テスラやSpaceX、The Boring Company(TBC)のCEO、イーロン・マスク氏が、カリフォルニアからテキサス州に移り住む予定だと親しい友人に述べたとCNBCが報じています。マスク氏は最近テキサスでの事業拡大を行っており、テキサス州知事とも関係を深めています。
マスク氏移住の話は、匿名を希望するのマスク氏の友人から得た情報だとCNBCは伝えています。マスク氏は2003年にテキサスでSpaceXを操業し、近年ではボカチカの施設で次世代の宇宙船Starshipプロトタイプの試験を重ねています。また同じテキサス州のオースティンにはトンネル内にEVを走らせる新交通システム「Loop」などを作るトンネル掘削企業TBCを設立しており、テスラも新工場を建設することになっています。
現在これら3社はカリフォルニア州に本社を置いており、マスク氏もカリフォルニアに居を構えています。しかし新型コロナウイルス感染症が米国内で猛威を振るいはじめた今年春先、感染防止のための工場閉鎖命令をめぐって規制当局と対立を深めたマスク氏は、テスラの本社と将来的には開発施設をテキサスまたはネバダ州に移転するとツイートしていました。
Frankly, this is the final straw. Tesla will now move its HQ and future programs to Texas/Nevada immediately. If we even retain Fremont manufacturing activity at all, it will be dependen on how Tesla is treated in the future. Tesla is the last carmaker left in CA.
— Elon Musk (@elonmusk) May 9, 2020
超高額所得者らから非難の的になることも多いカリフォルニア州の高い税金制度も、移住に関する大きな動機のひとつかもしれません。テスラの株価は過去1年間で782%もの成長を遂げており、2018年に承認されたマスク氏の10年間の報酬パッケージは総額が500億ドルをはるかに超える額に膨らんでいます。すでに12のトランシェに分割された報酬は4番目まで取得可能になっており、マスク氏が権利を行使すればそれを手にすることができるものの、同時に所得税も発生します。そして、カリフォルニア州では個人所得税が最高で13.3%かかりますが、テキサス州には個人所得税がありません。
CNBCはマスク氏がテキサスに居を構えたという証拠は得られていないとしています。しかしマスク氏は5月にカリフォルニア州の不動産を複数売却しており、テキサス州のアボット知事は7月にCNBCの“Squawk Box”コーナー内で、マスク氏がテキサス州の運転免許証を取得し「正真正銘テキサス人」になったと述べていました。
source:CNBC