スマホや一眼カメラで撮った動画の編集に使う動画編集ソフト。

無料ソフトを使っている人も、有料ソフトを使っている人も「ほかのソフトに乗り換えたほうが効率化できるのでは」「もっと楽に編集できるソフトがあるんじゃないか」と思ったことはありませんか?

そんな人に改めておすすめしたいのが、プロのクリエーターにも御用達のAdobe「Premiere Pro」(プレミア プロ)です。動画編集ソフトの鉄板でもあるので、一度は検討をしたことがあったり、すでに使ったことがあったりするかもしれません。

そんな定番のPremiere Proをなぜ改めておすすめするかというと、ここ数年で急激に進化したAIの「Adobe Sensei」が優秀すぎるから。Premiere Proを日頃から使っていても、Adobe Senseiの機能を使っていない人もいることでしょう。僕は3年ほどPremiere Proを使っていますが、まったく活用していませんでした。

でも今は「もっと早くAdobe Senseiを知っていれば良かった!」と後悔しています。それぐらい、Adobe Senseiは動画編集を劇的に効率化してくれますし、楽にクオリティアップしてくれます。

この記事ではそんなAdobe Senseiの魅力を紹介します。無料ソフトから乗り換えを検討している方や、Premiere Proを使ったことはあるけど機能を使いこなせていない方は、動画編集が楽になるだけではなく、クオリティアップも上がり表現の幅が広くなること間違いなしです。

作例として、実際にAdobe Senseiの機能で編集した料理動画も用意しました。すぐに機能を使えるようにやり方も記載していますので、気になった機能があれば試してみてください。

こちらが作例として用意した料理動画です。この動画はこれから紹介する機能を活用して短時間で編集したもの。これをもとにAdobe SenseiのAIを活用して、横動画を縦や正方形の動画に変更したり、6分30秒ほどある動画を1分くらいのダイジェスト動画にしたりしています。

まずはAdobe Senseiの凄さを知ってもらうためにも、僕が一番驚いた、AIで自動的に動画の縦横比を変更してくれる「オートリフレーム」機能から紹介します。

SNS向け最適化が楽になる「オートリフレーム」

オートリフレームとは:

ひとつのソース動画から、各種のソーシャルメディアなどに最適化した縦長や正方形の動画を自動的に生成する機能。Adobe Sensei がAIで被写体を認識して、重要な部分が見切れないよう自動で追従する。

オートリフレームの使い方:

左上のメニューにある「シーケンス」を選びます。シーケンスを選んだら出てくる一覧の中にから「オートリフレームシーケンス」を選択。すると上記のような項目が出ます。オートリフレームシーケンス内の「ターゲットアスペクト比」で正方形(1:1)や縦長(9:16)を選んで「作成」を押せば、Adobe SenseiがAIでいい感じに仕上げてくれます。

上記は元素材と、オートリフレームで作った正方形と縦長動画の比較です。

この機能を初めて使ったとき、「これまでの苦労はなんだったんだ」という嘆きと楽すぎる驚きで思わず声が出ました。16:9で撮影した動画の縦長への再編集に挑戦したことがある人はわかると思うのですが、左右の構図を使った横素材を縦に切りとるのは、被写体が見切れないよう何度も位置を調整する必要があり、手間も時間もかかる大変な作業です。

その作業がワンタッチできて、しかも構図や被写体の動きに応じてカメラマンのように追従までしていい感じに仕上げてくれるのはすごいとしか言いようがありません。

上記は実際に、TikTok用に動画を1分以内にまとめたものです。冒頭の具材一覧の映像のみ左から右へスライドをする調整を入れましたが、そこ以外は何もいじっていません。オートリフレームをした後に、入れない箇所を切りとっただけです。

このように、オートリフレームを使えばYouTube用に編集した16:9の動画を、Instagram用に正方形、TikTok用に縦にするのもすぐにできます。複数のソーシャルメディアでオーディエンスを増やしたかったり、最適化しないと見づらいけれど手間が……と一本の動画を使い回している方にはとにかく使って欲しい機能です。

色味を自動で合わせてくれる「カラーマッチ」

カラーマッチとは:

Adobe SenseiのAIで、動画の色味を自動で統一してくれる機能。カメラや光源の違う場所で撮った素材、ソースの違う素材でも、望みの色味にワンタッチで調整できる。

カラーマッチの使い方:

カラーマッチは、上部にあるワークスペースから「カラー」を選びます。右横に「Lumetriカラー」が表示されるので、その中の「カラーホイールとカラーマッチ」をクリック。その後、比較表示ボタンを押して、左に適用したい色味の素材、右側に修正したい色味の素材を並べて「一致を適用」押せば、自動で色味を仕上げてくれます。

サンプルの料理動画では、キッチンの照明が昼白色、リビングの照明は電球色と違う光源で撮った素材が混ざっているため、キッチンに色味を合わせています。また、後述するAdobe Stockから無料でダウンロードしてきた動画をオープニングに使っているので、その色味合わせにもカラーマッチを使用。どちらも瞬時に調整してくれました。ストック素材そのままでは明らかに色味が違って違和感を感じてしまうシーンも雰囲気を統一できます。

スマホや一眼レフカメラの素材を組み合わせて動画を使ったり、光源が違う素材を組み合わせることはよくあります。そんなときに色味を調整したり、望みどおりの効果を狙うのは素人には難題ですが、Adobe SenseiのAIに頼れば一瞬。動画全体の雰囲気が統一されてクオリティが一段アップするので、今まで気にしていなかった人も使ってみてほしいなと思います。

