Neuralink
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イーロン・マスクが人と機械の融合を掲げて設立したAI技術研究企業Neuralinkが、脳に”Link”チップを埋め込まれたサルが「考えただけで」PONGをプレイする映像を公開しました。チップは外部とBluetoothで通信しており、1024本の電極が取得した情報を25msごとに外部の受信機へと脳活動データを送信します。

受信機側では、送られてきたデータをデコードして特定の神経パターンとサルの希望する動きとの関係をモデル化します。その際、サルがコントローラーを上に動かしたとき、下に動かしたときなどに出る特定の神経活動パターンを詳しく分析していけば、脳内の活動に基づいてサルがどのようにコントローラーを動かそうとしているかを予測できる、つまり考えていることを読めるようになります。

そしてこの実験では、脳内からのデータを今度は逆にPONGのシステムの方にサルが思っているコントローラーの動きとして送信することで、サルが頭で考えるだけでPONGをプレイできるようになりました。紹介映像では、最初はサルがジョイスティックを使ってPONGをプレイしていますが、後半ではもはやジョイスティックなしで、まさに”思うがまま”にゲームをプレイしている様子が映されます。

 

脳内の電極からデータを外部にワイヤレスで送信する技術は今後「脳-マシンインターフェース」の開発のために必須とされる研究課題です。これによって、たとえば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や脊髄損傷などによる麻痺をもつ患者が、自由に手足またはロボット義手や義足を動かせるようになる可能性もあり、生活の質の向上に役立つことが考えられます。

映像で観たデモンストレーションでは、本当にサルがゲームをプレイしているのかどうかわかりづらいものの、物理的な操作なしにサルがゲームをプレイしていると言われればなかなかに衝撃的なことをしているのだとわかります。ただ、今の方法にはまだ課題もあります。たとえばすでに四肢麻痺を持つ患者の場合は、最初にジョイスティックを動かして脳の活動をコンピューターに教えるステップを踏むことができず、脳活動に応じた信号パターンをモデル化することもできません。

ただ、Neuralinkとは別の研究では、そのような場合でも被験者に特定の動きを想像してもらうことで代用できる可能性があるとしています。

イーロン・マスクは、この研究を進めることで、たとえば麻痺して手指が動かせない人でも頭で考えるだけで指を使うよりも早くスマートフォンを操作したり、下半身麻痺の人が末端の運動や感覚を司る神経にワイヤレスで脳から直接信号を送って再び歩けるようになるとTwitterで述べました。

ちなみに、Neuralinkとは別に「BrainGate」と呼ばれる研究者らのコンソーシアムも、優先接続と同等の通信速度を持つと称する無線式の脳埋め込みインターフェースを開発したことを発表しています

Source:Neuralink