moto g100 Junya Ishino

モトローラ・モビリティ・ジャパンが5月28日に発売するmoto gシリーズの最新モデル「moto g100」は、5万8800円という価格ながらSIMフリーかつ5Gにも対応。DSDSも利用できます。

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▲moto gシリーズの最新モデルとして発表されたmoto g100

moto gは、同社にとって一番の売れ筋となるミドルレンジモデルを集めたシリーズ。日本でも、SIMフリーモデルとして家電量販店や直販で販売されており、MVNO各社の取り扱い端末としても人気を博しています。コスパがいいのが最大の特徴と言えるでしょう。ただし、今回のmoto g100は、これまで1つずつ積み上げてきたgの後のナンバリングのケタが一気に上がって100になっています。これは、同モデルが従来のmoto gシリーズとは異なり、限りなくハイエンドに近いからにほかなりません。

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▲ミドルレンジのmoto gシリーズだが、moto g100は型番の勢いが示すとおり、限りなくハイエンドに近いスペック

採用するチップセットは、クアルコムの「Snapdragon 870 5G」。8シリーズのSnapdragonは、ハイエンド向けのそれですが、実際ベンチマークを取ってみても、パフォーマンスが高いことが分かります。以下に掲載したGeekbench 5のスコアを見ると、その性能の高さが分かるはず。ミドルレンジモデルとは一線を画したパフォーマンスが出ており、アプリもスムーズに動きます。以下は、ソニーの「Snapdragon 865 5G」を搭載した「Xperia 1 II」との比較ですが、CPUのシングルコアスコアと、GPUのComputeスコアともにmoto g100が上回る結果となりました。

moto g100 Junya Ishino

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▲moto g100のCPU、GPUスコア。下のXperia 1 IIをやや上回っている

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▲Snapdragon 865を搭載したXperia 1 IIのスコア。ただし、Android 11アップデート後にスコアが低下する謎の不具合が出ているため、ここでのCPUスコアは20年12月に計測したものになる

クアルコムは、現行のハイエンドモデル向けとして「Snapdragon 888 5G」を用意しており、日本で発売されたGalaxy S20シリーズなども、これを採用しています。こうした端末と比べると、Snapdragon 870のmoto g100は、パフォーマンスがやや劣るものの、昨年のハイエンドモデル並みかそれ以上の性能は出ています。クアルコムによると、一部のメーカーに、ハイエンド向けのチップセットを以前より長い期間に渡って(安く)使いたい意向があるとのこと。Snapdragon 870は、そんなニーズにこたえた“格安ハイエンド”向けのチップと言えるかもしれません。

ハイエンドっぽさは、ディスプレイのリフレッシュレートにも表れています。さすがに現行モデルのような、120Hzまでは出ませんが、90Hzで駆動するため動きは滑らか。ディスプレイが21:9と縦に長く、縦長コンテンツを表示した際に情報量が多い点も、評価できるポイント。冒頭で挙げたように5G対応で、Wi-Fi 6も利用できます。ただし、ドコモの展開するn79(4.5GHz帯)には非対応になるため、ドコモやドコモ系MVNOの5G対応SIMカードで利用する際には注意が必要です。

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▲ディスプレイのリフレッシュレートを90Hzに上げることが可能。自動で可変させる設定も用意した

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▲5Gに対応しており、環境がよければご覧の通りの速度が出る。ただし、ドコモの使うn79には非対応だ

パフォーマンスの高さを生かした機能として、「Ready For」と呼ばれる機能も用意されています。これは、いわゆるPCモードのような機能で、ケーブルでディスプレイに接続すると、大画面に最適化されたユーザーインターフェイスが表示されます。Galaxyシリーズの「DeX」や、ファーウェイ端末でおなじみの「デスクトップモード」に近い機能で、キーボードを接続して文章を作ったり、大画面で動画やゲームを楽しんだりするときに重宝しそうです。

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▲PCライクな大画面に最適化されたUIをディスプレイに映し出すReady Foeに対応

とはいえ、カメラは6400万画素のメインカメラと、1600万画素の超広角+マクロのデュアル構成。深度センサーとToFも搭載されるものの、競合他社がフラッグシップモデルに搭載するカメラと比べると、機能的にパンチ不足ではあります。超広角+マクロカメラには、接写時の陰を消すリングライトが搭載されるなど、moto g100ならではの工夫はありますが、ミドルレンジ上位の端末い近い構成であることも事実です。

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▲カメラは一見クアッドカメラに見えるが、事実上のデュアル

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▲超広角+マクロカメラは、レンズの周囲にリングライトを搭載する

90Hzのディスプレイも、有機ELではなく液晶になります。液晶が悪いわけではありませんが、発色が鮮やかでコントラスト比が高いフラッグシップモデルの有機ELディスプレイと比べると、どうしても見劣りします。逆に、こうした機能はあまり重視せず、価格が安いハイエンドモデルを求める人にはうってつけの端末と言えるでしょう。例えば、スマホの利用はゲームが中心でパフォーマンスは重視するものの、カメラはそれなりにキレイに撮れていればOKというようなユーザーには、コストパフォーマンスがすこぶる高く見えるはずです。

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▲ベゼルが少々厚めなのも、液晶ならではの弱点か

ミドルレンジモデルに2万円程度足せば手が届く価格になるため、必要十分な性能を持ったリーズナブルな端末を長く使いたい人も、いい選択肢になりそうです。こうした端末はこれまでのモトローラになく、「これまでカバーできていなかった領域。ヘビーユーザーが使えるモデルを準備てきていなかった」といいます。昨今のスマホ事情を見ると、例えばドコモがahamo用のオススメモデルとして先に挙げたXperia 1 IIや「Galaxy S20 5G」を、発売時より安く販売していますが、moto g100のターゲットもこれに近いと言えるでしょう。

フラッグシップモデルの性能が上がり、それに比例して価格も10万円を突破する中、5万円台で手に入るハイエンドモデルは貴重な存在。こうした“格安ハイエンド”的な端末は、今後徐々に増えていく可能性もあります。moto g100は、そんな市場を切り開こうとしている1台と言えそうです。