Capsキー」と隙間なく並んでいる「Aキー」のほか、「Tabキー」はファンクション(Fn)キーとの同時押しを要するなど、使い勝手はいいとは言えません。

また、この配列に慣れてしまうと本機以外のPCの一般的なキーボードを使用するのに躓いてしまうことでしょう。

ちょっとした文章の入力やOfficeファイルの修正くらいであれば、問題にはならないと思いますが、筆者個人的な感想としては「テレワークには出来なくはないけど使いにくいし、快適な業務遂行には厳しい」という結論になります。

そのほかの活用方法を考える

まず、タブレットスタイルで、絵や文章を書くのはどうか。これは電磁誘導式のデジタイザーペンなどには対応していないため、絵を描くには不向きでしょう。手書きによるメモもスタイラスを使用した際の追従性が思った以上によろしくないため、「出来なくはないけどストレス」といった印象でした。
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▲筆者は全然、絵が描けないので参考にはなりませんが...(これ書くだけでもアンドゥ何回も繰り返してます)

一方で、7インチという絶妙なサイズのおかげか、電子書籍ビューワーとの相性はかなり良いです。あまり高解像度すぎる画像などの場合はモタつきがあるものの、雑誌やマンガ、ノベルなどを読むのには良い感じですね。

また、本体側面にあるmicroHDMI端子を付属の変換アダプタを使って外部ディスプレイやテレビなどに接続できるので、使いどころはあるかと思います。

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▲さすがに自宅に持ち帰ってモニターへ本機を接続して作業するにはスペックが心もとなさすぎますが、なにかしらの活用法があるかと。

記事冒頭でも書いていますが、NANOTEは誰にでもオススメできる実用的に使えるマシンではありません。

というかこれを本格的にメイン機として使おうなんて無茶もいいところです。

性質と性能を理解したうえで本機を買うような人は「よほどのモノ好き」か「破滅的な環境に身を置きたい仙人みたいな人」か「変態端末愛好家」でしょう。

ですが、これが「2万円で買えるいじりがいのある変わり種」として見るとたまらなく魅力的に感じてしまうマシンであることも事実でしょう。

発売当日に各所で売り切れの報告が出てきてしまうくらいの「愛され枠」なPCとして今年のガジェットニュースではその名を残すことになる1台となるのではないかと思います。

もし、お近くのドン・キホーテでNANOTEを見つけることが出来たら......普通の人はスルー推奨!でも、ガジェクラなら絶対手ぇだしときなさい!面白いマシンだから!!

と勢いのあるままに本記事の締めとさせていただきます。

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▲あ、もちろんズボンの尻ポケットに入れてみました(決して何かを想起させようという意図とかはまったくありません)