新LAVIE Pro Mobileレビュー。抜群の「手馴染み」がさらに強化、キーボードはオンリーワン的完成度

開発コードの「プリキュア疑惑」についても聞いてみました

橋本 新義(Shingi Hashimoto)
橋本 新義(Shingi Hashimoto)
2020年06月16日, 午前 11:01 in NEC
0シェア
FacebookTwitter
LAVIE Pro Mobile 2nd

6月16日、NECパーソナルコンピュータ(NEC PC)が2020年夏の新製品として、13.3型画面採用の軽量モバイルノートPC『LAVIE Pro Mobile』第2世代モデルを発表しました。

特徴は、初代の特徴や美点――軽さと堅牢性、バッテリー駆動時間とのバランスに配慮した設計や、テレビ会議用にマイクやスピーカーの音響・音場特性をチューニングする「ミーティング機能」など――を保ちつつ、USB Type-C端子の映像出力対応など、基本性能面での弱点を強化した点。

また、画面ののぞき見を防止する『LAVIEプライバシーガード』機能など、モバイルで使う際の安心度を向上させる機能も新しく搭載。基本的な外観は昨年5月に発表された初代機を踏襲しているため、パッと見では小変更に見えますが、実は筐体構造から一新した大変更が施されています。

今回は、店頭販売仕様の上位モデル『PM950/SA』の試作機を、1週間ほど使い込んでみたレビューをお届けします。なお合わせて、一部で話題となりそうな「初代から開発コードを繋げると『響と奏』となり、あのプリキュアが連想される」話も、NEC PC側に聞いてみました(後述)。


初代の美点「手馴染みの良さ」をさらに強化

LAVIE Pro Mobile 2nd
▲外観デザインはフラットかつシンプル路線。初代機と共通なため、ぱっと見では変わらないと感じるやも

まずは、印象的だった箇所を中心に、筆者なりの結論から紹介しましょう。

感想としては、「決してパーフェクトではないものの、初代機から優秀だった『手馴染みの良さ』がさらに強化された、まさに正統派と呼べる2代目」といったところです。

この「手馴染みの良さ」という言葉に関しては説明が必要でしょう。これは言わば、「良い意味で緊張せず、意識せずに使えて、使い慣れていくと手放せなくなる」というニュアンスです。

言わば(好きな人にとっての)馴染みの立ち食い蕎麦店や、大手チェーン店の牛丼といった、知らず知らずのうちにクセになっているタイプの美味しさのような美点です。

LAVIE Pro Mobile 2nd
▲左側面にはUSB Type-Cが2基とマイクロSDカードスロットが。なおACアダプタは、左側(本体の奥側)のType-C端子接続時のみ有効となります

しかし一方で、イマドキのNEC PCの高級機だけあって、没個性的なモデルというわけではありません。例えばフル機能を備えながら900g以下といった軽さ(初代に比べると若干重くなりましたが)や、直販モデルでの5Gモデムオプション(10月導入予定)など、しっかりと尖ったところも盛り込まれています。

LAVIE Pro Mobile 2nd
▲キーボードレイアウトは初代を踏襲。ですがキートップなどは初代より拡大しています
Engadget Japan

そして特筆したいのがキーボード。昨今のモバイルノートPCでは非常に珍しいクリック感の強さに加え、仕様としても初代機よりもキーストロークを深く(長く)するなど、昨今のトレンドとなりつつある“薄さ優先が行きすぎたキーボードからの揺り戻し”的な設計の先取りも見られます。

結果として、初代機から印象を大きく変更し、クリック感強めなキーボードならではの、リズミカルなタイピングが可能な仕上がりとなっています。正直、ここ最近のモバイルノートでこんな打鍵が味わえるとは思いませんでした。ライバル機も含めて、昨今ではオンリーワンと呼んでもいいほどの打鍵感です。

LAVIE Pro Mobile 2nd
▲1kg以下のノートでは比較的珍しい、液晶(天板)面が180度開く仕様。様々な設置パターンで使えるため、意外と便利な機能です

道具としての製品の良さを表現する定型的なフレーズに「一見すると地味なので、最初の印象はパッとしなくとも、使っているうちに手に馴染み、良さがわかると手放せなくなる」というものがありますが、1週間使った新PC LAVIE Pro Mobileは筆者にとって、そうしたフレーズがふさわしい存在ともなっていました。

関連記事:

最軽量を返上し、使い勝手重視に。NECが新モバイルPC LAVIE Pro Mobile発表(2019年5月)

