Credits: JunoCam Image data: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS; JunoCam Image processing by Kevin M. Gill (CC BY); Earth Image: NASA
Credits: JunoCam Image data: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS; JunoCam Image processing by Kevin M. Gill (CC BY); Earth Image: NASA

木星を周回している、NASAのジュノー探査機による観測データから、巨大ガス惑星の特徴的な大赤斑の内部構造が明らかにされています。

ジュノーは2016年に木星軌道に入り、これまでに37回の接近観測を実施。そのたびに専用の観測機器で木星の厚い雲の下を探ってきました。観測機器のひとつマイクロ波放射計(MWR)は、その雲の下を覗きこみ、渦巻く嵐の構造を調べることができます。

木星には無数の渦模様がありますが、その最も大きなものは、言うまでもなく大赤斑です。この、いまから約200年前に発見された巨大な高気圧エリアは地球がすっぽりと収まるほどの面積があります。しかしこれが木星の大気の表面だけに見られるものなのか、それとも厚い大気の奥底まで続いているのかは、研究者たちにもわかっていませんでした。

今回の研究では、ジュノーが得たデータから大赤斑の内部の構造についてかなり正確に把握できたと報告されています。ジュノーは大赤斑の深さを知るためにその重力場を測定しました。大赤斑は非常に巨大な嵐であるため、そこに生じるわずかな重力の乱れを検出することで、その深さを推定できるのだそう。そうして得られたデータを分析した結果、その深さは少なくとも300km、深くて500kmということがわかったとのこと。

地球がすっぽり入るほどの表面の大きさに比べると、深さが500kmしかないのは非常に浅いようにも思えます。しかし500kmといえば、地球から上空を見た高度で言えば国際宇宙ステーション(ISS)よりもはるか上空になります。

大赤斑の深さがわかると、新たな謎も生まれました。まず大赤斑の深さは、周囲のジェット気流の深さ約3000kmに比べると浅いものであり、なぜそのようになっているのか、研究社らは首をかしげています。NASA JPLジュノー科学チームのMarzia Parisi氏は「深さ500kmあたりで何らかの現象があり、それが大赤斑を弱めている」と考えているとのこと。

まだまだ木星の大気の奥深くで何が起こっているか、解明されていないことがたくさんあります。それでもジュノーの観測のおかげで、大赤斑の全体像をこれまでよりもはるかに詳しく知ることができました。Parisi氏は「研究者の一部は大赤斑の深さは数十kmほどしかないと考えていました。また一方では、その渦は理論的には木星の核まで通じていると予想する人もいました」と述べています。

ちなみに、NASAはジュノー探査機の運用を当初は2021年7月までとしていました。しかし現在は最長で2025年まで運用を継続することになっています。

Source:NASA

via:The Verge