ダイソン、開発中止のEVを公開。全固体電池で最大965kmの長距離ランナー(完成していれば)

約648億円がパー

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年05月18日, 午前 06:50 in Transportation
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吸引力の変わらない掃除機でおなじみジェームズ・ダイソン氏が、2017年から2019年にかけて開発に取り組みつつも、最終的にその発売を断念した電気自動車を英The Sunday Timesに公開しました。ダイソンが開発していた電気自動車は開発名N526と呼ばれ、約600人がこのプロジェクトに携わっていたとのこと。ダイソン氏が語ったところによると、7人乗りSUVタイプのEVは200kWモーターをデュアルで搭載し、最高速度は125mph、0-100km/h加速4.8秒、そして航続距離はフル充電で最大で約965km(600マイル)もの長距離走が可能なるはずだったとのこと。この航続距離はライバルになりそうなテスラModel Xの2倍近くであり、独自に開発する全固体電池によって実現されるはずでした。

一方インテリアに目を向ければ、そのシートは非常にスリムに仕上げられつつも腰の部分のサポートを厚くしており、ダッシュボードはヘッドアップディスプレイ(HUD)を採用したことで「ホログラムのようにドライバーの顔の前に浮かぶ」ように表示される、まるでモーターショーに展示されるコンセプトカーのような未来的なデザインを採用しています。

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N526には走行可能なプロトタイプもあり、ダイソン氏は外部から遮蔽された場所で自らハンドルを握ってテスト走行も行ったのだそう。そして、そこまで開発が進んだ段階での開発中止は「大きな悲しみと失望をもたらした」ものの「われわれの人生はリスクと失敗の連続で、簡単なものではない」とその結果を受け入れている様子です。

ダイソン氏は、この電気自動車プロジェクトには約5億ポンド(約648億円)もの資金を投じたものの、2019年10月「商業的に実行可能な方法はもはや見当たらない」と従業員に通知し、プロジェクトの廃止を決定しました。そしてプロジェクトのリソースは全固体電池の製造というこれまた難題に集中するとしています。また機械学習などの「基礎的」技術の開発にも注力していくと述べました。

ダイソンは今年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック発生を受け、供給が逼迫していた人工呼吸器を独自に開発したものの、しかしこれも最終的に英国政府に不要と宣告される憂き目に遭っています。

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