いよいよ始まった「PASMO for Apple Pay」を実際に試してみる(鈴木淳也)

PASMOでないと困るという人向け

鈴木淳也 (Junya Suzuki)
鈴木淳也 (Junya Suzuki), @j17sf
2020年10月7日, 午前 06:36 in suica
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Junya Suzuki PASMO for Apple Pay
▲PASMO for Apple Payで改札を通過中

10月6日にApple Payで利用できるPASMOサービスが開始された。

iPhone 8またはApple Watch Series 3以降の機種で、iOS 14以降またはwatchOS 7以降の最新バージョンにアップデートされている必要がある。

すでに速報ベースの記事は掲載されているが、本稿では実際にiOS 14.0.1にアップデート済みのiPhone 8を使ってセットアップから利用までを試してみたい。

基本はSuicaと同じ

Apple PayにおけるPASMOは基本的にはSuicaの場合と同じで、Walletアプリまたは、App Storeからダウンロード可能なPASMOアプリ経由でバーチャルICカードを端末に登録し、適時アプリからチャージを行って使用していくことになる。

Walletアプリ経由の場合、開いた画面の右上にある「+」ボタンを押すことでSuicaまたはPASMOを選択できるようになっており、そのまま追加できる(Suicaとは異なり「地域」を「日本」に設定しておく必要がある)。カードはバーチャル版を新規追加するか、あるいは既存の物理カードを取り込んでバーチャルカード化することも可能。この場合、物理カードの定期やオートチャージ情報もそのままiPhoneなどに取り込まれるため、改めて設定する必要はない。

基本的な操作はWalletアプリでもPASMOアプリでも共通なのだが、最大の違いはPASMOアプリでは定期券などの購入がオンライン経由でiPhone上から購入なことと、定期券の支払いやチャージにおいてアプリ上に登録したカードを選択できる点にある。

特にApple Payは現状でVisaカードの登録が行えないため(QUICPayまたはiDとしてのリアル店舗利用は可能)、Visaカードを使った交通系ICカードへのチャージが行えない。そのため、少なくともVisaカードを利用したいユーザーはPASMOアプリ上に登録を行う必要がある。

一部を除き、基本的にAmerican Express、JCB、Mastercard、Visaの国際ブランドであればどれでも登録が可能だ。ただ、本稿を執筆した10月6日午後時点でPASMOアプリはApp Storeに表示されず、すべてのユーザーが見える状態に反映されるために時間がかかるため、「見えるまで待てない」という人はPASMOアプリを呼び出せる直リンクをたどってアプリをダウンロードしてほしい。

PASMO for Apple Pay
▲App StoreでPASMOアプリをダウンロード。ただし本稿執筆の10月6日時点で筆者のiPhoneでは同アプリが検索でも表示されなかったため、直リンクで呼び出している

PASMO for Apple Pay
▲PASMOアプリを起動した直後の初期画面。新規にバーチャルカードを作成するか、既存の物理カードを取り込む。なお、いずれの操作もWalletアプリから制御可能

Junya Suzuki PASMO for Apple Pay
▲カードの取り込みを選択した場合、このようにiPhoneのNFCでカード読み取りを行う。定期券やオートチャージ設定も吸い出せる

PASMO for Apple Pay
▲新規カードを追加した後のPASMOアプリ。Apple Payまたはクレジットカードをアプリに登録してチャージを行うが、Visaカードの場合は後者の手段でしかチャージに利用できない

定期券利用のユーザーを取り込んで2-3割をモバイルに

ここまでセットアップが完了したら、あとは実際に使うだけだ。すでにSuicaなどのカードを登録しているユーザーの場合、エクスプレスカードの設定を開いて登録したPASMOカードを選択しておく。これで駅の改札をくぐったときなどにPASMOが自動選択されるようになる。

iPhoneの標準機能と深く連動しているのはSuicaと同様で、例えば交通系ICカードで移動中にはその旨の通知が表示されたり、Apple Mapsで経路検索をした際に移動に必要な残高がエクスプレスカードで設定されているカードにない場合は警告が表示されたりする。

PASMO for Apple Pay
▲すでにSuicaなどを登録している場合、エクスプレスカード設定でPASMOを優先にしておく。これで準備完了

PASMO for Apple Pay
▲目的地に向かってPASMOで移動を開始する。Apple Mapsでルート検索をした場合、エクスプレスカードで優先設定が行われている交通系ICカードの残高が移動に不足していると警告が出る

PASMO for Apple Pay
▲PASMOで移動中はこのようにロックスクリーン上にメッセージが出てくる

PASMOの利用履歴はWalletアプリ上から確認できるが、参照できる情報はPASMOの物理カードで印字できる利用履歴とほぼ同等だ。移動した駅の情報と支払った料金が表示される一方で、物販などでは実際に利用した店舗など細かい情報は表示されない。

とはいえ、物理カード単体では確認できなかった情報が素早く参照できるため、モバイルならではの使い勝手を享受できるだろう。基本的な機能はApple Watchからでも利用できるため、支払いの瞬間だけiPhoneをいちいち取り出すのが面倒という人であれば、PASMOはApple Watchに登録してしまうというのも手だろう。

PASMO for Apple Pay
▲移動が終わった直後の残高表示。駅名も確認できる

Junya Suzuki PASMO for Apple Pay
▲物販にも利用可能。Touch IDでハンバーガーを購入する

PASMO for Apple Pay
▲買い物をした直後の画面。利用履歴が確認できるが、具体的な店名が確認できないのはカード型PASMOと同様

このように、ここまでの使い方であればSuicaとほとんど変わりなく、PASMOアプリ自体もSuicaのユーザーインターフェイスとそれほど変わらないため、Suicaで困っていないというユーザーであればあえてPASMOを使う理由はないだろう。

一方で、ポイントプログラムの利用や定期券など、「PASMOでないと困る」というユーザーも多くおり、それが今回のPASMO for Apple Payリリースにつながっている。例えば現在Suicaカードの発行枚数は8000万を超えているが、PASMOはその半分にあたる4000万の大台に間もなく届こうとしている。両カードともほぼ首都圏での利用が中心のため、少なくともPASMOが必須というユーザーはSuicaの半数程度、首都圏全体のシェアでいえば3分の1程度は存在することを示している。

今後、どの程度のPASMOカード保持者がモバイルの世界に移ってくるのかは不明だが、PASMO協議会によれば「Suicaが今年2020年9月に1000万のモバイルユーザーに達したことを報告しているので、まずはそこを目指したい」と述べており、全利用者の2-3割程度はモバイルに移行してくることを想定しているとみられる。特に私鉄沿線の在住者やバス利用が多いユーザーなどは、Android版を合わせてモバイルPASMOを利用する素地があるとみられ、あとはどれだけモバイルの便利さをアピールできるかがポイントになるはずだ。



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