MARIANA SUAREZ/AFP via Getty Images
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中国・四川省の高地宇宙線観測ステーション(LHAASO:Large High Altitude Air Shower Observatory)の研究チームが、これまでに例を見ないほど強力な発光源を天の川銀河内に発見したと、5月17日付のNatureオンライン版に報告しました。12のガンマ線源のうち、最も強いものでは約1.4 PeV(1400兆電子ボルト)ものエネルギーを発しているとされ、観測された最も強い線源の約1PeVを大幅に上回ります。

もう少しわかりやすく説明すると、巨大なハドロン衝突型加速器が発生する陽子のエネルギーでも"わずか"数兆電子ボルト程度です。今回の発見は、天の川銀河の内部には電子や陽子を極限まで加速する自然の粒子加速器が存在していることを示していると言えます。

こんな莫大なエネルギーのガンマ線が発生するためには、まず磁場が陽子や電子といった荷電粒子を巨大な速度にまで加速する必要があります。その粒子は、陽子が宇宙で他の物質と相互作用するときなどに、高エネルギーのガンマ線を発生させます。

これがどうやって生成されたのかは謎ですが、ガンマ線がそのようなエネルギーに到達するためには電磁場は最初に荷電粒子、つまり陽子または電子を巨大な速度に回転させる必要があります。そしてこれらの粒子、たとえば陽子が宇宙に存在するその他の物質と相互作用して、高エネルギーのガンマ線を生成する可能性が考えられます。

とはいえ1PeVを大きく上回るようなガンマ線の発生源を作り出すのにどれぐらい強力な環境で作られるのかについては科学者らもわかっていません。ただ、観測データからは2つの可能性が考えられるとのこと。ひとつはかに星雲のような、巨大な星が爆発のあとの残骸の乱流内、もうひとつの可能性は、巨大な星が形成されつつあり、その過程で猛烈なエネルギーが渦巻いているとされる はくちょう座まゆ星雲のような環境なのだそう。

なお、LHAASOはまだ完全には稼働していない状態で、完成は年末頃の予定です。完成すれば、科学者らはさらに高エネルギーのガンマ線源を発見できると期待しているとのこと。

Source:Nature

via:ScienceNews