アップルが2020年サプライヤー責任進捗報告書を公開。新型コロナ対策などを共有

サプライヤーに斡旋手数料を返還させた話も必読

Kiyoshi Tane
Kiyoshi Tane
2020年05月15日, 午後 04:00 in apple
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アップルは14日(米現地時間)、2020年のサプライヤー責任進捗報告書を公開しました。

同社のオペレーション担当上級副社長であるサビ・カーン氏からの書簡も添えられており、新型コロナウイルス発生に対応し、世界中のサプライチェーンにおける安全と保護を強化するアップルの取組みが詳述されています。カーン氏の書簡は「健康は第一です。今も昔も」と前置きし、サプライチェーンに従事する人々の安全を守ることを最優先事項として強調。そして新型コロナの複雑で急速に変化する影響を乗り越えていく上で「世界中のすべてのサプライヤーの責任、柔軟性、チームの対応」に感謝の念を述べるとともに、感染発生の当初からアップルがサプライヤーと協力して、人々の健康を第一とした計画を策定して実行してきたと語っています。

そうした計画の中で重視されたのが、社会的距離の厳格な遵守や、密度の制限、健康診断など、今や全世界で共通のルールとなった対応の数々です。具体的に実施された対策としては、次のようなものが挙げられています。
  • 作業中および共用エリアの個人用保護具を必須としています
  • マスクと消毒剤が従業員に提供されています
  • 強化されたディープクリーニング(念入りな掃除)プロトコルが実施されています
  • サプライヤーは、社会的距離の必要性に応じて、工場のフロアプランを再設計および再構成しました
  • 対人空間を最大化するために、柔軟な労働時間と時差出勤シフトが実施されています

また同様の基準が業界全体で確立することを期待して、こうした計画を外部に向けて公開したという意図も語られています。

今回の2020年サプライヤー責任進捗報告書は、5万2000人の従業員への聞き取りに基づいて作成。その監査対象となるサプライヤー所在国も前年の30カ国から49カ国に増やされたとして、以下の内容が報告されています。
  • 2019年に130万ドルの斡旋手数料(外国人契約従業員が職に就くためにサプライヤーが徴収している手数料。アップルは「負債による強制労働の被害」を招きやすいとして禁止している)が従業員に返済されました
  • 廃棄物ゼロを達成することを約束したサプライヤーサイトでは、前年比で53%の増加(廃棄物の減少)がありました
  • これまでに305億ガロンの真水がサプライヤーによって節約されました
  • アップルはスズ、タンタル、タングステン、金、コバルトの精錬所に関する第三者監査に100%協力しました
  • 高パフォーマンスのサプライヤー施設は前年比で13%増加しました
  • サプライヤーの1%未満が低パフォーマンスと見なされました
  • 2019年には15万4700人以上のサプライヤーがSEED(のSupplier Employee Education and Development。大学課程や一般教育など様々なコースが受講できる)プログラムを利用しました
  • 41人がアップルの集中的なアプリケーション開発コースに参加し、卒業率は100%でした
新型コロナへの対策や環境保護への取組み、従業員への教育機会の提供などが盛り込まれた報告書は、日本の企業にとっても数々の示唆に富んでいるはず。興味のある方は、報告書(英文ですが)を読まれることをお勧めします。


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