モトローラの「RAZR」シリーズといえば、スマートフォンの登場前に世界中を席巻したフィーチャーフォン。日本でもキャリアモデルが発売されたこともあり、折りたたみスタイルながらオリジナリティーのあるデザインが記憶に残っているユーザーも多いはずだ。

そのモトローラのRAZRシリーズが、往年のデザインを踏襲したフォーダブル(折りたたみ)スマートフォンとして2020年に復活。初代モデルは日本での発売は見送られたが、5G対応の最新モデル「motorola razr 5G」がついに日本市場へと投入された。

▲モトローラのフォーダブルスマートフォン「motorola razr 5G」

「motorola razr 5G」はハイミドルクラスな高性能プロセッサーのSnapdragon 765Gを搭載し、メモリーは8GB、ストレージは256GB。バッテリーは2800mAhで、同梱の15W TurboPower充電器を利用することで15Wの急速充電にも対応している。

注目ポイントはやはりディスプレイだ。サイズは6.2インチ(2142×876ドット)で有機ELパネルを採用しており、フォーダブルということで折りたたみ可能。さらに折りたたみ時に使用する2.7インチ(800×600ドット)のクイックビューディスプレイも搭載している。

▲折りたたんだ状態

ディスプレイを折りたためるフォーダブルスマートフォンが市場に登場して2年ほどたつが、そのクオリティーは驚くほど進化している。本機は筐体にメタル素材を採用しているほか、折りたたんだ状態を側面から見ると、ほぼ隙間なくピッタリと折りたたまれているなど、精巧な造りが高級感を演出している。

フォーダブルスマートフォンといえば『折りたためる』という見た目のインパクトが高い反面、これまではどちらかというとギーク向けという印象があったが、本機はプライベートだけでなく、ビジネスシーンでも違和感のないデザインとなっている。

▲折りたたんだ状態で側面を見ると、ピッタリと重ね合わさっている

▲開閉中のヒンジ部分

また、折り目の部分も開いた状態では目立たず、本体の下部が膨らんだデザインによって、重量バランスが下部に寄っているため、片手持ちの際には一般的なフラットの形状のスマートフォンよりも持ちやすい。

▲開いた状態は下部にバランスがあるので持ちやすい

本体背面には指紋認証センサーを搭載。指紋センサーにはモトローラのロゴ(Mマーク)がデザインされている。指紋によるロック解除はディスプレイの開閉にかかわらず利用可能だ。

▲慣れてくれば片手でもサッと開ける

▲背面の指紋認証センサーにはモトローラのブランドロゴがあしらわれている

折りたためるからこその便利さ

フォーダブルスマートフォンは登場時から「折りたためる利点がわからない」という声も聞こえてくるが、「motorola razr 5G」を使ってみると、そうした指摘は的外れだとわかる。

▲閉じた状態でもいろいろと使えるのがポイント

まず、折りたたんだ状態のサイズが秀逸だ。約72.6(W)×16(D)×91.7(H)mmとなっており、成人男性の手のひらほどの大きさとなるため、ジャケットやシャツの胸ポケットにもスッポリと収まる。最近のスマートフォンはディスプレイが大型化しており、カバンなどを持たないときに収納場所に困るが、「motorola razr 5G」ならそんな心配は無用だ。

▲ジャケットの胸ポケットに収納しても邪魔にならない

さらに、折りたたんだ状態でも通話可能。着信があった場合は、さっとポケットから取りだして、クイックビューディスプレイに表示される通話ボタンをタップするだけ。わざわざディスプレイを開くことなく通話できる。

▲通話も折りたたんだ状態で行える

また、SMSやメッセンジャーアプリの返信も閉じたまま行える。クイックビューディスプレイにソフトウェアキーボードが表示され、テキストを入力できる。さすがに長文を表示するスペースはないため簡単な文章での返信がメインとなるが、それでもディスプレイを開く必要はない。

▲テキストの入力も折りたたんだままできるので、メッセージの返信も可能

そのほか、音楽の再生中は、曲送りなどの操作が可能。おサイフケータイ(FeliCa)には対応していないが、スマホ決済サービスのQRコードやバーコードをクイックビューディスプレイに表示できるので、閉じたまま決済できる点も便利だ。

▲コード決済サービスも閉じたまま利用可能

▲音楽プレーヤーも画面を開かずに操作でできる

背面カメラは4800万画素の/f1.7、かつ光学手ぶれ補正に対応するなど高スペックで、クイックビューディスプレイの下部に配置されている。折りたたんだ状態でカメラアプリを起動すれば、セルフィーも背面カメラと同等の高画質で撮影できる。特に光学式手ぶれ補正があるので、街歩きなどでのセルフィー動画の撮影にもぴったりだ。