『エモい』とは真逆の大人ノートPC──LAVIE Pro Mobile実機レビュー(2019年5月)


試用機は店頭向け最上位モデル

LAVIE Pro Mobile 2nd
▲デザイン上のワンポイントとなるのがモデル銘板。なんと本体奥側にあるため、普段使いでは見えない設計。ある意味で、本機のデザインを象徴する箇所でもあります

さて、改めて本機を見ていきましょう。まず大枠としては「13.3インチ、フルHD解像度の液晶と、TDP 15W版(Uシリーズ)Core iを搭載し、GPUはCPUの内蔵タイプ、ストレージとしてNVMe SSDを採用した、1kg以下の高級モバイルノート」といったクラスに属します。

今回試用したモデルは、店頭向けモデルの最上位となる『PM950/SA』。

CPUにはインテルの『Core i7-10510U』(4コア8スレッド、基本クロック1.8GHz、ターボ時最高4.9GHz)を搭載し、RAMは16GB(デュアルチャンネル)を、SSDはPCI Express接続/NVMe版の512GBを配します。

そして大きな特徴は液晶パネルで、プライバシーフィルタ(視野角制限)機能を搭載。有効化することで、左右視野角を40度まで狭めます。店頭モデルではPM950(つまり最上位グレード)のみの装備です。

LAVIE Pro Mobile 2nd
▲ネイビーブルーは青系でもかなり濃いめの色。良い意味で目立ちすぎない印象もあります

そして本体カラーは今回のイチオシとなる『ネイビーブルー』。1月に発表された高級ノートPC『LAVIE VEGA』からLAVIEシリーズの新しいメインカラー的な位置づけとなった、深めの青です。

また、他の本体色としては、初代機でイチオシだった赤茶系『クラシックボルドー』、金系『フレアゴールド』、そして直販で選べる黒系『メテオグレー』がありますが、ネイビーブルーのみ本体外装に手触りをスムーズにする「ソフトフィール仕上げ」がなされています。

重量は約955gで、バッテリー駆動時間はJEITA 2.0測定で約20時間(なお、他のグレードでは約889g、約24時間となります)。なお、直販モデルでは、小容量バッテリーによる約842gの軽量構成も選択可能です。

さて、ここで気になる、初代と比べた場合の強化点について見ていきましょう(実際に使ってみると、ともすればキーボードの改良が一番大きいのですが)。

まずは重量増とバッテリー駆動時間の延長です。実はPM950はプライバシーフィルタ付き液晶の採用などで重量が増加しましたが、より下位のグレードの889gという値も、初代に比べると約52g増加しているのです。

その代わり、バッテリー駆動時間はそれ以上の伸びに。24時間という値は、初代比で(公称ベースとはいえ)約4時間の延長となっているのです。

実はLAVIE Pro Mobileは初代の時点で、前身となったLAVIE Hybrid ZEROシリーズと比べて、今回と同じように重量増の代わりに駆動時間がが増しています。こうした点を踏まえると、今回も「単なる軽さだけではなく、実用性とのバランスが重要」という前提に立ったモデルとなっているわけです。

また、本体外装の素材も変化。初代では天面だけに採用されていた、積層構造のカーボンファイバーを底面にも採用し剛性を強化しています。

セキュリティ機能としては、Windows Hello対応の顔認証機能を搭載。初代機では指紋認証だったため、ここも改良点です。


近くの人からの視線を「自動でガード」

LAVIE Pro Mobile 2nd
▲LAVIEプライバシーガードの有効化は、Fn+F12キーか、設定アプリ『LAVIEかんたん設定』から行ないます

さて、PM950/SAのみに搭載された大きな特徴が『LAVIEプライバシーガード』機能です。これは、使用者以外の人による左右からの覗き込みを顔認証カメラを活用して検知し、自動で液晶の視野角を制限する(プライバシーフィルター機能を有効化する)ことで、のぞき見を防ぐというもの。

なお他のグレードでは、液晶側に視野角制限はありませんが、画面をぼかすことでのぞき見を防ぐ設定が可能です(ただしこちらの場合は、当然ながら使っているユーザーも巻き込まれるため、動作時は自分も使えなくなります)。

さらにより“軽い”機能として、覗き込みを検知した時点で、画面内にアラートを表示する『LAVIEプライバシーアラート』も備えます。

LAVIE Pro Mobile 2nd
▲レノボとNEC PCのコラボで見逃せないのが、現行『LAVIEかんたん設定』のバッテリー管理画面。……ThinkPadユーザーであれば親の顔より見た「あの画面」なのです

