NASA / JPL-Caltech
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NASAが地球以外の惑星で初めての回転翼機の飛行に成功しました。火星ヘリコプターことIngenuityは、日本時間19日夕方、高さ10フィート(約3m)に上昇して約30秒間その高度を維持、地上に着陸したとみられます。NASAはIngenuityの初飛行の場所を、動力飛行機の発明者で米国発のパイロット、ライト兄弟にちなみライト・ブラザーズ・フィールドと名付けました。

飛行データは日本時間午後8時すぎに地球に届き、それにはIngenuityが空中から下、自身の影を見下ろした様子を写したモノクロの画像も含まれていました。

Ingenuityには合計5度の飛行が計画されており、今回はその第1歩。NASAの地上管制は1億7800万マイル(約2億8700万km)の彼方の初フライトが成功したかどうかを知るのに、3時間以上を待たなければなりませんでした。

そいてついにデータが到着したとき、管制室には拍手と歓声がわき起こりました。喜びの瞬間はさらに、火星の表面の上に浮かんでいるヘリコプターの影をとらえた上記モノクロ写真が表示されたときにも続けて訪れました。そして火星ローバーPerseveranceは、Ingenuityの安定した飛行をとらえたカラー映像を地上に送り届けました。

火星の大気圧は地球の1/160ほどしかなく、ローターによる揚力の発生も小さくなります。そのため、ヘリコプターが浮上するには互いにが逆方向に開店する2枚のローターブレードを、2500rpmで回転させる必要がありました。これは地球で浮上するために必要な回転数の5倍の速さです。非常に薄い、CO2を主成分とする大気にあわせて、エンジニアは必要な揚力を発生するのに十分な回転速度のするブレードを備えた十分な軽量のヘリコプターを構築する必要がありました。

開発に6年を要したIngenuityはカーボンファイバー製のローターを持ち、その回転翼の端から端までは約1.2mの長さがあります。高さが約50cmで、あとはティッシュ箱ほどの大きさの本体内にバッテリー、ヒーター、センサーを含む過酷な火星環境で正常に動作するために必要な物をすべて詰め込んでいます。

Ingenuityはまた、火星の風に耐えうる強度を備え、さらにバッテリーを再充電するためのソーラーパネルは昼間に電力を蓄え、-90℃にもなる火星の厳しい夜を乗り越えるように作られています。

さて、Ingenuityの次のフライトはもう、それほど待つ必要はないかもしれません。NASAは4月22日にはすぐに2回目の飛行を実行したいと考えています。この飛行では、Ingenuityは最大90秒間、Perseveranceから最大でおよそ50m離れて飛ぶことを予定します。

今回の成功は火星での動力飛行が可能であることを実証するものでした。そして将来的には火星の空を、編隊を組んで飛行する探査機が現れるようになるかもしれません。

source:NASA