Mi 10 Lite 5G は「格安5Gスマホ」の普及を加速させる存在だ(山根博士)

年内には1万円台の5Gスマホも海外で登場か

山根博士 (Yasuhiro Yamane)
山根博士 (Yasuhiro Yamane), @hkyamane
2020年08月31日, 午後 06:30 in xiaomi
0シェア
FacebookTwitter
LPSOC

シャオミから5Gに対応した低価格スマートフォン「Mi 10 Lite 5G」の日本国内発売が発表されました。KDDIからの発売となり、価格は4万2740円(税込、以下同じ)です。SIMフリーとして販売されているファーウェイの「P40 lite 5G」(4万3780円)と合わせ、5万円を切る低価格な5Gスマートフォンが日本でまた1台増えました。

LPSOc

Mi 10 Lite 5Gのような低価格5Gスマートフォンは、海外ではすでにサムスンから「Galaxy A71 5G」「Galaxy A51 5G」が出ていますし、シャオミのみならず多くの中国メーカーが製品を出しています。5Gの普及は世界各国でまだこれからですが、5Gに対応したスマートフォンはリーズナブルな価格の製品がすでに各国で販売されているのです。

Mi 10 Lite 5GはSoC(チップセット)にSnapdragon 765Gを搭載したミッドレンジスマートフォンです。Snapdragon 865を搭載するハイエンドスマートフォンよりスペックが落ちるものの、6.57インチの大型ディスプレイに4800万画素を含むクワッドカメラを備え、フロントには1600万画素をディスプレイ内部に納めるパンチホールデザインで搭載し、バッテリー容量は4170mAh。必要十分な性能を有しています。

シャオミをはじめ中国メーカーは3-4万円台の低価格な5Gスマートフォンを多数発売しています。それら低価格なスマートフォンの多くはSoCにクアルコムではなくメディアテックのミッドレンジ向けとなるDimensity 800シリーズを搭載しています。5Gスマートフォン市場ではメディアテックが製品価格の引き下げを率先して進めているのです。

LPSOC

すでに4Gがグローバル規模で普及し、SNSや動画ストリーミングサービスの利用は4G回線でも困ることはありません。キャリアが必死に次世代通信規格である5Gへの投資を行っているものの、ユーザーの関心はまだ5Gには向いていません。「5Gスマホを買うのはまだ早い」と考えている消費者も多いのが事実でしょう。しかし4G端末と変わらぬ価格の5Gスマートフォンを今買っておけば、1-2年後に5Gの普及が広がった時に改めて買い替える必要はありません。

4Gスマートフォンと同価格で買える低価格な5Gスマートフォンの登場は、キャリアにとってユーザーの5Gへの移行を容易なものにできます。KDDIがMi 10 Lite 5Gを採用したのも5Gユーザーを幅広い層に広げたいと考えたからでしょう。

クアルコムとメディアテックもさらに低価格なSoCの開発を強化しています。クアルコムは6月16日にSnapdragon 690を発表、メディアテックは7月23日にDimensity 720を発表しました。どちらも既存の低価格5Gスマートフォン向けのSoCよりさらに価格を引き下げたモデルです。しかしこの両者はさらに低価格なSoCをリリースする予定と噂されており、メディアテックは下位モデルとなるDimensity 600シリーズを年内に投入予定、クアルコムもそれに追従すると見られています。どちらのSoCも20ドルを切る価格で、5Gスマートフォンの低価格化をさらに進めるものになりそうです。

LPSOC

5Gスマートフォン向け低価格SoCの登場は、5Gスマートフォンの参入メーカーを増やすことになります。TCLは今年1月に自社ブランドスマートフォン「TCL 10シリーズ」を発表しましたが、そのなかにはSnapdragon 765Gを採用する5Gスマートフォン「TCL 10 5G」も含まれていました。また最近では、タフボディー端末専業のUlefoneがDimensity 800シリーズを搭載する「Armor 8 5G」をリーズナブルな価格で発売するとの噂も聞かれます。5Gスマートフォンは大手以外のメーカーも発表しようとしているのです。

LPSOC
▲ TCL 10 5G

中国ではUNISOCが国産の5G SoCとしてT7510とT7520を発表しています。T7510はハイセンスの「F70」、Coolpadの「X10」が採用、8月12日に発表されたばかりのX10は6.5インチディスプレイにカメラは2100万画素+500万画素+200万画素、4600mAhバッテリーというスペックでRAM4GB+ROM128GBモデルが1388元(約2万1000円)、RAM6GB+ROM128GBモデルが1588元(約2万4000円)と、2万円台で販売されています。

LPSOC
▲ Coolpad X10

IDCの調査によると、中国の2019年のスマートフォン出荷台数は3億6670万台でした。この世界最大のスマートフォン市場では低価格スマートフォンの需要だけでも年間数億台が見込まれます。各メーカーは今後さらなる低価格化を進め、1000元(約1万5000円)を切る5Gスマートフォンも年内に登場するでしょう。そうなれば4Gスマートフォンの存在意義は薄れ、4Gスマートフォンしか開発できないメーカーは競争力を失います。低価格5G SoCの登場はスマートフォンの低価格化だけではなく、中小以下のメーカーの淘汰を進めることになります。

低価格5Gスマートフォンは日本を含む世界各国でも販売され、5G加入の敷居を大きく引き下げ、5Gユーザーを増やしてくれるでしょう。5Gユーザーが増えれば5Gの特性を生かした新しいサービスも生まれ、スマートフォンの使い方も今とは大きく変わるはずです。Mi 10 Lite 5Gは、5Gを意識せずに5Gを利用できるようにしてくれる存在と言えます。


source:シャオミ

via:IDC


 
新型コロナウイルス 関連アップデート[TechCrunch]

 

関連キーワード: xiaomi, Android, 5G, Huawei, IDC, news, gear
0シェア
FacebookTwitter