なおこれらの機能は、『Glance by Mirametrix』というアプリが制御していますが、同アプリはレノボのThinkPad(の高級機)やYogaシリーズでも導入されているもの。つまり見方によっては、NEC PCとレノボのコラボ度合が進んでいる証左でもあるわけです。

そしてGlanceには、顔認証による自動ロックと解除機能『スマートロック』や、マルチディスプレイ時に視線によってウィンドウやマウスカーソルを移動する機能もありますが、こうした機能も(もちろん)使用可能です。

今回プライバシーガードを試してみましたが、他の人がカメラに近づくとプライバシーフィルタが自動でオンになるのは、ちょっとした感動がありました。

本機の視野角制限はは斜め方向から見た状態を暗くする(=スマートフォンの同種機能のように、特定の模様が掛かるタイプではない)タイプであり、正面から見ている状態でも若干影響を受けてしまうこともあり、むしろ「必要のない状況では自動的に視野角制限が無効になってくれる」ところにメリットがある、と感じた次第です。


好評のミーティング機能はマイクが強化

LAVIE Pro Mobile 2nd
▲ミーティング機能は、Fn+F5キーからいつでも呼び出し可能。3つのモードから選択ができます

本機の特徴的な機能のもう一つが、初代でユーザーからの評価が高かった『ミーティング機能』です。これはテレビ会議や電話会議の際、本体に搭載されたマイクやスピーカーの動作モードを「会議向き」に設定し、自分や相手に聞きやすい音声を届けるというもの。

ポイントとしては、1人で使う際の「パーソナル会議モード」と、複数ユーザーが参加する際の「マルチユーザー会議モード」の双方が選べる点が挙げられます。とくに後者は、例え本体裏面に回っても、スピーカーから出る相手の声が聞きやすくなることから、電話/テレビ会議用のスピーカーに近い使い勝手が得られます。

これは実際に体験すると驚くほどの効果があるため、可能であればぜひ一度チェックしてほしいところです。

また、この機能はFn+F5キーから手軽に呼び出せる点もミソ。専用メニューがオーバーレイ表示されるため、モード切替などがパッと行えます。

実はこの機能も、世代交代によって機能が強化されました。それはマイクに対して「ノイズサプレッサ」と「ルームエコー抑制」が導入されたこと。

これらは「自分の話をより相手に聞き取りやすくする」ための機能で、前者は発話時の周囲のノイズを抑制し、後者は部屋によって発生する残響を抑制します。

こちらも実際に試してみましたが、専用キーを使うことでパッと切り替えられる点や、マルチユーザー会議モードの“効き方”などは抜群。同種の機能は他メーカーのPCではほぼ見ないだけに、テレワークで使うユーザーにはぜひ注目してほしい(そしてそれに値する)機能です。


キーピッチやストロークのレベルで改良されたキーボード

LAVIE Pro Mobile 2nd
▲キーボード部の左右幅拡大に対して本体幅は初代とほぼ変わらないため、キーの左右端は本体のギリギリに

さらにさらに。初代からの改良という点では、冒頭で紹介したキーボードの改良も見どころです。

実は第2世代のキーボードは、全体の左右幅やキーピッチといった寸法からして初代から改良が加わったもの。ピッチはいわゆるフルサイズとなる19.05mmとなり、初代の18.45mmからわずかながら拡大。全体としては、左右幅が18mm拡大しています。

さらにキーストロークは1.5mmと、初代の1.2mmから1.25倍の深さに。他メーカーのモバイルノートPCと比べても長いストロークとなっています。

LAVIE Pro Mobile 2nd
▲タッチパッドも大型化により操作感が向上。手前側にあるクリックボタン(パッド一体型ですが)のクリック感も良好です

タッチパッドも、初代に比べて幅を9.6mm増やし、約10%大型化。一方で初代で評価の高かった、キーボードと合わせての静音設計も引き継ぎます。

冒頭で紹介したように、筆者にとって本機のキーボードは非常に使いやすいものでしたが、その要因となっている一因は、間違いなくストロークの増加にあります。ここも可能であれば、実機で触れて試してほしいところ(とくにクリック感の面白さは、ぜひ)。

