富士通クライアントコンピューティング(FCCL)が1月25日にオンラインで開催した、同社設立1000日を祝うイベント『FCCL DAY1000 Memorial Reception』。

本誌読者や筆者にとっては、次期超軽量PCとなる『LIFEBOOK UH』シリーズの次世代機の予告がなされた点、そして超小型PC『LOOX』シリーズ復活の伏線と思われる演出が仕込まれた点などが見どころとなっていますが、実はもう一つ注目できるであろう製品がチラ見せされていました。

それが、薄型モバイルキーボード『LIFEBOOK UH Keyboard』(仮称)。文字通り、現行LIFEBOOK UHシリーズのキーボードとタッチパッドのモジュールを使い、単体キーボードとして仕上げたモデルです。


このLIFEBOOK UH Keyboard(仮)は、同イベントにて、FCCL社長の齋藤邦彰氏が「今後はPC周辺機器にもさらに力を入れていく」旨の宣言をしている際、背景に映るという形で登場したもの(上記の動画では18分8秒付近から)。

左Ctrlキーの下にあるマーキングが『LIFEBOOK UH Keyboard』と読めることから、今回はこれを仮称として使っています(なお、UHシリーズでは『LIFEBOOK UH Series』というマーキングです)。

▲左Ctrlキー手前の印字は『LIFEBOOK UH Keyboard』に。なおこのカットでは、この印字を除くと(ノートPCの)UHシリーズと区別が付きません

こうした形のため直接の紹介はなかったのですが、このマーキングや外装の仕上げにおける完成度の高さ、さらには(画面に映っただけでも)レッドとブラックの2色展開といった点は、試作レベルを超えたものに見えます。

合わせて上述のように、齋藤社長が周辺機器に力を入れるといったタイミングで映った点などからも、製品化の可能性は非常に高そう……というよりは、既に決定しているようにさえ見えます。

ここで、このキーボードの見どころをチェックしてみます。最大の特徴は、モバイルキーボードとしては非常に貴重……というより、現行モデルではほとんど存在しない「ノートPCのキーレイアウトをそのまま使った、タッチパッドが手前側にあるモバイルキーボード」となっている点。

UHシリーズの配列がそのまま“移植”されているため、モバイルキーボードではありがちな特殊配列や幅狭キーはありません。またFMVシリーズの特徴である大きめの矢印キーをはじめ、[半角/全角]や[無変換][変換]といった日本語変換関連のキーも余裕を持った大きさで搭載します。

さらにタッチパッドも、一般的なノートPCと同じくスペースキーの手前に配置。実は単体キーボードでは、タッチパッド付きの機種はそれだけで激レア。加えてこうしたノートPC的な配置となっているモデルとなると、数えるぐらいしかありません。

キー配列は、確認できる範囲では日本語JIS準拠で、キー印字はカナなしタイプ。さらに、スペースキーの印字や側面が明るくなっている点(上側のブラックで顕著です)を考慮すると、キーボードバックライトも搭載されていると考えて間違いなさそうです。

▲レッドとブラックを見比べると、ベゼル(フレーム)の細さがわかります。バックライトを彩る、キー側面が透明になった『プリズムクリアキー』仕様も継承します

そして特筆すべきは、そのナローベゼル設計(キーボードでも使われる言葉です)。レッドとブラックを合わせてチェックすると四辺の周囲をほぼ確認できますが、フレームはキーボードユニットとタッチパッド+パームレスト部ギリギリとなっている点が伺えます。

モバイルキーボードでも、ここまでフレーム部が狭いモデルはなかなかありません。加えてタッチパッドの手前(下側)に配置されたボタンが、UHシリーズに比べて上下幅が狭くなっている点もポイント。このあたりでもコンパクト指向が見て取れます。

当然ながらこの設計は、底面積もコンパクトになり、また重量の点でも有利となるため、モバイルには向いたもの。

反面、剛性を保つことが難しくなることから、打鍵感の点では不利になりがち。実際の製品では、こうしたナローベゼル設計でのデメリットをどれだけ抑え込んでいるのかが注目ポイントの一つとなりそうです。


一方で、接続が無線か有線かといった点や、無線であれば独自仕様かBluetoothか、マルチペアリング対応か否か……といった点は、残念ながら判断できる材料がありません。

ただし今回公開された写真では、四辺にケーブルが映っていないこと、また底面側にケーブルを巻いて収納しておけるだけの厚さもなさそうなことから、有線だとしてもケーブル取り外し式となっている可能性は大きそうです。


さてこの製品、実はACCNこと矢崎編集長が、自身のTwitterなどで「押すなよ、押すなよ」ムーブをしていたモデルでもあります。詳細は上記ツイートにありますが、2020年3月の時点で反応が集まればひょっとするかも……といった旨で触れているというわけです。

なおここで紹介しているのは、富士通時代にタブレット機などのオプションとして用意されていたBluetoothキーボード『FMV-NKB4』。詳細は下記記事の末尾を参照してほしいのですが、同社製ノートPC配列ほぼそのまま(ただし幅狭キーがありました)でタッチパッドは小型ながら、しっかりと手前中央に搭載する、というモデルでした。

参考記事:富士通Arrows Tab QH実機インプレ(2014年10月)

このキーボードの時点で既に、配列の素直さや小さく薄いといったレアな特徴を備えていたのですが、現在となっては残念ながら設計が古くなっており、ちょっと使いにくいものとなっています。

今回のUH Keyboardは、言わばこのFMV-NKB4の進化系でもあるわけです。

▲齋藤社長のスピーチに合わせ、もう一つの周辺機器としてチラ見せされたのがこのディスプレイ。現行機種にはないデザインの、3辺ナローベゼル設計を採用するモデルです。こちらも興味深いところ

このようにLIFEBOOK UH Keyboardは、現在判明している「富士通ノートPCそのままの配列でタッチパッド付きとなる、コンパクトで薄型のキーボード」というだけでも、刺さるユーザーには非常に深く刺さるモデルとなっています。

果たしてキータッチがどうなのか、といった点をはじめ、まだまだ気になる点は多くありますが、そのあたりを含めて一刻も速く触ってみたいモデルであることは確か。

グループ企業であるレノボには小型キーボードとして、非常に根強いファンを抱えるヒットモデル『ThinkPad トラックポイント キーボード』シリーズがありますが、このUH Keyboardも、良い意味でそれと並ぶモデルとなる可能性もありそうです。

参考記事:ThinkPad TrackPoint Keyboard IIレビュー(2020年5月)

気が速いところではありますが、願わくば可能な限り早く、さらに言えばできる限り手頃な価格での発売をお願いしたいところです。

Source:公式YouTube(イベント動画)