燃料電池でデータセンター(一部)を48時間駆動。マイクロソフトが実験成功

ディーゼル式バックアップ電源よりもコスト安になりそう

Munenori Taniguchi
Munenori Taniguchi, @mu_taniguchi
2020年07月28日, 午後 12:20 in Microsoft
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マイクロソフトが、データセンターの一部ラックを48時間のあいだ水素燃料電池だけで動作させることに成功したと発表しました。マイクロソフトは2030年までのディーゼル燃料の使用ゼロ化およびカーボンネガティブ(エネルギー利用時のCO2排出よりも吸収のほうが多くなること)実現を目指しており、今回の実験成功はその目標に一歩近づく出来事だと自己評価しています。

マイクロソフトは2013年以降、天然ガスを使う固体酸化物形燃料電池(SOFC)を使用する研究を続けており、そのエネルギー効率を8~10倍も向上してきました。しかしSOFCはいまだ広範な利用には高コスト過ぎると述べています。またSOFCではCO2が発生するため、これに代わるソリューションの調査も進められていました。

今回の実験では、マイクロソフトは自動車などに使われるプロトン交換膜(PEM)式燃料電池を使用して250kWの容量を持つシステムを構築しました。これは米コロラド州にある国立再生可能エネルギー研究所が2018年に行った、データシステムへの水素燃料電池による電力供給実験に倣ったやり方です。PEM燃料電池は、使い始めから最大負荷での運用が可能な特徴を備えます。

そしてこのシステムをユタ州ソルトレイクシティ近郊のAzureデータセンターに設置。ラック1列ぶん(およそ10ラック)に接続し、2019年12月に24時間、さらに2020年6月には48時間の連続運転テストを実施して、いずれも用意した試験項目をクリアしました。

今回の実験はあくまでデータセンターにあるラック列1列をバックアップできる水素燃料電池の実験でした。しかしその成功によって、次の目標はバックアップ用ディーゼル発電機(3MW)を置き換えられる大きさの燃料電池システムを用意することを検討しています。PEM燃料電池のコストは2018年以降で75%も下落していると推定され、あと1~2年でディーゼル式のバックアップ設備と価格競争力を持つと考えられます。

また将来的には、マイクロソフトはAzureデータセンターの電力グリッドにに水素を大量に貯蔵しておくタンクと燃料電池、電気を起こす電解槽を設置して、負荷分散サービスの提供を図ることも検討しています。たとえば、風力や太陽エネルギーでの電力供給で余剰が発生するときは、電解槽で水から水素を取り出して蓄えておくことも可能で、取り出す水素量が増えれば、データセンターに出入りする燃料電池車にそれを供給できるようにもなるだろうとしています。

source:Microsoft

 
 

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