[名称] メモリースティックPRO-HG
[種類] フラッシュメモリー
[記録方法] 専用端子(14ピン)
[サイズ] 20×31×1.6mm(デュオ)
[容量] 1~32GB
[登場年] 2007年頃~

今や淘汰された懐かしの記録メディアたちに光を当てるこの連載企画では、ゆるっと集めているリムーバブルメディア・ドライブをふわっとご紹介していきます。

連載:スイートメモリーズ

「メモリースティックPRO-HG」は、ソニーとサンディスクが開発したフラッシュメモリーメディア。従来のメモリースティックPROと比べ約3倍、30MB/sという高速転送を実現していたのが特徴です。

どうやって高速化したかというと、端子を10ピンから14ピンへと拡張し、データ線を4本追加。従来、4bitパラレル転送だったものを8bitパラレル化することで、2倍の速度としました。さらに、データクロックを40MHzから60MHzへと向上させて1.5倍。合計、3倍の速度となっています。

物理的に端子数が増えているのは、歴代メモリースティックの中でもこれだけ。それだけに、メモリースティックPRO-HGは、最も大きな変化があったシリーズといっていいでしょう。

メモリースティックPRO-HGのサイズは小型のDuoサイズのみで、標準サイズはなし。また、より小さなマイクロサイズ(M2)は規格上存在しますが、製品としては登場しませんでした。

ということで、一番最初に登場した、型番が「MS-EX」で始まるモデルの外見です。

パッと見では従来製品と差がないように思えますが、実は、右端の凹みが2つに増えています。このDuo特有の凹みはいつからあるのか確認したところ、一番最初の「メモリースティック」では凹みなし、2世代目となる「メモリースティック(マジックゲート/高速データ転送対応)」から凹みが追加されていました。

というか、初代に凹みがないことを、今になって知りました……。

それはともかく、メモリースティックPRO-HGは凹みが2つあるというのが外見上の特徴です。

裏面を見てみましょう。

端子が増えているというのが分かるよう、比較用として、右にメモリースティック(マジックゲート/高速データ転送対応)を並べています。

4つのピン(右から数えて3、4、5、7)がデータに割り当てられていますが、このピンが分割され、8つのピンへと拡張されているのが分かります。また、従来のメモリースティックと比べ、端子が少し長くなったというのも大きな違いといえるでしょう。

このメモリースティックPRO-HGですが、初代のMS-EXだけでなく、後継モデルとしてHXシリーズ(MS-HXシリーズ)が3世代あります。

ラベルの色やデザインが変更になったほか、HXの文字が入っているのが特徴です。

左から、MS-HX(2008年)、MS-HXA(2010年)、MS-HXB(2011年)。よく見ると、一番左のMS-HXだけパッケージの作り方が異なっていて、初代のMS-EXと同じように、ラベル部分が四角く凹んでいるように見えます。

高難易度の間違い探し状態ですが、性能面では、MS-HXが20MB/s、MS-HXAが30MB/s、MS-HXBが50MB/sと、公称速度に大きな差があります。最終的には高速化しているとはいえ、どうしてMS-HXで速度が下がっているのか、気になりますね。

ちなみにMS-HXが登場した2008年は、PCで使われるSSDがSLCではなく、多値のMLCが主流になってきた頃。MS-EXでは「データ転送」となっていた速度が、MS-HXでは「読み出し」と変更になったことも踏まえると、HXシリーズからMLCに変わったのかな、などと考えてしまいます。

裏面も大きな差はないのですが、よく見ると、製造国が違っていました。個人売買サイトの写真を漁った感じでは、世代で製造国が決まっているわけではなく、日本製、韓国製、台湾製が混ざっているようでした。

メモリースティックPRO-HGが登場した頃にはすでにSDカードに押され気味。多くのメーカー・機器で使えるSDカードと比べ、ソニー製品くらいでしか使えないメモリースティックは、さすがに厳しかったのでしょう。2010年にはついに、コンデジのサイバーショットシリーズもSDカードに対応するようになりました。

こうした機器側の変化もあって、一般向けのメモリースティックは、このPRO-HGで打ち止めとなりました。

なお、今でもメモリースティックPRO-HG HX(MS-HXB)は販売されています。最大容量の32GBで1万7600円もしますが、登場から10年経った今でも購入できるというのは、古い機器を使い続けている人にとってありがたいですね。

連載:スイートメモリーズ

参考:

サンディスクとソニー、高速転送、高速書き込みを実現する「メモリースティックPRO-HG」を開発, Sony
サンディスクとソニー、「メモリースティックPRO」と「メモリースティック マイクロ」の拡張フォーマットを共同開発, Sony
“メモリースティック PRO-HG デュオ”“メモリースティック デュオ ExpressCardアダプター”発売, Sony
“メモリースティック PRO-HG デュオ” HX発売, Sony