Surface Go 2とiPad Pro、純正キーボードが使いやすいのはどっちだ?

画面の大きさが近いタブレット対決

笠原一輝(Kazuki Kasahara)
笠原一輝(Kazuki Kasahara), @KazukiKasahara
2020年05月13日, 午後 05:00 in apple
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Surface Go 2米Microsoftは5月6日、10インチディスプレイ搭載のSurface Go後継となる、少し大型化した10.5インチディスプレイ搭載のSurface Go 2を発表した。日本でも5月12日に販売が開始されており、既に手にされている読者もいらっしゃるのではないだろうか。

本記事では日本マイクロソフトより貸与されたSurface Go 2の中位モデルSTQ-00012(Pentium Gold 4425Y / 8GBメモリ / 128GB SSD / Wi-Fi / Windows 10 Home / Microsoft Office Home & Business 2019)を使って、ディスプレイサイズが近い11インチのiPad Pro(第1世代、LTE)と比較、特に純正キーボードに注目してみることにした。

Pentium Gold搭載モデルは従来より5000円の値下げ

Surface Go 2
▲Surface Go 2のSTQ-00012(Pentium Gold 4425Y / メモリ 8GB / SSD 128GB / Wi-Fi / Windows 10 Home Sモード / Microsoft Office Home & Business 2019)7万7800円(税別)とタイプカバーキーボード(アイスブルー、アルカンターラ)1万5400円(税別)

Surface Go 2の外形に関しては従来モデルと全く同じ(ただし重量は約20gアップ)で、CPUが最大で第8世代Core m3(Core m3-8100Y)へと強化され、ディスプレイが10インチから10.5インチへ、解像度(1800x1200ドットから1920x1280ドット)も少し大きくなり、マイクがシングルアレイから遠方界(Far Field)のデュアルアレイへと強化されている。

一般市場向けには以下の3つのモデルが用意されている。
  • STV-00012(Pentium Gold-4425Y / 4GBメモリ / 64GB eMMC / Windows 10 Home / Microsoft Office Home & Business 2019 / Wi-Fi)5万9800円(税別)
  • STQ-00012(Pentium Gold-4425Y / 8GBメモリ / 128GB SSD / Windows 10 Home / Microsoft Office Home & Business 2019 / Wi-Fi)7万7800円(税別)
  • TFZ-00011(Core m3-8100Y / 8GBメモリ / 128GB SSD / Windows 10 Home / Microsoft Office Home & Business 2019 / Wi-Fi・LTE)9万7800円(税別)

特に下位モデルの2つ(STV-00012 / STQ-00012)は、旧Surface Go同等モデルの発売時と比べると5千円ほど値下げされており、コストパフォーマンスが高められている。

Surfaceシリーズと言えば、ディスプレイカバーにもなるキーボード(タイプカバーキーボード)がオプションとして用意されており、それを取り付けることでクラムシェル型PCの代替として利用できることが最大の特徴だ。PC業界の用語ではそうした製品を「2-in-1型デバイス」と言うのだが、Surfaceシリーズはその2-in-1型デバイスの代名詞として語られることが多い。しかし、今やそうした2-in-1型デバイスは何もWindows OSのデバイスだけではない。タブレットの代名詞となったAppleのiPadも、上位モデルのiPad Proシリーズを中心に取り外し可能なキーボードが用意されており、今ではiPad Proも立派な「2-in-1型デバイス」である。

かつ、AppleはSmart Keyboard Folioという従来型のキーボードに加えて、この春に新しくMagic Keyboardという、新たにタッチパッドを搭載した製品をリリースしている。そんなわけで本記事では10.5型のSurface Go 2にタイプカバーキーボードの組み合わせと、11インチiPad ProにSmart Keyboard FolioないしはMagic Keyboardを取り付けた状態での比較レビューをしていきたい。

なお、Surface Go 2に関しては前述の通り、日本マイクロソフトから貸与されたSurface Go 2の中位モデルSTQ-00012を利用、iPad Proに関しては筆者の自前の11インチiPad Pro(第1世代、Wi-Fi・LTE)に第1世代用Smart Keyboard Folioおよび第1世代 / 第2世代共用のMagic Keyboardという組み合わせで検証を行う。

SurfaceがWi-Fiモデルであるのに対し、iPad ProはLTE対応版となるが、Wi-Fi版とセルラー版で重量に差はないため特に有利不利はないと思うが、Surface Go 2のLTE版を検討している読者は脳内で11g足して以下お読みいただきたい。

