razr 5G ThinkPad X1 Fold Junya Ishino

モトローラ・モビリティ・ジャパンは、5G対応のフォルダブルスマホ「razr 5G」を日本で発売します。同モデルは、海外で一世を風靡した「RAZR」のスマホ版。4G版は20年1月に米国などで発売されていましたが、その後継機となる5G版がついに日本に上陸した格好です。しかも、モトローラ端末としては約10年ぶりに、ソフトバンクが取り扱いを決定。キャリアでは、ソフトバンクの独占販売になります。

razr 5G ThinkPad X1 Fold Junya Ishino
▲フォルダブルスマホのrazr 5G。日本のキャリアでは、ソフトバンクが独占販売する

モトローラは、レノボ傘下のスマホメーカーですが、ほぼ同時期にソフトバンクは、レノボのフォルダブルPC「ThinkPad X1 Fold」の取り扱いも開始します。ThinkPad X1 Foldは、フォルダブル機構を利用し、タブレットとしてもPCとしても使えるモデルですが、ソフトバンク版が販売するのは、その5G版。ソフトバンクショップなどで、コンシューマー向けに販売していくようです。

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▲ThinkPad X1 Foldの取り扱いも開始する

フォルダブルスマホとフォルダブルPCという2つのフォルダブル端末を一挙に扱うソフトバンクですが、その狙いはどこにあるのでしょうか。モトローラ・モビリティ・ジャパンの代表取締役社長 松原丈太氏と、レノボ・ジャパンの代表取締役社長 デビット・ベネット氏、ソフトバンクのプロダクト&マーケティング統括 モバイル事業推進本部 本部長 郷司雅通氏が、グループインタビューにこたえました。

razr 5Gは19万8000円、ThinkPad X1 Foldは40万2480円と、目新しいがゆえに、なかなか手が出しづらい価格になっている両機。ソフトバンクが取り扱うメリットの1つは、その負担を軽減する仕組みにありそうです。郷司氏は「比較的高額な商品だが、我々のメリットである『トクするサポート+』をご活用いただくことで、お安くご提供できる」と語ります。端末自体は返却する必要があるのは残念ですが、razr 5Gなら9万9000円、ThinkPad X1 Foldなら20万1240円の支払いで済むため、本体価格を一括で支払うよりは気軽に購入できそうです。

razr 5G ThinkPad X1 Fold Junya Ishino
▲2機種とも、トクするサポート+の対象になるという

razr 5Gは、ソフトバンクにとって「新たな挑戦」(同)とのこと。日本では、KDDIがサムスン製の「Galaxy Fold」や「Galaxy Z Flip」「Galaxy Z Fold2」を取り扱ってきた実績がありますが、それ以外のキャリアはフォルダブルスマホを販売していませんでした。背景には「5Gといっても、ユーザーがなかなか体感しづらい」(同)ことがあるといいます。

「高速であったりと言葉では分かるが、実際に5G時代になると、こんな端末も動くのかと認識していただけた方が分かりやすい。そういった意味で、今回はrazr 5Gの採用を決めた。価格は高額になるが、トクするサポート+を使って安価にご提供できるよう、最大限努力はした」

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▲ディスプレイを折り曲げられる未来感で、5Gの魅力をアピールする

モトローラの松原氏も、「機能は性能も重要だが」と前置きしながら、razr 5Gを「見た瞬間、これは違うと思わず二度見してしまうモバイルデバイス」だと評します。スペックだけを見れば、いわゆるミドルハイのスマホですが、razr 5Gには、そうした数値を超えた、ディスプレイをそのまま折りたためる感動があるというわけです。それが5Gらしいかどうかはさておき、先進性を感じさせるのは事実。ラインナップを並べたときの“華”になる端末といえそうです。

仕様面では、グローバル版に近く、カスタマイズは最小限にとどめられています。おサイフケータイにまで対応したXiaomiの「Redmi Note 9T」とは対照的ですが、これは「スピード重視だった」(郷司氏)ため。「何とか年度末までにご用意したいということで、非対応という判断をした」(同)といいます。松原氏も、「今後は色々と考えていきたいが、まずはきちんと商品を5Gに対応させるところに注力した」と口をそろえます。

とはいえ、対応周波数やプリインストールアプリなどは、ソフトバンク向けに最適化しているとのこと。razr 5Gは、背面に搭載したクイックビューディスプレイで閉じたまま利用できますが、PayPayなど、ソフトバンクのグループ企業が開発したアプリも対応しています。端末を開く必要なくQRコード/バーコードを表示できて便利ですが、こうした点は、きちんと対応をしているようです。

razr 5G ThinkPad X1 Fold Junya Ishino
▲クリックビューディスプレイには、PayPayのQRコードを表示できるという

スマホのrazr 5Gに対し、ThinkPad X1 FoldはPCで、すでにレノボ自身が販売しているモデルですが、「ThinkPadとしては、世界で初めて5Gのキャリアモデルになった」(ベネット氏)といいます。ソフトバンクにとっても、「PCとしてトクするサポート+に対応したのは初めて」(郷司氏)だといいます。元々ソフトバンクでは、主に法人向けにレノボ製のPCを取り扱っていましたが、ThinkPad X1 Foldは「コンシューマーに対して売っていく」(同)方針です。

このタイミングでPCにトクするサポート+をつけて販売する背景には、「コロナ禍の中で、市場の環境が大きく変わっている」(同)ことがあるといいます。コロナ禍で在宅ワークが進み、PC需要が大きく伸びたことはさまざまな調査で分かりますが、ソフトバンクとしてもここに注力していくというわけです。また、PCが5Gに対応しモバイルとの親和性が高くなっていることも、取り扱った理由の1つだといいます。

「スマホやタブレットの市場とPCの市場は別というところがあったが、Always Conncetedになれば、比較的モバイルに近くなる。我々もモバイルの接客の延長の中で、Always ConncetedのPCを扱える可能性を感じている。早めに着手することで、取扱店で積極的に販売している商材になりえるかどうかを検討する」

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▲5G対応モデルで、ソフトバンクが取り扱う必然性が高くなったという

ThinkPad X1 Foldは、あくまで第一弾という位置づけで、郷司氏も「この機種で終わりではないと思っている」と語ります。レノボが販売する他のPCをショップで販売することも、「前向きに検討している」といいます。キャリアショップで買うものといえば、スマホやタブレットが定番でしたが、トクするサポート+のような仕組みがフィットすれば、今後はPCに広がっていく可能性もありそうです。ショップの役割の変化としても、注目しておきたい動きと言えそうです。