Clearview AI、民間企業との顔認識AIの取引なしと主張。政府・法執行機関以外はキャンセル

まず顔認識AIを構築し直すべきでは

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年05月9日, 午前 06:50 in Security
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LeoPatrizi via Getty Images

顔認識スタートアップのClearview AIは、SNSなどから無断収集した数十億の写真から顔認識AIを鍛えたことで物議を醸し、それをきっかけに企業から訴訟を起こされたり規制当局が調査に乗り出しました。さらにその後、Clearview AIはサーバーのセキュリティ設定の誤りを突かれて顧客リストが流出し、そこには顔認識技術に興味を持っている、もしくは売り込みをかけていると目される企業名がリストアップされていました。
イリノイ州で起こされた訴訟では、この顔認識AIベンチャーのソフトウェアが商業目的での生体認証データの使用に関する州法、生体認証情報プライバシー法(BIPA)に違反しているため、過去から現在に至るあらゆるイリノイ州民の情報の使用を差し止めるよう求めています。

これに関しCleaview AIは、連邦裁判所に提出した書類の中で、政府関連機関以外のいかなる顧客とも取引をしておらず、またイリノイ州を拠点とするすべての企業との取引を回避している旨の主張を行いました。

しかしBuzfeed Newsの調査によれば、今年初めに流出した顧客リストにはBest BuyやMacy'sといった民間企業の名が数百も並び、顔認識AIソフトウェアの試用版を無料で配布、また一部とは有料契約を結んでいたとされます。

アメリカ自由人権協会(ACLU)の弁護士Nathan Freed Wessler氏は、Cleaview AIが民間企業との取引をすべて回避したとの話が、実際においてイリノイ州の住民を保護する保証はないと述べました。そして、たとえ主張の通り、イリノイ州で住民の顔認識データをしようないと約束したところで、米国中の人々の顔写真を悪用するのを止めることはできないとしています。

Buzfeedはイリノイに拠点を置く105以上の事業体がClearviewのAIを使用していたものの、そのほとんどは警察機関だったと伝えています。とはいえClearviewは、顔認識による市民監視に対処するための具体的な防御措置を用意する代わりに、法執行機関への顔認識システムの販売を仕掛けることで米国民のプライバシーと適正な取り扱いに対する大規模な違反を継続しているとも考えられます。

Clearviewを巡ってはイリノイ州のほかにニューヨーク州、カリフォルニア州でも同様の集団訴訟が起こされており、それらの訴訟で、またそのほかの州で今後この無断収集画像で構築された顔認識AIの扱いに対し、どういった対応がなされていくのかはわれわれにとっても気になるところです。

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関連キーワード: AI, Clearview AI, deeplearning, FaceRecognition, Security
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