SurfaceのタイプカバーとiPadのSmart Keyboard Folioの本体込み重量はほぼ同じ

Surface Go 2
▲左から11インチiPad Pro用Magic Keyboard、Surface Go 2用タイプカバーキーボード(アイスブルー)、11インチiPad Pro用Smart Keyboard Folio

まずは重量についてだ。Surface Go 2+タイプカバーキーボード、11インチiPad Pro+Smart Keyboard Folio、11インチiPad Pro+Magic Keyboardの重さを実測で比較してみると以下のようになる。

Surface Go 2

これを見て明確に言えることは、Magic Keyboardの重さが(カバーキーボードやフォリオキーボードなどと各社呼び方が異なるが)カバーの代わりになるキーボードとしてはぶっちぎりで重いということだ。Surface Go 2のタイプカバーキーボードが242gでしかないのに対して、11インチiPad Pro用のSmart Keyboard Folioは296g、Magic Keyboardは595g。倍以上の重さなのがわかる。

Surface Go 2
▲Surface Go 2(STQ-00012)の重量

Surface Go 2
▲11インチiPad Pro(第1世代)の重量

Surface Go 2
▲Surface Go 2用タイプカバーキーボードの重量

Surface Go 2
▲11インチiPad Pro用Smart Keyboard Folioの重量

Surface Go 2
▲11インチiPad Pro用Magic Keyboardの重量

ではなぜiPad Pro用のキーボードはSurface Goのそれより重いのか。それは両者の構造が違うため。Surfaceではスタンド(キックスタンド)が本体側に入っており、それがタブレットを支える構造になっている(そのため、Surface Go 2本体は537gとiPad Proの本体より重くなっている)。キーボード側に本体を支える機構が不要となるため軽くできるのだ。

それに対して、iPad Proは本体側にスタンドが入っていないため、フォリオキーボード側にその機構が必要となる。このため、構造上どうしても重くならざるを得ない。とはいえSurface Go 2+タイプカバーキーボードの合計重量が779g、11インチiPad Pro+Smart Keyboard Folioの合計重量が759gと、その差はわずか20gしかなく、この比較ではほぼ同等だと考えてよい。

では11インチiPad Pro+Magic Keyboardの1058gという重量をどう考えるかだが、これは用途が違うとしか表現しようがない。というのも、Magic Keyboardには後述する角度を一定の範囲内で無段階調整できる機構が入っている点と、USB Type-Cのポートを備え本体に給電できるようになっている点が付与されているためだ(なお、このUSB Type-Cポートは周辺機器を接続する用途には使えない、あくまでできるのは給電だけ)。

Surface Go 2
▲Magic Keyboardに用意されているUSB Type-Cポート

つまりMagic Keyboardはある種、充電台として使うことができる。USB Type-Cの充電器を常にMagic Keyboardへ接続しておき、外から帰ってきたらMagic Keyboardに接続して充電するという使い方もできる。また、充電がMagic Keyboard経由で行えるので、本体のUSB Type-C経由でデジタルカメラのデータを読み込むといったPCライクな使い方もできる。これもMagic Keyboardにしかない特徴だ。

従って、重量の観点からすれば、iPad Proを2-in-1型デバイスとしてモバイルとして使うならSmart Keyboard Folioだし、もっとクラムシェル型PCライクな使い方をするならMagic Keyboardと考えることができる。その上でSurface Go 2との比較になると、775gの重量で2-in-1型としても、クラムシェル型PCライクにも使えるSurface Go 2の方が持ち運びの観点では優れていると言えるだろう。

Surfaceの弱点は膝上での利用、iPadの弱点はサードパーティIMEが使えないところ

続いて、Surface Go 2用のタイプカバーキーボード、11インチiPad Pro用のSmart Keyboard FolioとMagic Keyboard、それぞれのハードウェアの特性をまとめると以下の表2のようになる。

Surface Go 2

Surface Go 2
Surface Go 2
▲Surface Go 2とタイプカバーキーボードの角度と奥行き、この範囲で無段階

Surface Go 2
▲11インチiPad Pro用のSmart Keyboard Folioの奥行き

Surface Go 2
▲11インチiPad Pro用Magic Keyboardの奥行き

2-in-1型デバイスは、PCの代替として使われるため、膝上で使えるかどうかが意外と重要になる。こうしたデバイスを利用してメモなどを取るときに、常に机があるところで使えるとは限らない。机のない椅子に座ってメモを取るシーンは意外と多いのだ。

