スマートフォンでカメラ機能が重要視されるようになり、光学機器メーカーとコラボした端末が増えてきました。

光学機器メーカーとスマートフォンメーカーのコラボは、2006年にドイツのカールツァイス社とノキアから始まり、その後、2016年にドイツのライカ社とファーウェイのコラボが始まりました。そして昨年、ソニーのスマートフォンにカールツァイス社のレンズが採用されたのは記憶に新しいところです。

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そして2021年になり、vivoがカールツァイス社とコラボした端末を、OnePlusがスウェーデンのハッセルブラッド社とコラボした端末をそれぞれ発売しました。ハッセルブラッド社といえば、モトローラの合体スマートフォン、moto modsの「HASSELBLAD TRUE ZOOMカメラ」がありますが、スマートフォンそのものとのコラボは今回が初です。

さて、そんなわけで今回は、光学機器メーカーとコラボした中国のスマートフォン3機種について、静止画の作例を中心に比べてみたいと思います。どの機種も動画のクオリティが高いとの評判もありますが、普段動画を撮らない筆者ではその魅力をお伝えしきれないので、動画は別な方にお任せしたいと思います。

比較するのは以下の3機種。

  • ファーウェイ「Mate 40 Pro」(ライカ社とコラボ)

  • vivo「X60 Pro+」(カールツァイス社とコラボ)

  • OnePlus「OnePlus 9 Pro」(ハッセルブラッド社とコラボ)

まずは各機種のスペックを簡単にご紹介しておきましょう。

より詳細なスペックはメーカーの製品ページからどうぞ。

続いて今回の比較のキモとなるカメラのスペックを比較してみましょう。

リアカメラは、Mate 40 Proが50MP+20MP+12MPの3眼、X60 Pro+が50MP+48MP+32MP+8MPの4眼、OnePlus 9 Proが48MP+50MP+8MP+2MPの4眼。フロントカメラは、Mate 40 Proが13MP+ToF 3D、X60 Pro+が32MP、OnePlus 9 Proが16MPで、いずれもパンチホールタイプです。

各端末の特徴としては、Mate 40 Proは広角カメラにRYYBセンサーを使用していることが挙げられます。X60Pro+はメインの広角カメラにサムスン製のイメージセンサーGN1を採用、超広角カメラには疑似ジンバルを搭載しています。そしてOnePlus 9 Proは広角にソニー製のイメージセンサーIMX789、超広角にIMX766を採用している点となります。

それではカメラアプリの機能やUIを比べていきましょう。

高画素モードの選択

高画素で撮影すれば当然解像度の高い写真が撮れますが、この3機種に限らず多くの端末で高画素モードがデフォルトにはなっていません。ユーザーが設定を変える必要があるなど、ひと手間かけて使用するようにしている傾向があります。SNS向けなど普段使いにはそこまでの高画素は必要ないと考えているのでしょう。

Mate 40 Proの場合はその他からハイレゾを選択、X60 Pro+では高解像モードを選択し、上部で50MPと100MPとを切り替えられます。OnePlus 9 Proでは右上のメニューボタン(3点リーダー)をタップすると高解像度の切り替えメニューが表示されます。

キャプチャーモードの選択

Mate 40 ProとX60 Pro+にはキャプチャーモードがたくさんあり、その並びなどをカスタマイズすることができます。一方、OnePlus 9 Proは9つのみとなり、並び替えはできませんが下部から引き出す操作で一覧表示が可能。このあたりはハッセルブラッドの考えがあるのかもしれません。

プロモード

3端末ともプロモードを選択すると、RAWで保存することもできるようになります。Mate 40 Proでは、測光モードの選択が可能となること、フォーカスモードの選択がMF、AF-S(シングルショットオートフォーカス)、AF-C(コンティニュアスオートフォーカス)の3つから選択できることが特徴。X60 Pro+は使用するレンズの選択が可能となります。Mate 40 ProとX60 Pro+ではプロモードでも最大倍率まで拡大できるのですが、OnePlus 9 Proの場合はプロモードだと8倍くらいまでしか拡大できませんでした。

