「5Gで新型コロナ拡散」デマ、米で拡大。アンテナ損壊事件増加、キャリアなどに警告

WHO「ウイルスは通信網を通れません」

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年05月19日, 午後 01:30 in Network
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欧州で広まっていた"5Gアンテナが新型コロナウイルスを拡散する"との陰謀論が、米国に飛び火し過熱しているもようです。米国土安全保障省(DHS)は法執行機関や通信事業者らに5G-新型コロナウイルス陰謀論者による設備や従業員への襲撃案件が発生する可能性について警告を出し「すでに複数の州で携帯電話用のアンテナ塔への放火や器物損壊事案が発生している」と述べています。英国や欧州では、しばらく前から5Gアンテナが放出する電磁波が健康被害をもたらすという、未検証の議論を鵜呑みにした人たちがアンテナに火を放ったり、破壊したりする事件が発生していました。そしてこの春、急激に世界中に拡散した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への恐怖心が5Gに関するデマと結びつき、5G通信網が新型コロナウイルスを拡散させているという陰謀論が一部の人々に信じられるに至っています。

米ABCはDHSによる文書からCOVID-19の拡散と5Gセルラー網の拡大を関連づける陰謀論によって世界的に通信インフラに対する攻撃や通信企業の労働者への暴力を求める声があがっており、この病気の拡散が続けばこれらの被害も増加するだろうとの見方を紹介しています。

WHOは新型コロナウイルスに関連するデマの数々を明確に否定する文書一覧を公開しています。5G-新型コロナウイルス陰謀論に関しても、ウイルスは感染者による咳やくしゃみ、会話などで発生する飛沫で拡散し、汚染された物体の表面に触れた手で目や鼻、口に触れることでも感染することがあるものの、通信網や電波によって新型コロナウイルスが拡散することはあり得ないと説明しています。また5G網が存在しない国でもCOVID-19感染者が増えている点も指摘しています。

一方で5G-新型コロナウイルス陰謀論の一部には5Gのミリ波が人間の免疫を低下させるせいで新型コロナウイルスに感染しやすくしているとの説もあります。しかしこれも、電磁波が人間の免疫を低下させるという科学的な根拠は示されていません。

ABC Newsによると5G-新型コロナウイルス陰謀論者による被害は欧米だけでなく、オーストラリアやニュージーランドでも発生しつつあるとのこと。日本ではなかなかこうした問題は起こりにくいものの、一時期は保護されるべき感染者に対する嫌がらせ行為が話題になるなど、人々の不安がこうした行為に表れている可能性はあり得そうです。

ちなみに、WHOの新型コロナ関連デマ一覧ページには、食事にニンニクや唐辛子を混ぜて食べる、漂白剤や消毒剤を体内注入する、エタノールやメタノールの飲用、日光浴、熱湯浴、紫外線浴、ドライヤーによる加熱などの民間療法はどれもまったく根拠がなく、予防や治療の効果がないことが明記されています。

なかには「息を止めて10秒間苦しくなければ新型コロナや他の肺疾患にかからない」などという謎の10秒ルールまであり、それを信じさせてしまうほど人々を不安にさせる新型コロナウイルスの脅威には驚くばかり。一刻も早くこの災禍が終息することを心から願わずにはいられません。

 
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