Surface Go 2のタイプカバーキーボードはキックスタンドによって本体を支えているという構造上、どうしても奥行きが必要になる。キックスタンドを含んだ奥行きは最小で200mm、前後が最大で330mm程度になっている。さらに膝上で使っても違和感がないディスプレイの角度に調節しようとすると、約260mmの奥行きが必要になる。要するにモモの部分にそれだけの奥行きがあればなんとか使えるが、人によってはやや苦しいのではないだろうか。この点はSurfaceの明確な弱点と言える。

iPad Proのキーボード2種はSurfaceより奥行きがないので、膝の上に置いても不都合はない。この点では優れているが、1つ課題としてあるのは、タブレット部の重みでどうしても後ろに倒れがちになる。机の上で使っているとこの点は気にならないのだが、膝の上は机に比べてどうしても不安定なので、ちょっとぐらぐらしてしまう。慣れの問題ではあるが、この点は考慮したいところだ。

Surface Go 2
Surface Go 2
▲11インチiPad Pro用のSmart Keyboard Folioは2段階の角度のみ

Surface Go 2
Surface Go 2
Surface Go 2
▲11インチiPad Pro用Magic Keyboardはこの範囲内で無段階

ディスプレイ角度の調節では、Surface Go 2は直立からテーブル面と平行近くまで無段階の調整できるし、キーボード自体も角度をつけて入力することができる。それに対してiPad Proの2つのキーボードはSmart Keyboard Folioが2段階、Magic Keyboardなら限られた角度の中で無段階に調整できるが調整範囲は限られている。

また、キーボードを外してデジタイザーペンを使うときでもSurface Go 2は内蔵されているキックスタンドを利用して無段階で調整でき、ペン入力しやすい角度に調整できるが、iPad Proはタブレットの下に何を入れて調整するしかない。この点ではキックスタンドを採用しているSurface Go 2の方が圧倒的に使い勝手が良いと言える。

ファンクションキーの有無に関しては、普段使っているPCやIMEに依存するだろう。WindowsやmacOSでATOKなどを使っている場合にはF8やF9などを多用しているだろうから、その場合にはファンクションキーがあったほうがよいと感じるかもしれない。ただ、iPadで使える標準IMEは予測変換を多用する仕組みになっており、そもそもF8やF9などが変換に不要なのでなくても別に困らない。ただ、ESCキーがないのはやや困る。そのためもあってか、ESCキーは設定でどれかのキーに割り当てることが可能だ。ただし、左上というベストポジションには数字の「1」キーがあり、さすがにそれに割り当てることはできないので、場所が変わることの慣れは必要だろう。

そして、iPad Pro用2つのキーボードの最大の弱点は、サードパーティのIMEが使えないことだ。この問題はiPad ProとSmart Keyboard Folioが登場したときからずっと言われている課題だが数年を経てもまだ直らない。PCでATOKやGoogle IMEなどを使っているユーザーであれば、当然iPad側でも同じIMEが使いたいというニーズがあるはず。

iPad OSでは、ある程度の制約があるもののサードパーティのIMEが使えるようになっている。ただ、外付けキーボードを接続するとそれが使えない仕様。辞書などの単語登録を、ATOKなどと同期してくれる機能を用意するか、サードパーティのIMEを外付けキーボードでも使えるようにAppleにはぜひご考慮いただきたいものだ。

角度がついていることでグラグラ感が弱点のSurface、日本語キーボードの無理なキー配列が課題のiPad Pro

ここまで各キーボードの機能やサイズなどに関しては客観的な違いとして見てきたが、ここからは筆者の主観でキータッチや入力時の快適性などについて触れていきたい。なお、筆者は普段はWindows PCをメインに使っており、Windowsマシンのキーボードに慣れている。結局の所、人間の慣れが一番のユーザビリティなので、当然ながらWindowsマシンのSurface Go 2へ有利に働くことは言うまでもない。従って、その分は割り引いてお読みいただきたい。普段からiPadのキーボードを使い続けているユーザーや、macOSマシンのキーボードに慣れ親しんでいるユーザーであれば別の感想になって当然だ。

(1)Surface Go 2+タイプカバーキーボード


Surface Go 2

配列などに難はない。PCとしては非常にまっとうな配列、カナ入力の人は「む」キーがやや小さいことが気になるかもしれない。ただ1つだけ難点を言えば、タイプカバーキーボード自体の強度が高くないので、キーボードに角度をつけて入力していると、キーボードそのものが歪む感覚は否めない、ややグラグラ感があるという表現が正しいだろうか。

キーボードの下に鉄板を入れるなどしてもっと強度をつけることはできるかもしれないが、その場合には重量が増えてしまうので、そのバランスの中でこうなっているのだろう。グラグラ感がいやな人は、マグネットから外して平置きして使えばやや軽減される。

