[名称] メモリースティックPRO
[種類] フラッシュメモリー
[記録方法] 専用端子(10ピン)
[サイズ] 21.5×50×2.8mm(標準)、20×31×1.6mm(デュオ)、12.5×15×1.2mm(マイクロ)
[容量] 256MB~16GB
[登場年] 2003年頃~

今や淘汰された懐かしの記録メディアたちに光を当てるこの連載企画では、ゆるっと集めているリムーバブルメディア・ドライブをふわっとご紹介していきます。

連載:スイートメモリーズ

「メモリースティックPRO」は、ソニーが開発したフラッシュメモリー採用メディア。動画の高画質録画でニーズがあった、より高速で大容量のメモリースティックとして誕生しました。

実はメモリースティックPROが最初に登場したのは、2003年3月。最大128MB(切り替え方式で256MB)だった「メモリースティック(マジックゲート/高速データ転送対応)」の登場が2003年9月ですから、これより半年ほど早い登場となります。このことからも、メモリースティックPROは一般向け製品とは路線の異なる、プロ仕様に近い位置付けだったと考えられます。

メモリースティックPROの大容量化は、内部で128MBフラッシュメモリーを4段積みするという、結構強引な実装技術によって実現されていました。そのため、最初のモデルとなる「MSX」型番の製品は、スペースの問題から標準サイズで1GB、デュオで512MBが最大です。

これが、初期のメモリースティックPRO。標準サイズの表面は虹色に輝き、やたらと高級感があることからも、特別な製品だという印象がありますね。デュオは特殊効果こそありませんが、文字が金色となっており、やはりこちらも従来とは異なる製品だという主張を感じます。

この後、デジカメの高画素化や動画撮影の普及などもあってデータが巨大化し、一般向けでも大容量メディアが求められるようになってきました。これに対応するよう登場したのが、2005年4月発売の「メモリースティックPRO」。名前は同じですが、カラーがブラックへと変更されているので、ひと目で区別がつきます。型番は「MSX-xxxS」となり、末尾に「S」が付加されていることからも判別できます。

とくにデュオは、PSPを始めとするソニー製品を使っていた人の多くが利用した覚えがあるのではないでしょうか。この頃になると標準サイズは大きいことからあまり採用されず、デュオが事実上の標準となってきます。

このモデルのリリースにはチップの積層に関する話は出ていないので、大容量のフラッシュメモリーチップが登場し、大容量化しやすくなったと考えられます。

一番下の「PSP」という文字があるのは、PSP向けのモデルとして発売されたもので、「PSPギガ・パック」に同梱されていたものと同じです。デザインは異なるものの、中身は普通のモデルと変わりません。

この世代のメモリースティックPROでは、高速性が求められる用途向けに「メモリースティックPRO(High Speed)」が用意されました。

標準サイズは、初代メモリースティックPROのように特別な配色が施されたプレミアム感のあるデザインです。デュオも少々特殊で、若干ブラウンっぽく色味がかったものとなっていました。このHigh Speedモデルは、実速度で従来比約2倍という高速性を実現しているのが特徴です。また、動作保証温度を従来の0~60℃から-25~85℃へと拡大。劣悪な環境でも使えるという強みもありました。

ちなみに型番は「MSX-xxxN」で、末尾が「N」となっています。

このHigh SpeedモデルやブラックのメモリースティックPRO登場あたりから、機器の小型化が顕著になってきます。デュオだけでは足らず、更に小さなメディアが求められるようになりました。

そこで携帯電話用等として2007年6月に登場したのが、「メモリースティック マイクロ」(M2)です。

写真はM2本体と、デュオへの変換アダプター。サイズは約12.5×15×1.2mm、デュオと比べても体積が約1/4という、超小型モデルです。立ち位置を分かりやすく言えば、microSDカードの対抗ですね。製品名からPROの文字はなくなっていますが、内部的にはPRO相当です。

型番はMSXではなく、「MS-Axxx」というもの。2009年11月には、「PSP go」に対応した「MS-AxxxP」という型番の製品も登場しています。

ちなみに、せっかく登場した超小型のM2ですが採用機器は少なく、一部の携帯電話とPSP goくらい。スマートフォンでは初期のXperiaですら採用していませんでしたから、このメディアを知らないという人も多そうです。

数多くあるメモリースティックPROのシリーズですが、シリーズ最後に登場したのが、「メモリースティックPRO(Mark2)」。

この世代になると標準サイズはなく、デュオ(2008年3月)とM2(2011年9月)の2サイズとなっています。デュオの型番は「MS-MTxxx」、M2は「MS-Mxx」。

「Mark2」は最低書き込み速度保証が2倍以上へと高速化したモデルで、AVCHDで1920×1080のフルHD記録が可能とうたわれていました。

どちらも主にデジカメ用のメディアとして登場していますが、デュオはさておき、M2 Mark2が出た頃にはSDカードが優勢となっており、せっかく発売されたソニーのコンデジも、M2 Mark2とmicroSDHC両対応というものに。この状況でM2 Mark2を選ぶ人は、筋金入りのソニーファンだけではないでしょうか。

フラッシュメモリーの大容量化、高速化が顕著だった時代のメディアとなるため、種類がやたらと多いシリーズとなったメモリースティックPRO。サイズの主流がデュオへと移ったり、他社製品での採用が望めずSDカードとの競争に負けたりとイロイロありましたが、その最盛期から衰退まで、長く使われたメディアとなりました。

連載:スイートメモリーズ


参考:

高画質動画記録に対応可能な、高容量・高速書込みを実現する新世代メモリースティック「メモリースティックPRO(プロ)」発売, Sony
「メモリースティック デュオ」のラインアップが一新、高容量記録・高速データ転送の「メモリースティックPRO デュオ」を新たに発売, Sony
最大2GBの高容量と、さらなる書き込み・読み出し速度の高速化を実現した「メモリースティック PRO(High Speed)」 発売, Sony
携帯電話など超小型メディアニーズに対応の新フォーマット小型メディア「メモリースティック マイクロ」新発売, Sony
“Mark2”とは何ですか?, Sony