3D印刷のあと40倍に膨張するフォーム材料開発される。小さなプリンターで巨大な物体を出力可能に?

ただし加熱処理が必要

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年05月10日, 午後 04:55 in Science
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UC San Diego

将来、月面基地を建設するにあたって期待されているのが、レゴリスと呼ばれる月の砂を材料とした3Dプリンターによる居住施設の建造です。しかし、大きな構造物を作ろうと思えば、まずは3Dプリンターのサイズで作れるパーツをたくさん製造し、それを移動し、組み合わせ、接着や溶接をする労力が必要になります。しかしそれももうすぐ変わるかもしれません。

カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究グループは、3Dプリンタで出力した元の体積から最大40倍にまで膨張する発泡樹脂を開発しています。3Dプリンターに限らず、旋盤やフライス盤、ボール盤などあらゆる工作機械はその機械の大きさ以上のものを加工することができません。大きなものを作ろうとすればどこかでパーツに分割し、あとから何らかの格好で接合させる必要性が生まれます。 しかし、UCサンディエゴのグループは3Dプリンターに使う樹脂材料の基材としてメタクリル酸2-ヒドロキシエチルを選定し、これに組み合わせる発泡剤と光重合を起こしてポリマー化するための開始剤を調査しました。

そして幾度も試験を重ねた研究者らは、ポリスチレンなどで使われるのとは別の発泡剤を発見したとのこと。この材料を使った樹脂で、3D CADで設計したモデルを印刷し、200℃で10分ほど加熱した試験では、その体積は3Dプリント直後に比べて4000%にまで膨張したことを報告しています。

研究者らはこの材料が建築や航空宇宙関連、生物医学などの分野で有用なものだと考えており、特に水に浮くことから浮揚装置や救命具などにももちろん応用できるとしています。





ところでこの材料、3Dプリンターよりも最終的に大きな物体を出力できるのは良いものの、そのためにはその最終的な物体の大きさを収められる大きさのオーブンが必要になる気がします。またもし月面でこの技術を応用して基地を作るとなれば、月面では日中(直射日光)の表面温度が110℃とされることからそれぐらいの温度で膨張するように材質を調合しないといけないかもしれません。

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