瞬時に音量調整ができる「ノイズを軽減」「自動ダッキング」

ノイズを軽減とは:

簡単な操作でオーディオを最適化するエッセンシャルサウンドパネルを使った機能。会話や音楽など必要な音のタイプを選ぶことで、ノイズや雑音を瞬時に消してくれる

ノイズを軽減の使い方:

ノイズ軽減は、上部にあるワークスペースから「オーディオ」を選びます。そうすると、右横に「エッセンシャルサウンド」が表示されるので、その中にある「会話」をクリック。その後、「修復」をクリックして、「ノイズを軽減」にチェックを入れれば、自動でノイズや雑音を消してくれます。

ノイズや雑音は動画の天敵です。でも、Premiere Proの「ノイズを軽減」を使えば大抵のノイズや雑音は消してくれます。上は換気扇をつけて喋った動画。前半はノイズ処理なしの音、後半はノイズを軽減を使った音です。

換気扇の音がほぼ消えていることにびっくりしませんか?調整済みのほうだけ聞いた方は、換気扇がついていることに気付かないと思います。ノイズを軽減は換気扇のほかにも、外撮りの時に街の騒音が気になったり、レストランなどで会話を録りたいけれど周りはガヤガヤとうるさい場合でも、 このレベルのノイズ処理を瞬時に行ってくれるのがPremiere Proの「ノイズを軽減」です。

自動ダッキングとは:

会話中はBGMを下げるなど、トラックごとの音量調節を自動化する機能。Adobe SenseiのAIで会話など必要な部分を認識して、音楽や背景音を自動で調整してくれる。

自動ダッキングの使い方:

自動ダッキングは、上部にあるワークスペースから「オーディオ」を選びます。そうすると、右横に「エッセンシャルサウンド」が表示されるので、その中にある「音楽」をクリック。その後、「ダッキング」にチェックを入れて「キーフレームを作成」押せば、会話部分をAdobe Senseiが判断し自動でBGMのボリュームを下げてくれます。

上記の動画は、わかりやすく会話と会話部分がないものをつなぎ合わせた動画です。自動ダッキングのみを使って処理しています。

動画にBGMを入れる場合、会話時に音量を下げるのはどの動画編集ソフトでもめんどくさいと思います。完成した動画にミスが見つかったり、新たに素材を加えたり、削除した場合はBGM調整をイチからやり直すこともあり、心が折れそうになることも。でも自動ダッキングを使えば、Adobe Senseiが自動で会話部分を判断してBGMのボリュームを下げてくれれます。

ノイズを軽減と自動ダッキングは、様々な動画で活用できる万能すぎる機能です。どちらも微調整もできるため、一度覚えれば日々の動画作りを助けてくれます。また「エッセンシャルサウンド」内には、会話のボリュームを平均的な音声のレベルに自動調整をしてくれる「自動一致」も。違う機材や環境で撮った素材でも聞き取りやすく調整してくれるので、動画が一段プロっぽい仕上がりになるおすすめの機能です。

高品質な無料素材が見つかる「Adobe Stock」

最後に紹介をするのは、画像や動画の素材を探せる「Adobe Stock」。Adobe Stockにはプロが撮影した画像や動画などが2億5000万点、無料で使える素材が7万8000点用意されています。毎週、約200万素材追加されているのも特徴です。

特徴は「料理」といった検索ワードのほかに、画像で検索もできること。麻婆豆腐の写真を入れてみると、上記のような検索結果が表示されました。

ここでもAdobe SenseiのAIによる画像認識で「被写体が同じで別構図の素材」「構図だけ同じで被写体は違う素材」「色味の近い素材」など高度な検索ができ、望みどおりの高品質素材を短時間で発見できます。

料理動画のオープニング映像はAdobe Stockの無料動画をつなぎ合わせてつくりました。4Kの無料動画も豊富に用意されているので、素材が足りないときに重宝しそうです。また、有料になりますが、音楽も用意されています。

まとめ

Adobe SenseiのAI機能を中心にPremiere Proの魅力を紹介しました。動画編集をしている方であれば、すぐに試してみたい機能があったのではないでしょうか。

僕はAdobe Senseiの機能を活用しはじめてから、編集時間が短く楽になって、表現の幅も広がり、動画を撮るのが以前より楽しくなりました。時間にゆとりができてストレスも減るので、無料ソフトからのステップアップを考えている方、ソフトの乗り換えを検討している方はPremiere Proを検討されてはいかがでしょうか?

Premiere Pro以外にも、AIを活用したソフト、ここで紹介した機能の一部が使えるソフト等は有料・無料ともにあると思います。それでもPremiere Proを使っていて実感するのは、高品質なツールがオールインワンで揃っていることのありがたさ。複数のソフトを組み合わせる場合、それぞれ違う形式にあわせて書き出し・読み込みを繰り返して画質が劣化したり、後から遡って調整が難しいなど苦労することもありますが、Premiere Proならば安心してクオリティアップに時間を使えます。

Premiere Proには、この記事で紹介した以外にも便利な機能が豊富に用意されていますし、PhotoshopやAuditionなど他のAdobeソフト、モバイルアプリともシームレスに連携できるのも大きな魅力です。

なによりも、AIや機械学習といった技術が急速に進歩するなかで、Adobe Sensei を通じて最先端の機能にいち早く触れられること、自分の動画編集の効率化やクオリティアップを実感できることが、Premiere Proを使い続けたい理由です。

Premiere Pro の機能を使い倒して楽をして、お互いもっと動画を撮る時間を増やしましょう!