先日、Appleシリコン「M1」チップ搭載MacでArm版Windows 10の動作に成功したとの報告がありました。それに続いてLinuxのインストールおよび動作が上手くいったとの新たな一報が伝えられています。
アップル幹部が「技術的には可能」と述べたM1搭載Mac上でのArm版Windows 10を実現したのは、ソフトウェア開発者のアレクサンダー・グラフ氏でした。オープンソースの仮想マシンエミュレータQEMUにカスタムパッチを用いるやり方は、当時は概念実証に近いと呼べそうなものでしたが、この1週間ほどでさらに手法が洗練されたしだいです。
まず機能面では、Arm版WindowsのQEMU仮想マシンにおいて仮想化されたオーディオやネットワークインターフェースを含むほぼ全ての基本的な機能がサポートされたとのことです。
A picture is worth 1000 words.
— Alexander Graf (@_AlexGraf) November 28, 2020
✓ x86 emulation is fully functional.
✓ It's really on an M1
✓ Virtio-net works
✓ RDP works pic.twitter.com/dz9446DvPD
さらに他の開発者の助けも借りて、Linux(Fedora 33)をインストールおよび動作させることにも成功したと報告されています。
Thanks for working so hard on these patches @_AlexGraf! They work really great. Here's Fedora 33 booting with UEFI/ACPI under QEMU on my M1 MacBook Air https://t.co/T1fA6YKEVt pic.twitter.com/3cPhZONKIq
— Jon Masters 🏴☠️ (@jonmasters) November 30, 2020
さて先月下旬に、Linux生みの親として知られるリーナス・トーバルズ氏がM1搭載Macについて質問された際「Linuxが動くならぜひ欲しい」「私は長年、Armが搭載されてLinuxが動くノートPCを待ちわびていました。新型MacBook Airは、OSを除けばほぼ完ぺきです」としつつ「私にはそれを(Linux動作のために)いじくり回す時間も、力を貸そうともしない企業(アップルのこと)と戦うつもりもない」と述べていた経緯もあります。
もしもリーナス氏がこのニュースを聞けば、「やっぱりM1搭載Macを買う」と言い出すかどうかは興味深いところです。
また有志により、M1搭載MacBook ProにArm版Windowsをインストールする手ほどきをするチュートリアル動画が公開されています。
Windows ARM 64 Insider PreviewはWindows Insider Programに参加すれば入手可能なため、興味のある方は自己責任の上で試してみてもいいかもしれません。
Source:Jon Masters(Twitter)
Via:MSPowerUser