iMac 2021 Rainbow

2021年4月21日(日本時間)に開催されたアップルのスペシャルイベント『Spring Loaded.』。その中でも注目となったモデルの1つが、Apple M1を搭載し、本体設計も一新した新型iMacです。

さて、この新iMacでの話題の一つとなっているのが、7色と多彩な本体カラーです。事前のウワサでは5色では? と言われていましたが、蓋を開けてみれば、なんとそれを超える数となりました。

ですが、実はこのカラバリ、歴戦のアップルファンの間では選択肢の多さとは別の観点で話題となっています。その理由が上の写真……というわけです。


▲公式プレゼン動画では、1999年モデルCMのリスペクトが。この場面で♪She's Like A Rainbow♪のメロディ(ザ・ローリング・ストーンズ『She's A Rainbow』)が流れるという方も多いのでは

ピンと来た方にはもはや出オチ感さえありますが、事情を知らない方に説明すると、最初の写真で左にある「6色に塗り分けられたアップルロゴ」は、アップルコンピューターが1977年から1998年まで使っていたバージョンです。

今回のM1 iMacのカラバリは、この6色+シルバー(現在の単色グレーのアップルロゴに通じる)の7色に見えます。さらに丁寧なことに(?)、アップル公式写真の順番も、6色ロゴに揃えられています。

その点も相まって、この時代のロゴを知っているユーザーの間では「これはひょっとして……?」と話題になったという流れです(余談ですが、このロゴはよく“レインボーカラー”とも表現されますが、実は6色だけです)。

さらに、実はこの6色アップルロゴは、近年になって復活の兆しがあるのでは? と、たびたびウワサになっていました。そうした話を知っているファンからすれば、今回のiMacのカラバリは一種の伏線なのでは? と思わせる動きでしょう。

こうした点も話題の後押しをしたというわけです。

参考記事:

今年中にレインボーロゴが復活?MacやiPhoneの一部に採用の可能性(2019年7月)

さらにカラーの名称も、こうした意味合いからか、「グリーン」「イエロー」「オレンジ」「ピンク」「パープル」「ブルー」「シルバー」と、昨今のアップル製品とは思えないほどシンプル。名称の点でもiPhoneなどとは一線を画しています。


なお今回のiMacにおいて、歴戦のユーザーに“刺さる”ポイントはこれだけではありません。

プレゼンで使われている画面の“Hello”の文字が、1998年に発売された初代モデル(iMac G3)の公式写真(上写真左)に通じるものとなっていたり、さらにはプレゼン動画で本体が回転しているシーンは1999年版iMacのCMを意識した動き……といった具合で、端々に歴代シリーズのリスペクトが施されたものとなっているのです。

こうした点から鑑みると、アップルにとって今世代のiMacは、デザインの一新やM1搭載という表面的な変更点以上に、歴史的に重要なモデルとして位置づけられている製品であろうとも想像できます。

そしてハードウェア側に視点を変えれば、先んじて発売されたM1搭載のMacBook AirとPro、Mac miniはおおまかな本体設計をインテルCPUモデルから流用していました。そのため今回のiMacは「M1への変更に合わせて本体設計の大変更が同時に行なわれた、初めてのモデル」でもあるのです。

こうした点も踏まえると、今回のM1 iMacはアップルにとって「iMacシリーズを初代から振り返ってリブートさせる」位置づけのモデルだとしても不思議ではない――と筆者は考えます。

ここまで紹介した過去へのリスペクトは、そうした気概の表れの一端なのやもしれません。


そして気概という点は、7色というカラバリの数からも見て取れます。というのもこれは、昨今のアップル製品として異例なまでの多さとなるため。

例えばiPhoneでカラーバリエーションが最も豊富なのはiPhone 11とXRですが、これら2モデルさえも6色でした。つまり今回のiMacは、iPhoneよりも本体色が多いのです。

なお、若干余談となりますが、事前のウワサでもカラバリは5色でした。言わば、色の豊富さは噂以上だった、ということにもなります。

▲「カラバリの多いiPhone」と言われて連想するであろうiPhone 11ですが、実はこの写真で背面側の6色。iMacのほうが1色多いのです。なおiPhone 12とminiは今回発表のパープルを入れて6色です

参考記事:

iPhone 11発表。デュアルカメラと6色ボディの「スマホ史上最速」モデル、XR後継

iPhone XRの日本価格は8万4800円から、予約開始は10月19日16時1分から

カラフルな新型iMacが20日のイベントで発表とのウワサ

「曲がりなりにもデスクトップPCの範疇に入る製品なのに、主力スマートフォンよりもカラーバリエーションが多い」と表現すると、実は凄いという点がお分かりいただけるのではないでしょうか。


このようにM1 iMacは、SoCにM1を搭載し、ナローベゼル画面を採用するといった最新仕様を満載しながらも、一方で本体カラーやプレゼンなどの端々から、過去のアップルとその製品へのリスペクトを感じさせるという、“過去と未来が交差する”ようなモデルとしても仕上がっています。

果たして実際にそれだけの気概に応じているモデルなのか――筆者個人としても、今から触れるのが楽しみです。

なお、今回の『Spring Loaded.』イベントで発表されたその他の製品や情報については、下記まとめ記事や、同記事からリンクされた各記事を参照ください。

参考記事:

5分でわかるAppleイベントまとめ。7色カラバリ新iMac、M1搭載iPad Pro、落とし物トラッカーAirTagなど