Surface Go 2
▲タイプカバーキーボードを平置きして使う、奨励される使い方ではないが可能

キートップはいわゆるアイソレーション型で、キーストロークもスペック上は1mmとなっているが、特に不満を感じるような事はなく、しっかりとしたクリック感を感じることができる。

本体下部に入っているマグネットで角度をつけて本体に固定する形になっているが、それを外してキーボードをテーブル面に水平になるように、つまりキーボードがペタッとする形にすると、ノイズも低減されるし、テーブル面が言ってみれば構造物になって、より入力しやすくなる。角度よりもしっかりした打鍵感が必要という人はその設定で使うといいかもしれない。

(2)11インチiPad Pro+Smart Keyboard Folio


Surface Go 2

配列に関しては「け」「む」「ほ」のキーが小さいことはカナ入力ユーザーにとっては気になるし、ローマ字入力でも意外と多用する「ー」を入力するための「ほ」キーが小さくて打ちにくいのが気になるところ。「@」もビジネスでは多用するキーだが、これも小さい。

英語モデルを写真で確認すると、そうした変則的なキーはほとんどないので、キー数が多い日本語キーボードにするときに無理が出たということだろう。WindowsノートPCでも日本語化するときに英語キーよりもキーが増えるため、こうしたキーを小さくして使い勝手を損なっている製品があるが、それと同じだとしか評価しようがない。従って、率直にいって英語キーのモデルを買う方が使い勝手としてはよりよいと思う(もちろん英語配列に慣れる必要性はあるが)。

キートップはナイロン素材で完全に覆われているタイプになっており、中央がやや窪んでいて指などを置きやすく、慣れればすぐに入力しやすいと感じるだろう。キーボードそのものの強度はテーブル面に対して水平に接地しているので、ペナペナする心配はない。

ただ、WindowsユーザーにとってはコントロールとCaps Lockの位置が逆になるので、それは慣れが必要である。macOSユーザーの場合は元々こうなので、こればっかりはWindows PCでCtrlとFnが入れ替わっている製品があるのと一同じと考えればいいのかもしれない。

このキーボードの特徴は騒音が気になるという点にある。ノイズのボリュームが大きいというよりは、「ペコペコ」という音が人間の耳には耳障りという表現が正しいか。そこは要改善だと感じている。

(3)11インチiPad Pro+Magic Keyboard


Surface Go 2

「け」「む」「ほ」「@」のキーが小さいこと、CtrlとCaps Lockの配置などもSmart Keyboard Folioと同様。個人的な難点はディスプレイの角度の選択肢が少ないことだ。最大でも写真の状態で、あとは逆側にしか角度が変えられない。もう少し向こう側に倒せてもバチは当たらないと思うのだが......。しかも、ディスプレイを一番起こした状態でバックスペースなどを入力しようとすると、ディスプレイに指が引っかかってしまう。この点は柔軟に利用できるSurfaceのキックスタンドに比べると弱点と言えるだろう。

キートップはいわゆるアイソレーション型で、ストロークも1mm(公式スペック)で、実際に入力してもそれなりにあるように感じることができ、キータッチは悪くない。キーのノイズもSmart Keyboard Folioに比べて小さく、不快感は明らかに減っている。

このキーボードを他の2つと比較した場合、最も優れているところはキーボード自体の重量があること。この恩恵により、入力時の安定性が高いのだ。キーボードがグラグラする不安定さを感じることはなく、快適に入力できる。安定感重視という人にはこのキーボードがもっともいい選択肢だと感じた。

タブレット中心でたまにキーボードを使う人はiPad Pro、キーボード入力中心の人はSurface。変わらない結論

......で、結論としてどっちが入力しやすいのか、筆者の結論としてはSurface Go 2の平置き(角度をつけない状態)が一番安定して高速に入力することができた。その次に多少のグラグラ感を我慢できるのであれば、角度をつけた状態のSurface Go 2だろうか。それはもちろん筆者が普段からWindowsユーザーであり、そのキー配列になれているからということは割り引いておかないといけないが......。

生産性を重視する筆者のようなビジネスユーザーなら文字入力がメインの使い方になるので同様の結論になると思うが、タブレットの使い方がKindleで電子書籍を読んだり、Netflixで動画を観たりすることが主であって、電子メールやWordなどでの文字入力はたまにする程度というユーザーなら別の結論になると思う。そうしたユーザーにとっては、コンシューマ向けのアプリが充実しているiPad Proの方が合理的な選択となるだろう。

まとめるとタブレット中心の使い方であるならiPad Pro+どちらかのキーボード、ビジネスや文字入力がメインならSurface Go 2、この結論は依然として変わっていない。

 
 

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