▲GIGAデバイスの利活用を目指す4社協業の記者発表会にて。右から、カシオ計算機 常務執行役員 教育BU 事業部長 太田伸司氏、レノボ・ジャパン 代表取締役社長 デビット・ベネット氏、東京書籍 取締役 教育文化総轄本部長 長谷部直人氏、滋賀大学 データサイエンス学部長 教授 竹村彰通氏

レノボが2つのICT活用の教育コンテンツを発表!

現在、国をあげて行っている平成の教育改革「GIGAスクール構想」によって、全国の小中学校に「1人1台」のコンピュータが整備されつつあります。そして、次の課題となるのが、そのコンピュータをいかに学校現場や家庭で活用していくかということです。

そんななか、レノボ・ジャパンは教育現場でのICT活用について2つの大きな発表を行いました。

1つめが、教科書会社の老舗である東京書籍と共同開発し、プログラミングやコンピュータについて学ぶことができる教材「みんなでプログラミング」です。

▲小学校から中学・高校まで学べる「みんなでプログラミング」

そして、2つめがカシオ計算機との協業によるクラウド型学習サービス「ClassPad.net for Lenovo」です。

▲電子辞書や関数電卓で実績をもつカシオが開発した「ClassPad.net」を低価格で提供

「1人1台」時代の学校でのICT利活用に必要な3つの条件

7月にオンラインで行われた記者発表会において、レノボ・ジャパン代表取締役社長のデビット・ベネット氏は「GIGAスクール構想における学校現場での課題でもっとも問題なのは、あまり使われていないこと。利活用されなければ、コンピュータはただの箱、文鎮になってしまう」として、「1人1台」のGIGAデバイスを有効に使うための3つの必要条件を挙げました。

▲「1人1台」のGIGAデバイスを利活用していくのに必要な3つの条件

デビット・ベネット氏は、「『みんなでプログラミング』『ClassPad.net for Lenovo』の2つのソリューションによって、先生の負担が少なくなり、GIGAデバイスが使われることを期待している」とし、「IT企業が持つテクノロジーを、すべての子どもたちのために提供していく」と話しました。

発表会では、各コンテンツの紹介もありましたので、順に内容を紹介していきます。

小学校から高校まで学べる「みんなでプログラミング」

「みんなでプログラミング」は、レノボと東京書籍が共同開発した学校向けプログラミング教材です。

これまで小学校向けに無償提供していましたが、今回、新たに中学・高校生のカリキュラムなどを拡充した有償版が発表されました。さらに、家庭でも低価格で利用できる個人向けライセンスの販売も予定されているとのことです。

▲「みんなでプログラミング」の5つの特長。ブラウザベースのため、端末を選ばず使うことができます

有償版には「クリエイティブ&コミュニケーション」機能やデジタル・シティズンシップ教育のほか、中学・高校に対応したコンテンツも追加され、小学校から高校までのワンパッケージとなっています。小中学校向けの「バーチャルスクール」、高校向けの「バーチャルスクールNEXTDOOR」があり、学年に応じたナビゲーションキャラクターが用意されています。

「小学校から高校まで同じプラットフォームで継続的に学んでいけるコンテンツに仕上げたいとして開発した」と、レノボ・ジャパン 教育ビジネス開発部 マネージャーの山崎健氏は、開発の経緯を話しました。

また、扱うプログラミングとしては、小中学校ではビジュアルプログラミング、高校ではテキスト言語のPythonを学びます。高校向けのデータサイエンス教材などについては、滋賀大学の協力により、同大学のデータサイエンス学部長である竹村彰通教授が監修を行っています。

▲「みんなでプログラミング」。小中学校向けには、プログラミングのほか、タイピングやデータ分析、情報モラルなどのコンテンツも用意されています
▲高校向けコンテンツ。コンピュータの仕組みのほか、アルゴリズムの効率性なども学ぶことができます
▲先生向けの機能。クラス全体の管理だけでなく、児童生徒一人ひとりの進行状況・理解度が見られる機能など、先生の負担を軽減する様々な管理機能が搭載されています

また、あらかじめ用意されているプログラミングのコースが終わってしまった場合、先生がオリジナルの問題を作成することもできます。そして作った問題は「共有ステージ」で全国の学校で共有して、お互いに問題を活用することも可能になっています。

「みんなでプログラミング」有償版は、9月27日より学校向けに販売が開始され、11月下旬以降に個人向けの提供も開始されるとのこと。価格は、学校向けは1年ライセンスが1IDにつき2376円、個人向けライセンスは月額396円と、かなり利用しやすい金額に抑えられています。

家庭で「ちょっとプログラミングをやってみたい……」と思ったときに、月額単位であれば気軽に始めることができそうです。プログラミング以外にもAIやタイピング、データ分析、情報モラルと、これからICTを活用していくうえで知っておきたいコンテンツがそろっています。

