Mike Blake / Reuters
Mike Blake / Reuters

ユニバーサル、ワーナー、ソニー(EMI含む)の音楽メジャー各社が、米国のインターネット企業Charter Communicationsに対して、ユーザーの一部が著作権のある楽曲の違法な共有を繰り返していることへの対策を怠ったとして著作権侵害の責任を問う訴訟を起こしました。音楽メジャーがCharterを訴えるのはこれで2度目です。

音楽各社は、CharterのISP事業部門Spectrumに対して15万件を超える著作権侵害の通知を(侵害している人のIPアドレスを添えて)送ったと述べ、にもかかわらず違法な音楽ダウンロードの見て見ぬふりを続けているとしました。

メジャー音楽レーベルがCharterを訴えたのはこれが初めてではなく、2019年にもBitTorrentを利用した音楽ダウンロードが横行しているとして訴訟を起こしています。この訴訟は音楽ストリーミングサービスがいまほど普及していない2013年3月から2016年5月の間、BitTorrentなどP2Pソフトによる違法な音楽ダウンロードが大きく問題になった時期です。

この訴訟はまだ続いており、今年はじめには訴訟の双方が証拠開示手続きを行い、オンライン海賊行為が音楽業界にとって本当に問題であるかどうかについての議論が行われました。Charter側弁護士は、仮に自分たちのクライアントがユーザーの侵害行為に対して最終的に責任があると判断されたとしても、現在のレコード音楽ビジネスが非常に好調だという事実を考慮すべきだと主張したとされています。訴えている側の音楽レーベルはCharterなどのサービスを利用する音楽ストリーミングサービスから、これらの収益をあげています。

一方、今回の訴訟は2018年7月26日から最近までに発生したとされる著作権侵害を対象とし、音楽レーベルはCharterのネットワークを監視しているときに大量の著作権侵害を検出したとしています。前回の訴訟がまだ進行中であるにもかかわらず、なぜレーベル側が同じISPに対して2度目の訴訟を行うことにしたのかについては、いくつかの理由が考えられます。

まず、著作権の侵害や侵害行為をはたらく者たちへの対策が不十分だとされたインターネットサービス企業は、たとえ訴訟が進行中でも対策の強化やそのための仕組みの導入をしなければならないという前例を作ることができます。またさらに、米国では著作権訴訟において、1件の侵害につき15万ドルまでの損害賠償を請求できると定められており、2件目の訴訟でさらに侵害されたとされる楽曲のリストを追加できるため、さらにトータルでの損害賠償額を増やせる可能性が考えられます。

われわれにとって、すでに音楽ストリーミングサービスはかなり普及しているように感じられますが、それでも違法なダウンロードが依然として音楽レーベルを悩ます要因になっているというのは、少し意外なことにも思えます。しかし、音楽レーベルは継続してISPに対して違法なダウンロードへの対策を求める訴訟を起こしており、2019年にはCox Communicationsに1万以上の音楽作品の侵害の責任があるとの判決を得て、総額10億ドルの賠償金を得ています。

Source:Billboard

Coverage:The Verge, CMU