育成シミュレーションではなく、クイズに答えて正解すると、ジャンルに応じたパラメーターが上がり、娘が育って行くというシステムの本作「子育てクイズ マイエンジェル」。元々はアーケードゲームで、私もかつてゲームセンターでプレイした事があったのだが、四択あるいは三択のクイズで3回答えを間違えるとゲームオーバーというシビアなルールゆえに100円玉が何枚あっても足りず、家庭用ゲーム機であるところのプレイステーションに移植されたおかげで、心おきなく、エンディングまでプレイする事が出来たというわけだ。

0歳から25歳まで育てるとエンディングを迎えるのだが、娘の育ち方は大きく分けて「まじめ系」「お色気系」「おたく系」「わんぱく系」の4種類。我が家の娘さんの場合、クイズに正解して伸びてゆくパラメーターがついついおたく系に偏りがちだ。それもそのはず、私が得意とするジャンルがマンガやアニメに関する問題だからなのだ。そして、歴史や政治関連の問題なのに、何故かおたくのパラメーターが上がってしまう問もあって、油断が出来ない。

今でこそ「おたく」といっても結構おしゃれな方々とかいらっしゃるし、広義な意味で捉えられるようになったが、20~30年前の「おたく」に対する世間のイメージは、暗くてじめじめしていて服装も変で、他者とのコミュニケーション能力に欠けるというようなものだった。なので「おたく系」に育った娘のビジュアルは瓶底メガネちゃんというのもいたしかたない所なのだが、「おたく系」で迎えるエンディングは心中面白くない。これがまた何度やってもことごとく「おたく系」になってしまうのであった。

さて、月日は流れ、本連載のために、実に20年以上ぶりにソフトを引っ張り出し、新たな気持ちで子育てに挑戦する事になった。当時に出題された問題なので時代を感じさせるものが多いが、それでも結構良い感じで、一般常識や歴史、地理、理科、社会、国語等の問題に答えられ、20代位までは順調に「まじめ系」と「お色気系」をいったりきたりしつつ、狙い通りに育ってくれている。

だが、あと一息という所で23年前の悪夢再び、あっという間に瓶底メガネちゃんになってしまった娘がそこに居た。

ついさっきまで赤い口紅でおしゃれをしていたのに、一体何があったんだい!?

結局「おたく系」以外のエンディングを見る事はかなわなかったのだが、私は決して諦めない。10年後、再び本作をプレイした時にこそ、新たな扉が開かれると信じている。

万が一、それでも「おたく系」になってしまったとて嘆きはしないだろう。20年後、30年後、私の後を継ぐ者が現れ、いつの日かきっと他のエンディングに行きついてくれるであろう。その日を楽しみに待とうではありませんか、え? 待たない?


──うえけんWiki──

上野 顕太郎(うえの けんたろう、1963年4月18日 - )は、かなりアナログな漫画家である。デジタルなEngadgetとの接点は編集長が20年前、ゲーム誌編集者であったとき連載を担当したからと言われる。よく使うフレーズは「暇だからな!」......というわけで、かつてプレイした方もいるだろうマニアックなゲームを掘り起こし、あの当時を偲んでいただきます。


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