▲「みんなでプログラミング」の価格。学校向けには、1年ライセンスのほか、3年/5年ライセンスも用意されています。

共同開発を行った東京書籍 取締役 教育文化総轄本部長の長谷部直人氏は、「最大の特長は、小学校から高校までのプログラミング授業を一環してカバーしている点。これはとても重要で、小中高のすべての教科書を発行している東京書籍が監修を行った意味は大きいと考えている」と話しました。

今後、レノボ・ジャパンはCSR活動の一環として、プログラミングの無料教室も予定しています。対象となるのは全国の学校や図書館で、要望に応じて順次開催していくとのことです。

カシオの電子辞書や関数電卓も使える「ClassPad.net for Lenovo」

「ClassPad.net for Lenovo」は、カシオ計算機の総合学習プラットフォーム「ClassPad.net」の機能を限定し低価格にすることで、学校が導入しやすいサービスを目指しています。記者発表会ではカシオ計算機の常務執行役員 教育BU 事業部長である太田伸司氏が登壇し、「ClassPad.net for Lenovo」の概要を解説しました。

カシオ計算機は、高校生の定番となっている電子辞書『EX-word』のほか、関数電卓でも国内シェアトップを誇っています。「その技術力と教育におけるノウハウを生かし、日本における急速な教育現場のICT化に伴って『ClassPad.net』を開発、4月にリリースした」と太田氏は話しました。

▲4月にリリースした「ClassPad.net」。高校で使用頻度の高い辞書をはじめとした22コンテンツのほか、辞書と連動したデジタルノート機能なども備えています

太田氏は「ただすごいテクノロジーでは意味がない。これまでのノウハウを生かして、より充実した授業ができる、生徒の興味が高まる、先生の負担が減るなど教育現場に大きなメリットをもたらしたい。急速にICTが進む教育現場に、鉛筆やノートと同じくらい自然に使えるツールとなれるように開発を行っている」と開発の意気込みを語りました。

「ClassPad.net」はクラウド型のブラウザ上で使えるアプリケーションのため、学校だけでなく、自宅や通学中でもインターネットにつながればどこで利用かることができます。最大の特長は、電子辞書として信頼性の高い「EX-word」の機能がまるまる搭載されていることです。

また、デジタルノートの機能も搭載されているので、辞書で調べたり、ノートを取ったり、宿題を先生に提出したりすることが、すべてひとつのアプリ内で完結します。「デジタルノートは単なるノートとしても使えますが、調べた情報を比較共有したり、電子辞書の情報も貼り付けたりすることができます。使いながら、情報活用能力を身に付けていくことができるのも『ClassPad.net』の売りです」と太田氏は話します。

▲「ClassPad.net for Lenovo」の利用イメージ。こちらは、デジタノート。電子辞書や数学ツールが使えるなど、デジタルの利点が生かされています

ちなみに、「ClassPad.net」で先生からの反響が一番大きかった機能は「数学ツール」だったそうです。その理由について、「これまで、このような数学のデジタルツールが使われてなかったことが起因しているかもしれません。『ClassPad.net』によって、数学ツールをどんどん使ってもらえる機会を作りたい」と、太田氏は話しました。

▲「ClassPad.net for Lenovo」の利用イメージ。高校生からも支持の高い英和辞典の電子辞書「EX-word」と同じように使うことができます
▲「ClassPad.net for Lenovo」では、オンライン辞書機能を、英和辞典、和英辞典、国語辞典の3つに絞っています

「Classpad.net for Lenovo」は学校向けのプラットフォームですが、個人向けとしても、2021年秋以降に販売されるレノボのコンシューマーPCに「Classpad.net」の期間限定ライセンスがバンドルされる予定となっているそうです。

太田氏は、「コンピュータを導入して終わりではなく、使えるICTとして、定着を実現させたい。同じ志をもつレノボとともに、日本の教育に貢献したい」と教育への意気込みを語っていました。

様々なノウハウをもつ企業が協業し子どもたちの学びをサポート

GIGAスクール構想によって、日本の教育におけるICT活用は、ハードウェアの面では整いつつあります。しかし、一部の学校ではまだコンピュータ室にしか端末がない、「1人1台」はそろったけれど実際にはあまり使われていない……そのような問題が山積みです。

今回の発表では、「テクノロジーでより良い教育を実現する」と言う理念のもと、業種を越えた協業が実現しました。テクノロジーが必須となるこれからの時代、ICTをいかに有効に活用できるかというスキルが、子どもたちにも求められてきます。学校現場でこのようなコンテンツが続々と導入され、「使うICT」になることで、子どもたちがGIGAデバイスを使いこなし、デジタル活用能力を身に着けていくことを期待したいと思います。

▲レノボ・ジャパンが目指すICTの利活用