Parallels
Parallels/Corel

Mac向け仮想化アプリ会社であるParallelsは、M1チップ搭載Macに正式に対応した「Parallels Desktop 16.5」を公開しました。

ユーザーはM1 Mac上にて、Insider PreviewのArm版Windows 10(Windows 10 on Arm Insider Preview)やArmベースのLinuxを実行できるようになります。


Parallels Desktopシリーズはインテル製チップ搭載Mac上でWindowsやLinuxを動かすアプリとして親しまれてきましたが、アーキテクチャが異なるM1 Macではそのままでは動作しませんでした。そこでParallelsはM1への対応に乗り出し、昨年末に初のテクニカルプレビューを、今年2月にはバージョン2を公開し、しだいに安定性を向上させていました。

Parallelsによれば、10万人以上のM1 MacユーザーがParallels Desktop 16.5プレビューのテストに参加し、仮想Arm Windows 10上で「数万もの異なるインテルベースのアプリ」を試用したとのこと。エンジニアリングおよびサポート担当副社長のニック・ドブロヴォルスキー氏は熱烈なフィードバックを受け取った、と驚きを述べています。


さて、今回の正式版Parallels Desktop 16.5では、以下のようにパフォーマンスや効率が向上しているとのことです。

  • 消費電力が最大250%減少:Apple M1 チップを搭載した Macでは、Parallels Desktop 16.5の消費電力が2020年のインテルベースの MacBook Airと比べて2.5 倍少なくなっています

  • DirectX 11 のパフォーマンスが最大 60% 向上:M1 Mac で動作する Parallels Desktop 16.5 は、Radeon Pro 555X GPU を搭載したIntel ベースのMacBook Proよりも最大 60% 向上しています

  • 仮想マシン(VM)のパフォーマンスが最大で30%向上(Windows):M1 Mac上でWindows 10 on ARM Insider Preview のVMを実行すると、インテルCore i9 プロセッサ搭載MacBook Proで実行する Windows 10 VM よりも最大 30%性能が向上します

さらにParallels公式リリースでは、米国アルバカーキ州で数学教師を務めている人物が「Parallels Desktop 16.5 を使って、M1 MacでWindowsを実行するのは素晴らしいことです。今までで一番速いバージョンの Windows です!」との感動を語っています。こうした称賛がもしも本当だとすれば、x64アプリの動作速度が非常に厳しいとされたArm版Windows PCとの評価がさらに開くことになるかもしれません。


ちなみに筆者も個人的にParallels Desktop 16.5を購入してM1 MacBook Airにインストールしてみましたが、秀丸などのWindowsアプリが問題なく動作しています。

hidemaru

もっとも、今回の対応で焦点の一つとなっているArm版Windows 10に関して、今なおマイクロソフト側は個人向けに販売していないという点には留意の必要があります。

今回対応したのは、あくまでもWindows ARM 64 Insider Previewで配布されているプレビュー版にすぎません。

MSがArm版Windowsに関して「OEMのみにライセンス販売」という販売方針を変えるかどうか明らかにしていませんが、以前にはParallelsと正式に協力しているような素振りを見せているため、今後の動向に注目したいところです。

Source:Parallels