▲メインカメラは4800万画素/f1.7

▲光学手ぶれ補正が使えるので、YouTubeでおなじみの歩きながらのセルフィー動画撮影にもピッタリ

そのほかに、折りたたんだ状態で使うメリットとして、バッテリーの消費を抑えられるポイントもある。スマートフォンでは画面サイズが大きく、解像度が高いほどバッテリーを消費する。そのため、小型のクイックビューディスプレイを使うぶんにはあまり電力は消費しないので、そのぶん充電せずに長時間使用できるというわけだ。

開けば大画面で楽しめる魅力

もちろん「motorola razr 5G」は、開いた状態でも魅力的なポイントが多い。6インチオーバーの大型ディスプレイで、アスペクト比は21:9となっており、比率の近いシネスコサイズの映画などはほぼフル画面で表示される。さらに開いた状態で動画などを楽しむときに、下部の膨らんだベゼルをグリップのようにして持てるので、画面が指で隠れないのもうれしい。

▲動画視聴時は下部のベゼルをグリップがわりに持てる

また、縦長のアスペクト比(画面の縦横比率)なので、縦持ちで使用すると、SNSやニュースサイトなどの閲覧時に表示範囲が広くなり情報を把握しやすい。ソフトウェアキーボードを表示しても十分な表示スペースがあるため、テキストの入力もしやすくなっている。

▲表示領域が広いので、ソフトウェアキーボードを表示しても十分な表示スペースがある

さらに、画面分割をしても十分な表示領域が確保されているので、ふたつのアプリを同時に起動して作業するのにも向いている。

▲画面分割も効果的に使える

これらの使い勝手の良さは、やはり大画面ならでは。持ち運びやすくバッテリー消費の少ない折りたたんだ状態でも様々な機能が利用でき、開いた状態では一般的な大画面のスマートフォンと同じ利点が享受できる。この2面性がまさに「motorola razr 5G」の最大の魅力だ。

モトローラならではの便利な機能も多数搭載

モトローラはこれまでにも多数のスマートフォンを発売しており、オリジナルの機能も多数開発されている。「motorola razr 5G」もそれら機能を搭載しており、なかでも人気の機能が「Motoアクション」だ。

Motoアクションは、本体を手に持った状態で、画面をタッチせずに操作できる機能だ。たとえば、手に持った状態で手首を2回ひねるとカメラアプリが起動し、2回振るとLEDライトが点灯・消灯するといった具合だ。

▲2回振るとLEDライトが点灯・消灯

そのほか、画面を下向きにすると消音モードになったり、画面を三本指でタッチするだけでスクリーンショットが撮影できたりと、全8つのアクションが用意されている。それぞれのアクションはユーザーがオン・オフの設定もできる。

▲三本指でタッチするだけで、スクリーンショットが撮れる

▲全部で8つのアクションが用意されている

Motoアクション以外にも、画面を観ているときはディスプレイをスリープにしないなどといった形で、画面表示を最適化する「Motoディスプレイ」や、ゲームに集中できるよう通知を非表示にできる「Motoゲームタイム」といったオリジナル機能も搭載。ユーザーの使い方に合わせたカスタマイズが可能だ。

▲ゲームや動画視聴中に集中して見たいときは「Motoゲームタイム」がオススメ

SIMフリー版は「eSIM」対応で携帯キャリアの乗り換えも楽

「motorola razr 5G」はキャリアモデルとしてソフトバンクから発売されるモデルと、SIMフリーモデルがある。基本的なスペックは同じだが、SIMフリーモデルは、物理SIMとeSIMを組み合わせたデュアルSIMに対応する。

eSIMは携帯キャリアにもよるが、QRコードを読み取るだけで、そのキャリアの携帯回線を契約できるなどの手軽さがある。最近はMNOの新プランやMVNOでもeSIMに対応し始めており、申し込み後すぐに使用できるようになるため、通信キャリアやプランをいろいろと変更して使いたいユーザーにもオススメだ。

▲SIMフリーモデルは、eSIMとのデュアル仕様

単に「ディスプレイを折りたためる」だけでなく、折りたたんだ状態でも使えるシーンが多い「motorola razr 5G」。高級感と実用性を高いレベルで兼ね備えた、スマートフォンの新時代を感じさせる傑作機と言える。

▲Engadget編集部製品レビュー動画