METROID PRIME
Nintendo

任天堂の人気FPSシリーズ最新作『メトロイドプライム4』は、2017年6月のE3でNintendo Switch向けに開発中だと明かされながら、その後に仕切りなおして(バンダイナムコ開発だと噂されていた)元々の開発担当である米レトロスタジオに戻されたとの声明が発表されました。そして最初の発表から4年以上も経った今なお、発売にいたっていません。

これほど開発に時間がかかるのは、一体なぜなのか。元レトロスタジオで「メトロイドプライム」シリーズ開発に携わったスタッフが、これは任天堂や日本のゲームパブリッシャー全てに共通していると語っています。

この話をポッドキャスト「Kiwi Talkz」に語っているのは、「メトロイドプライム」3部作のリードテクニカルエンジニアを務めたジャック・マシューズ(Jack Mathews)氏です。マシューズ氏は欧米と日本のパブリッシャーでの開発の違いに触れて、日本の企業はプロトタイプ(ゲーム開発の初期における試作プログラム)でリスクを取ってから本開発に入る場合が多く、これは仕事をする上で非常に有益な方法だと語っています。

マシューズ氏いわく、欧米のパブリッシャーはプロトタイプを作る前に、ゲーム全体の長期契約を結ぶことを望む傾向があるとのこと。が、そうなると「プロトタイプでやっていたことの多くが否定されてしまう。なぜなら、自分がよく知らないもののために、全体でどれほどコストがかかるのかを考えなければならないから」だと述べています。

つまりプロトタイプで何かしら創意工夫を盛り込もうとしても、それが全体的に増やすコストを避けるため、多くを切り捨てざるを得ないことを示唆していると思われます。

それに対して、任天堂はプロトタイプでリスクを取るのを好むことが知られているとのこと。マシューズ氏によれば、同社のゲームの多くが社内のチーム開発のため、プロトタイプは製品が収益を上げるまでの「サンクコスト(埋没費用。過去に支払って、取り戻せないコスト)」とみなされることが多いそうです。

また、マシューズ氏は「任天堂はそれが正しい方法であると知っています。すべてはリスクとリターンの問題であり、どこにリスクを置き、どこにリターンを見出すかということなのです」とも語っています。それに加えて、こうしたやり方は日本では非常に一般的であり、発注元と開発会社との取引は型にはまらず「handshakey(非常に密な関係性)」とのことです。

かたや欧米のパブリッシャーは開発会社をあまり信用しておらず、彼らがプロトタイプを持ち去って別のパブリッシャーと組むことを恐れているとも語られています。実際、海外では没になった試作ゲームがタイトルを変えて別のパブリッシャーから発売にこぎ着けたとの逸話は珍しくない印象もあります。

また同じインタビューの中で、マシューズ氏は(『メトロイドプライム3』のプラットフォームになった)Wiのスペックが前世代のゲームキューブと大差なくて失望し、それがレトロスタジオから離れる理由の1つになったとも語っています。興味のある方は、ポッドキャスト全編を視聴してみることをお勧めします。

Source:Kiwi Talkz

via:Nintendo Life