LAVIE Pro Mobile 2nd
▲新ACアダプタは65W出力ながら、本体は手のひらに載るサイズに。端子はもちろんUSB Type-Cです

この他にも初代機からの改良点は、冒頭で紹介したUSB Type-Cからの映像出力(DisplayPort Alt Mode)対応や、付属ACアダプタが新設計の小型65Wタイプとなった点、そして電源制御ではモダンスタンバイに対応した点など、細かな点を入れると非常に多岐に渡るもの。

もちろん、CPUの世代交代などによる基本性能の強化や速度向上といった点も、初代からの強化点に含まれます。


弱点を上回るオンリーワンの魅力

LAVIE Pro Mobile 2nd
▲本体を閉じた状態でもやはり外観はシンプル。シックな場にも合います

さて最後に、基本性能について。実はいくつかのベンチマークも測定したのですが、今回の試用機は「UFEI(BIOS)レベルでチューニング中」という、試作段階でもかなり早期の仕様と思われる個体だったため、全体的な傾向のみの紹介とします。

大枠でまとめると、突出して速いPCではないことから、性能としては(少なくとも試用機では)少し控えめな水準。しかし、モバイルノートPCの中でも軽量である点を考えると、そつなくまとめている……といったところ。

昨今のCPUは、いわゆるターボ時の性能に依存度が上がっていることから、同じCPUでも冷却機構とマザーボードの電源部の性能により比較的大きく性能が変わるようになってきています。

本機の場合、本体の重量との兼ね合いなどもあり、冷却機構もモバイルノートPCとしての水準である……といった点などからこうした傾向になっているものと思われます。

むしろ実用面で気になったのは、プライバシーフィルタの搭載の関連からか、液晶の色域や視野角がフィルタ無効時でも比較的狭い(そして、記憶にある初代機よりも狭め)か? と感じられたところ。このあたりは官能評価的要素が大きい要素ですが、個人的にも発売後は、店頭などで再チェックしてみたいところと感じました。

また、軽さと堅牢性を優先したことでやむを得ないところはあるのでしょうが、昨今の視点では画面上下方向のベゼルが割と太めに見えてしまう点も、惜しいところ。

左右がしっかりと細い点、そしてキーボード面側がシンプルなデザインになっている点もあり、これで上下も細ければさらにデザインが締まったのだろうな……と思ってしまいます。

LAVIE Pro Mobile 2nd
▲底面側のベゼルは親指ほどの幅と、昨今の基準から見ると残念ながら太め。可能であればこのあたりも改良を望みたかったところ

このように(当然ながら)弱点も多々ある本モデルですが、総じて見ると、「弱点を上回るほど魅力が勝る」タイプの王道を行くタイプのノートPCでした。

本機に関してはその「魅力」が、トータルバランスや使い勝手といった数値で表現しにくいところにありますが、裏を返せば、そうした評価軸の重要性を身をもって体験しているモバイルノートのヘビーユーザーには、非常に深く刺さる存在でもあります。

それゆえに気になった方は、ぜひ一度と言わず数度店頭などで触れてみてほしいところです。


開発コードはあのプリキュア!?

さて最後に、冒頭で紹介した開発コードに関して紹介しましょう。改めて紹介しますが、初代LAVIE Pro Mobileは『Hibiki』(ひびき:響)でした。これは「感性に響くような製品を作りたい」という想いから、とのこと。

そして今回の第2世代が『Kanade』(かなで:奏)なのですが、実はこの2つの名前、アニメ『スイートプリキュア』の(初期)主人公2人と同じなのです。

筆者に言わせれば、「『響』の次が『奏』とか、いくらなんでも出来すぎなのでは……?」と疑う事案だったため、NEC PC側に聞いてみました。

……が、いただいたコメントは、やはりというか「偶然です」とのこと。ただし合わせて、「実はその話は、開発会議でも話題に出ました」とのコメントもいただけました。やはり(?)開発陣でも気になる方はいたようです。

なお、『奏』の由来に関しては、初代の「感性に響くような製品」という点を踏まえて、「美しい音楽を奏でる楽器のような製品を作りたい」という思いが込められているとのことでした。

関連リンク:NEC

TechCrunch 注目記事新型コロナのソーシャルディスタンスを支援するビデオチャットアプリ8選

 

新型コロナウイルス 関連アップデート[TechCrunch]

 

関連キーワード: NEC, LAVIE Pro Mobile, nec pc, note pc, Windows 10, personal computing, lavie, news, gear
0シェア
FacebookTwitter

Sponsored Contents