[名称] MD DATA2
[種類] 光磁気ディスク
[記録方法] レーザーストローブ磁界変調方式
[サイズ] 約64mm
[容量] 650MB
[登場年] 1999年頃~

今や淘汰された懐かしの記録メディアたちに光を当てるこの連載企画では、ゆるっと集めているリムーバブルメディア・ドライブをふわっとご紹介していきます。

連載:スイートメモリーズ

「MD DATA2」は、ソニーによって開発された容量650MBの光磁気ディスク。サイズは従来のMD DATAと同じまま、容量は約4.6倍、転送速度は最大8.5倍(9.4Mbps)に引き上げられました。

従来と比べレーザー波長を780nmから655nmへと短くしたほか、レーザー照射を素早くオンオフするレーザーストローブ磁界変調方式を採用。さらに、トラック間の干渉(クロストーク)を抑えるため、インターレースアドレス方式を取り入れるといった改良が施されています。

ちなみにレーザーストローブ磁界変調方式は以前紹介したHSで採用されていたもので、ずらして重ね書きすることで、レーザー光の照射径よりも小さく記録できるというものです。

こういった複数の技術を組み合わせることで、トラックピッチを1.6μmから0.95μmへ、ビット長を0.59μmから0.34μmへと詰め、さらに冗長度を46%から20%にまで下げることで、大容量化を実現しています。

なんだか難しい言葉が続いてしまっていますが、細かいことを気にしなければ、「MD DATAからMD DATA2になったら140MBの容量が650MBに増えた(あと、速くなった)」くらいの認識でいいでしょう。

右上の角が斜めに落とされているといった物理形状は、従来のMD DATAと瓜二つ。せっかくなので、ソニーのMD DATAメディア初代モデルとなるMMD-140と並べてみましょう。

唯一変わった点といえば、ラベルの形状と貼るスペースが変化したくらいでしょうか。といっても、MD DATAでも世代が変わると変化していましたから、とくに大きな変化というわけでもありません。

ちなみに、でかでかと「MD VIEW」と書かれていますが、これは愛称。フォーマットは「MD DATA2」です。また、メディアには記載されていませんが、製品型番は「MMD-650A」となります。

背面もこれといった特徴はなく、中央部分までシャッターで隠されているあたりでMD DATAの一種なんだなとわかる程度。右下にある青い丸はライトプロテクトスイッチの状態を確認するためのもので、下部にあるスイッチをスライドさせることで変化します。

ライトプロテクト状態にすると、青が見えなくなります。このあたりの構造はMD DATA2だけでなく、MD DATA、音楽用MDまですべて共通です。

MD DATA2は動画が扱える大容量メディアといった位置づけで開発され、これをメディアに採用したビデオカメラ「MD DISCAM」(DCM-M1)も発売されましたが、残念ながら、他の機器での採用はなし。実質、専用メディアとなりました。

テープではなくディスクメディアに記録するカメラ、という着眼点はよかったと思うのですが、650MB程度の容量では、最大20分、高画質では10分しか撮影できないというのが厳しかったのでしょう。

約8ヶ月後に、8cm DVD-RAM(両面2.8GB)採用のDVDカメラ「DZ-MV100」が日立から発売されると、主流はDVD系メディアへと移行。MD DATA2はあまり普及することなく消えていきました。

連載:スイートメモリーズ


参考:

MMD-650A, ソニー
DCM-M1,MMD-650A, ソニー
3-2 高密度MDの動向, 映像情報 メディア学会誌Vol.53 No.10 (1999)