ズーム

ワンタッチで切り替えられる倍率は、Mate 40 Proが広角・x1・x5・x10、X60 Pro+がx0.6・x1・x2・x5、OnePlus 9 Proがx0.6・x1・x3.3です。他の機種でも感じたのですが、ズームを等倍からいきなり5倍にすると寄りすぎてしまう印象です。OnePlus 9 Proの3.3倍は、場合によってちょうど良いこともあるのですが、やはりX60 Pro+の2倍が使いやすく感じました。また、X60 Pro+は2倍と5倍を選択できるのも好印象です。

ピンチイン・ピンチアウト以外でズーム倍率を変える場合のUIを並べてみました。並べてみると違うものですね。Mate 40 ProとX60 Pro+は直線をスライドですが縦横が異なり、OnePlus 9 Proは円状のスライドとなっています。

編集ツール

3機種ともにギャラリーから直接起動できる編集ツールの機能が充実しています。トリミングや傾き補正、明るさやコントラストの調整だけではなく、トーンカーブを表示して変更できるなど、編集用アプリを別にインストールする必要がないくらいです。

Mate 40 Proの編集ツール

X60 Pro+の編集ツール

OnePlus 9 Proの編集ツール

作例比較

いくつかのシチュエーションで3機種を撮り比べてみました。

作例写真はタップもしくはクリックで実画像が開きます。サイズにご注意ください。

広角

青空です。実際の見た目の明るさは、X60 Pro+と残りの2機種の間くらいです。

曇ったり日が差したりする微妙な天候での撮影です。X60 Pro+は全体的に空が明るめで少し創られた空色という印象を受けました。

続いて室内です。Mate 40 Proはややこってりしている印象です。

超広角

Mate 40 Proは他の2機種に比べ画角が少し狭いです。OnePlus 9 Proには建物の歪みを抑えた写真が撮れる機能があるのですが、被写体や撮り方にコツがいるのか、違いがわかるような写真は撮れませんでした。

良く晴れた日の昼間、比較的強い太陽光の元で花を撮影しました。

夕方、少し暗くなってきた屋外で撮影した紫色の花です。

ポートレート

少し暗い店内での撮影です。リアカメラのポートレートモードにした際、Mate 40 Proはビューティーモードと効果という2つモードが画面に表示され、X60 Pro+はフェイスビューティー、スタイルのほか、f/0.95からf/16までぼかしを設定することができます。しかしOnePlus 9 Proには……なんとビューティーモードがありませんでした。

余談になりますが、X60 Pro+は言語を日本語に設定しています。概ね違和感はないのですが、なぜかポートレートモードが「縦向き」と訳されており、慣れるまで???となっていました。

食事

暖色系の照明のお店で撮影しました。照明の影響もあるかと思いますが、Mate 40 Proは食事モードを認識するとこってり感が強くなりすぎてしまったため、シーン認識オフで撮影しました。

夜景

明るすぎる夜景が好みではないので、少し暗めに撮りました。

空を見上げて撮りたいと思ったときに気軽に撮れるかをポイントに撮り比べてみました。なのでプロモードは使用せず、Mate 40 ProとOnePlus 9 Proは通常の写真モード、X60 Pro+はスーパームーンモードでいずれも三脚なしの手持ち撮影です。

画面中央部に月が表示されるようにしたときに、一番早く月と認識したのはMate 40 Proでした。次点はX60 Pro+ですが、月と認識して明るさが調整されるまでに少し時間を要しました。OnePlus 9 Proだけはどうしてもうまく撮れず、翌日に再トライしてなんとか撮ったものです。

最近のスマートフォンのカメラは、ハイエンド機に限らず多くの機種で綺麗な写真が撮れるようになっています。また、光学機器メーカーとのコラボによって、ただ綺麗なだけではなくより印象的な写真が撮れるようになりました。もうスマートフォンのカメラの良し悪しは性能差ではなく好みの違いではないかと個人的には思っています。これからは、細かなスペックにこだわらず、写りの好みでスマートフォンを選ぶのもありかもしれません。今回3機種を比べてみて、より強くそう感じました。